賃貸の見積書作成におすすめのテンプレートサービス3選|必要な項目も紹介
見やすい見積書をスムーズに提出できるかどうかは、契約の成否に大きくかかわる大切な部分です。 いざ見積書を請求されたときに、作り方を調べていてはスピーディーに契約まで進められません。また作ってみたら不備があったということも
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2021年5月12日にデジタル改革関連法案が国会で成立したことにより、今後の不動産契約は従来の「紙とFAX」による契約から電子契約に大きく変わります。
今回は「電子契約」の基本と、すでにスタートしている電子契約サービスについて紹介します。
電子契約は、電子文章に電子署名を利用して契約を締結する行為のことです。
紙を使うことなく契約を進めることで、「コストの削減」「省資源化」「紛失・焼失の心配無用」など、さまざまなメリットがあります。
電子契約であれば遠方の人との契約もスムーズです。これまでテレワークが難しかった業界で新しい働き方を実現できるとして注目を集めています。
2021年5月12日に国会で「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案」(以下、デジタル改革関連法)が成立しました。
改正によって重要事項の説明や契約書の交付の電子交付が可能になります。
従来の不動産取引では、宅地建物取引業法の決まりによって、以下の2つの書面交付が必要です。
賃貸借契約の締結は対面または郵送での契約書のやり取りが不可欠でしたが、契約や重要事項説明のオンライン化によって対面に頼らない契約が可能になります。
法改正で盛り込まれた内容の1つ目が「押印義務の廃止」です。
たとえば「宅地建物取引業法」35条を見てみると、以下のように押印義務が記載されています。
第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、宅地建物取引士は、当該書面に記名押印しなければならない。
引用元:e-GOV|宅地建物取引業法|35条の5
「記名押印」という言葉が法律で決まっているので、現状では書類に対面での押印が不可欠です。
今後は押印を電子書面で行うことが可能になる関係で、以下のように修正される予定です。
第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、宅地建物取引士は、当5第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、宅地建物取引士は、当該書面に記名しなければならない。
引用元:デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案
「押印」という文言がなくなり、対面での押印をせずに契約を進めることが可能になります。
書面化義務の緩和については現行の法律で明記されていないため、新しい法律が新設されることになります。
たとえば宅地建物取引業法35条。現在は7項まで存在しますが、今後は書面化義務の緩和を定めた8項 9項が新設される予定です。
国会に提出された8項の条文案は以下のとおりです。
宅地建物取引業者は、(中略)宅地建物取引士に、当該書面に記載
すべき事項を電磁的方法であつて第五項の規定による措置に代わる措置を講
ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供させることができる。
この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該宅地建物取引士に当該書
面を交付させたものとみなし、同項の規定は、適用しない。
引用元:デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案
重要事項説明は契約の前に行うのが義務で、宅地建物取引業法では対面による説明が必須でした。
しかし、今では非対面でのオンラインによる説明(IT重説)が認められています。
IT重説ではビデオ通話システムを利用し、対面での説明と同様に重要事項を宅地建物取引士が説明します。
ただし、絶対にオンラインで重要事項の説明を受けるということではありません。対面を希望する場合は柔軟に対応できるのもメリットです。
IT重説について詳しくは以下の記事も参考にしてください。
関連リンク入れる:【徹底解説】不動産売買のIT重説が全てわかる【2021年4月~】
宅地建物取引業法では重要事項説明書を書面で必ず交付するように定めています。対面であれば説明書を手元に置き、説明が完了して十分に理解したところで記名押印を行います。
IT重税でも同様で、説明時に書面をメールからダウンロードする方式で相手に届けてから説明を行います。
ただし、この場合はモニターで見ている説明書が間違いなく本物である証明が必要です。そこで電子署名を利用し、間違いなく正しい書面であることを証明しています。
契約書類の電子交付に際しても電子署名が利用されます。電子署名がなされた契約は当事者が行った行為と同様という法的な担保がなされるためです。
なりすましによる詐欺行為など、対面でないがゆえに発生する可能性のあるリスクを未然に防ぐことができます。
電子署名サービスを提供している会社として2社を紹介します。
IMAoSは、不動産賃貸業向けの電子署名サービスです。
スマートフォンで署名を行う機能を標準装備しており、SMS(ショートメッセージ)を利用して電子署名の依頼を通知できます。スマートフォン1つあれば、どこでもスピーディーな署名が可能です。
電子帳簿保存法に対応したタイムスタンプを採用しており、日本独自の税務対応もスムーズに行えるのもメリットです。
IMAoSを活用して電子署名できる契約の一部を抜粋すると、以下のとおりです。
ビットレックは、クラウド型の電子契約システムです。
クラウド型のためシステムの導入が不要で、売買・賃貸に関する契約をスマートフォンで簡単に完結できます。
操作開始から契約まではたったの3ステップです。
心配されるのはセキュリティ面ですが、暗号化通信を利用することで対策がなされています。
電子署名が可能なのは、以下のような書面です。
従来は対面での署名が必須だった不動産業界ですが、電子契約の普及によってテレワーク化が推進されるなど、環境が大きく変わる可能性があります。
2022年以降は契約のデジタル化がますます進み、それが当たり前になる時代が訪れます。
今後のさらなる法改正に備え、電子契約の導入を検討してはいかがでしょうか.
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この記事の監修者:小倉 大将 「いえーる 住宅研究所」編集長 学生インターン期間を経て、新卒一期生としてiYell株式会社に入社。開発マネジメント部門・メディア事業部門を経験し、入社2年目にして「いえーる 住宅研究所」の編集長に異例の抜擢を果たす。現在、同メディアを不動産業界のDX推進の一翼を担う媒体とすることをミッションに、日々業務に励む。 Facebook / Twitter |