不動産査定書とは?見方や作成時のポイント、査定時に必要な書類などを解説!

投稿日 : 2024年07月25日

オーナー様が売却予定の不動産の売出価格を決める際、不動産査定書の価格が基準の一つとなります。

不動産会社がオーナー様から直接売却の依頼を受けるためには、不動産査定に関する知識を深めておくことが大切です。

今回は、不動産査定書の見方や作成時のポイント、査定時に必要な書類まで徹底的に解説します。記事の後半では、不動産査定や売却の反響獲得に便利なサービスも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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不動産査定書とは

不動産査定書とは、不動産の査定結果を記載した書類を指します。

不動産を売却する際、最終的に売出価格を決めるのはオーナー様です。

しかし、不動産は一般的な物と違い、売却段階では売出価格が市場に公表されていません。また、一つとして同じ物が存在せず、不動産取引は売主と買主が条件に納得した上で契約成立となる、相対取引です。

そのため、消費者にとって納得できる売出価格を決めるために、不動産査定が必要になります。不動産査定書の内容は売却の成功を左右するため、オーナー様にとって非常に重要な役割を担っている書類です。

不動産査定書の種類は2つ

不動産査定書の種類は、以下2つです。

  • 不動産会社が作成する場合
  • 不動産鑑定士が作成する場合

それぞれ見ていきましょう。

不動産会社が作成する場合

一般的に不動産査定書というと、不動産会社が作成する査定書を指します。

各不動産会社が、周辺の取引事例などを参考に参考価格として査定結果を記載した書類です。報酬を伴う不動産の鑑定を行うためには、不動産鑑定業者としての登録が必要になるので、不動産査定書はあくまでも参考価格として、無料で作成します。

査定した価格に対して法的な責任はなく、査定方法や内容、精度は不動産会社によってさまざまです。

不動産鑑定士が作成する場合

不動産鑑定士が作成する書類に「不動産鑑定評価書」というものがあります。先述の不動産査定書とは異なり、こちらは有料となっています。

報酬を伴う不動産の鑑定評価は、不動産鑑定士のみが行える独占業務です。

不動産鑑定評価書は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づいて、市場での正常な価格を把握するために作成されます。公的な証拠資料としても利用できる書類で、離婚や相続の財産分与など、話し合いで解決できない時にも使用可能です。

鑑定価格は国土交通省が示す基準をもとに、それぞれの鑑定事務所が決めているケースが一般的で、不動産の評価額や種類、所在地などに応じて変わります。

2,000万円の宅地の場合、鑑定価格の目安は20万円~25万円です。

不動産鑑定事務所によっては、簡易的な鑑定を行っているところもあり、これが不動産査定書を指すことがあります。

ただし、簡易鑑定は通常の不動産鑑定よりも簡略化されており、裁判などの説得力を求められる書類としては、効力が薄くなるため注意が必要です。

不動産査定書の見方

不動産査定書には、特に決まった書式はありません。必須項目などの規定もないため、各社自由な書式で作成するケースが一般的です。

ここでは、一般的に記載される項目を説明していきます。

項目の説明

不動産査定書の一般的な項目は、大きく分けて以下4つに分かれます。

項目 内容
不動産の概要 土地や建物の所在地、面積、最寄りの交通機関など
不動産の特徴 査定する不動産のセールスポイント
査定結果 査定価格、算出した価格の根拠、評価の詳細など
売出価格の目安 査定結果をもとにした売出価格の目安

不動産の概要・特徴

不動産の概要では、不動産の基本情報の他にも土地の形状や用途地域、建物の築年数や構造など、不動産の評価に関する項目を記載します。

また、不動産のセールスポイントを記載しておくと、オーナー様が売却する際に参考になるでしょう。

査定結果

過去の取引事例や、周辺の物件情報などをもとに算出した査定結果を記載します。

どのような方法を用いて査定したのか、その方法を用いた理由、査定価格の根拠となる計算方法など、オーナー様に信頼していただくために詳細に記載することが大切です。

売出価格の目安

オーナー様は査定結果をもとに売出価格を決定しますが、不動産の売却がはじめてのオーナー様の中には、売出価格で迷われる方もいらっしゃいます。

専門家である不動産会社の視点から、査定結果をもとにした売出価格の目安と理由を提案しておくと、オーナー様からの信頼を得られる可能性が高くなるでしょう。

不動産査定に必要な書類

不動産査定に必要な書類は、最低限必要な書類と、より査定精度を上げるための書類に分かれます。オーナー様に多くの書類を用意していただけると、より精度の高い査定結果を出すことが可能です。

最低限必要な書類

オーナー様に最低限用意していただきたい書類は、以下6種類です。

  1. 登記簿謄本
  2. 公図など所在地がわかる地図
  3. 土地の測量図または建物の図面
  4. 登記済権利証または登記識別情報
  5. 身分証明書
  6. 印鑑証明書

より精度が上がる書類

以下の書類を用意していただくと、不動産の個別の事情を正確に把握できるため、より精度の高い査定結果を出せるでしょう。

【不動産全体】

  • 不動産の周辺環境がわかる最新の資料
  • 売買契約書
  • 固定資産税納税通知書または固定資産税評価証明書

【建物】

  • 建築確認済証または検査済証
  • 建築設計図書または工事記録書
  • 住宅性能評価書
  • 耐震診断報告書
  • リフォームの契約書
  • マンションの管理組合規約、管理費・修繕積立金に関する書類

【土地】

  • 境界確認書

不動産査定の際のポイント

不動産査定の際のポイントは、以下5つです。

  1. 査定結果の根拠を明確にする
  2. 査定書のわかりやすさ
  3. 適切な取引事例地を選ぶ
  4. 個別の事情を反映させる
  5. 公的機関の情報や事業者向けツールを活用する

順番に見ていきましょう。

査定結果の根拠を明確にする

オーナー様に信頼していただく査定結果を出すために、根拠を明確にすることが重要です。宅地建物取引業法の第34条では、以下のように定められています。
「宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。」

引用元:宅地建物取引業法 | e-Gov法令検索

不動産流通推進センターが公開している価格査定マニュアルを参考にするなど、査定結果は根拠をもとに慎重に算出することが大切です。

査定書のわかりやすさ

オーナー様が不動産の売却を検討する際、複数の不動産会社に査定を依頼することが一般的です。

専門用語が多い、体裁が揃っていないなど、提出した査定書がわかりにくいと媒介契約に至らない可能性があるでしょう。

適切な取引事例地を選ぶ

一般的に、不動産の価格を算出する方法は、比較方式・原価方式・収益方式の3つです。

比較方式 対象の不動産と類似の不動産の取引価格を調査する方法
原価方式 対象の不動産と同等のものを建築した場合、いくらになるのか調査し、築年数に応じて減価修正する方法
収益方式 投資用不動産の収益性に着目する方法

居住用の宅地やマンションは、比較方式で評価するケースが多くなっています。

比較方式で算出する場合、適切な取引事例地を選択できなければ、査定精度が低くなってしまうため注意が必要です。

比較方式を採用する際、適切な取引事例地を選択するためには、以下がポイントになります。

  • 売り急ぎなど特殊な事情がない
  • 最近の事例である
  • 可能な限り、査定する不動産と条件が同等である
    (規模、最寄りの交通機関までの距離など)

個別の事情を反映させる

査定の精度を高めるためには、不動産の個別の事情を正確に反映させることが大切です。

以下は、個別の事情を判断する際の具体例です。

  • 各部位の品質(高級、標準など)
  • 修繕状況
  • 住宅の性能
  • 日当たり

公的機関の情報や事業者向けツールを活用する

査定時に比較方式を採用する際、比較対象の取引事例の入手が困難なケースもあるでしょう。

そのような場合、以下のような公的機関等が公表している情報や、後ほど紹介する不動産事業者向けのツールを活用することも選択肢の一つです。

  • 指定流通機構が提供する市況情報、マーケット情報
  • 国土交通省が提供する土地総合情報システム
  • 政府が公表している地価公示

不動産査定書のひな形・テンプレートのダウンロード方法

以下の不動産査定書のひな形は、不動産流通推進センターの公式サイトからダウンロード可能です。

  • 戸建て住宅
  • RC版戸建て住宅
  • 住宅地
  • マンション

ただし、上記のサンプルを利用するためには、年間3,630円(税込)の利用料金がかかります。

閲覧のみであれば無料です。

不動産一括査定サービスの紹介

不動産会社による査定や、売却依頼の反響獲得に役立つサービスを3つ紹介します。

イエウール

イエウールとは、2014年に運営を開始した不動産一括査定サイトです。株式会社Speeeが運営しており、最先端のテクノロジーを用いたマッチングアルゴリズムなどを活用して売却成立サポート件数年間20万件を達成しています。

イエウールは、株式会社東京商工リサーチが行った「不動産の一括査定サイトに関するランキング調査」で「査定依頼ユーザー数」「提携不動産会社数」「エリアカバー率」すべて1位を獲得しています。

イエウール資料請求・加盟問い合わせフォームよりお問い合わせください。

イエウール|資料請求・加盟に関するお問い合わせ

HOME4U

HOME4Uは、株式会社NTTデータ・スマートソーシングが運営している日本初の不動産一括査定サイトです。近年は、オーナー様が売却を検討する際、一括査定サイトを利用する方が増えています。

HOME4Uは、2021年6月現在で月間サイト訪問者数100万人となっており、業界の中でも実績豊富な不動産一括査定サイトです。効率よく集客をしたい、オーナー様からの売却依頼を増やしたい不動産会社におすすめのサービスとなっています。

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AI査定プラス

AI査定プラスは、株式会社コラビットが運営しているAI査定サービスです。不動産会社の公式サイトにリンクボタンを設置し、受信用のメールアドレスを用意するだけで、手軽に自社の公式サイトにAI査定サービスを導入できます。

AI査定プラスは、売却を検討しているオーナー様の反響を獲得したい不動産会社におすすめです。

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まとめ

不動産のオーナー様からの売却依頼を増やすためには、不動産の査定に関する知識が必須になります。オーナー様に信頼していただく査定結果を算出するためにも、正しい知識を持っておきましょう。

また、AI査定サービスや一括査定サイトを活用することで、査定にかかる業務の負担を減らしながら、効率良く反響を獲得することも検討してみてください。

この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。
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