空き家でも火災保険に加入できる?保険加入の必要性とポイント

投稿日 : 2022年07月28日/更新日 : 2022年08月11日

総務省の土地統計調査によれば、全国的に空き家率が増加傾向にあります。今後も高齢化が進めばますます空き家率は増加することが考えられ、不動産営業に相談がくるケースも増えるでしょう。

空き家を持つ方が疑問に思うことの1つに「火災保険の必要性」があります。本記事では空き家に火災保険がなぜ必要なのかと、加入の際に知っておきたい注意点について解説します。

お客様から空き家の火災保険について聞かれることを想定し、ぜひ読み進めてみて下さい。

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空き家に火災保険は必要なのか

必要性

お客様のなかには「空き家に火災保険は必要ないのでは?」と考えで相談してくる方もるかもしれません。

しかし、空き家だからといって火災保険が不要ということはありません。

空き家でも火災保険が必要な理由について解説します。

火災のリスクは人がいない空き家の方が大きい

空き家でも火災保険が必要な理由の1つが「老朽化するスピード」の違いです。誰も住んでいない家の場合、定期的に管理しているとしても痛むスピードは早くなってしまいます。

老朽化によって問題になるのが地震や台風です。損壊・倒壊して周囲の家に被害を広げてしまう危険があります。倒壊した建物の撤去や周囲の住民への補償を考えて、火災保険や各種特約の加入が必要です。

また、空き家は放火される可能性もあります。放火犯はチラシや新聞がポストからあふれているような「管理されていない空き家」を狙う傾向があるためです。

適正な管理がされない空き家には火がつけやすい新聞やチラシが近くにあります。人の目がないこともあって、放火の対象になりやすいのです。

人が住んでいるとき以上に空き家のほうが事故や損害を引き起こすリスクが大きいため、そのための備えとして火災保険が必要です。

空き家になってしまった理由に関係なく加入の必要性は高い

どのような理由で空き家になってしまったとしても、火災保険に加入する必要性は高いです。空き家になる理由のパターンとして「転勤」「相続」を考えてみましょう。

転勤で空き家になった

転勤や出向によって自宅が空き家になったケースでは、任期が終了したあとに再びその家で生活することになる可能性があります。

火災や自然災害による被害を受けて住めなくなるわけにはいかないため、火災保険への加入は必須です。

相続した家が空き家になった

両親が住んでいた実家について、両親が亡くなったことで相続したケースです。すでに自宅があれば、取得した実家は空き家になってしまいます。

相続で取得した空き家に今後も住む予定がなく資産としての価値がない場合、簡単に処分ができません。

放置する場合は、自然災害で倒壊したり火災で焼け落ちたりするリスクが高まります。建物の取り壊し費用や撤去費用が発生することを考えると、それらの費用を確保する必要があります。

【結論】空き家でも火災保険に加入することは可能

火災保険

保険会社からすると、空き家は事故の発生率が高い=保険事案になりやすく保険金を支払う可能性が高い物件です。しかし、だからと言って空き家の所有者が保険に加入できないということではありません。

結論からいえば、空き家でも火災保険に加入できるケースはあります。ただし、一般的な住宅と比較して対応する保険の種類は少ないのが現状です。また、保険加入にあたってもいくつかの注意点があります。

共済の場合は加入できない場合もある

空き家を対象にした火災保険は大手保険会社でも取り扱いが少ないのが現状です。原則として共済では取り扱っていません。

たとえば県民共済では、火災保険の加入対象にならないものの一例として、明確に「空き家」が記載されています。

参考:埼玉県民共済|加入できる対象を教えて下さい

一般的な住宅より保険料は高くなることがある

個人が所有する空き家で火災保険を契約する場合、火災保険料は空き家がどの物件種別になるかによって変わります。

別荘や一時的な転居による空き家は「住宅物件」とみなされる可能性があり、そうなれば一般的な住宅と同様の手ごろな保険料で加入できます。

一方でそれ以外の、人が住めない空き家や物置として利用する空き家は「一般物件」と呼ばれ、住宅物件の空き家よりも保険料が割高になる傾向があります。

空き家で火災保険に加入するためのポイント

ポイント

空き家の火災保険について、契約者の方が知っておくべきポイント・注意点を紹介します。

空き家になったことはすぐに保険会社に連絡する

空き家になった事実は、保険会社に伝える必要があります。

保険会社は契約者の住民票をチェックすることはしません。所有者の変更や住所変更などがあった場合、契約者の側から保険会社に連絡しなければいけません。

何らかの理由で連絡漏れがあると保険会社が把握できず、本来は空き家が対象外の火災保険に加入し続けてしまうことになります。

保険料を払い続けたとしても、空き家を対象外にする保険では火災が発生しても補償されない場合があるため注意が必要です。

建物の用途によって加入できるか変わることがある

空き家になった理由が「転勤」である建物や、季節的に住居として使用する別荘など、家財が常に備えられているものであれば、専用住宅と同様に火災保険に加入が可能です。

それ以外の空き家の場合、保険会社によっては火災保険に加入ができないケースがあります。

保険会社によっては一般物件として店舗や事務所と同等の扱いで保険を契約できますが、住宅に比べると保険料が割高な傾向です。また、一般物件として加入できる保険会社でも、建物が崩れて廃屋のようになっているような管理状態では火災保険に加入できないこともあります。

地震保険には加入できない場合がある

ひとくちに「空き家」といっても、建物の用途によって以下のように分類が分かれています。

  • 専用住宅・共同住宅:一戸建てやマンションなど
  • 併用住宅:一部を住居として使用し、残りを店舗や事務所に使っている建物
  • 一般物件:店舗や事務所など

前項で紹介した「一般物件」の扱いでは、火災保険に加入できても地震保険に加入できないので注意が必要です。地震保険は、あくまで生活を再建するための保険であるためです。

賠償責任特約も検討する

空き家の管理が行き届かないと、屋根や壁の一部がはがれて他人の家を傷つけたり通行人にけがをさせてしまったりする可能性があります。そうなれば、所有者が損害賠償責任を負うことになってしまいます。

このような事態に備えて、火災保険とは別に特約への加入を併せて検討しましょう。賠償責任が発生した場合に補償してもらえます。専用住宅や共同住宅の場合は「個人賠償責任特約」、一般物件の場合は「施設賠償責任特約」に加入することで補償を受けられます。

まとめ

本記事では空き家に火災保険がなぜ必要なのかと、加入の際に知っておきたい注意点について解説しました。

転勤による空き家や別荘の場合は将来的に住む可能性があるため火災保険はもちろん必要ですが、それ以外の空き家でも自然災害や放火に備える意味でも必須です。

お客様から相談された際は必要性に加えて「人が住んでいた時に加入した火災保険が対象外になることもある」など、火災保険に関する注意点についても周知しましょう。

kobayashi この記事の監修者:小倉 大将
「いえーる 住宅研究所」編集長
学生インターン期間を経て、新卒一期生としてiYell株式会社に入社。開発マネジメント部門・メディア事業部門を経験し、入社2年目にして「いえーる 住宅研究所」の編集長に異例の抜擢を果たす。現在、同メディアを不動産業界のDX推進の一翼を担う媒体とすることをミッションに、日々業務に励む。
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