仲介手数料の自動計算ツール【計算の内訳も解説】
不動産の売買の際は仲介してくれた不動産業者に手数料の支払いが必要です。
物件価格とは別に数十万円~数百万円のコストがかかるため、事前に金額を把握しておくことが大切です。
ただ、毎回電卓で計算するのは大変なことです。そこで今回は、金額を入力するだけで仲介手数料の概算が表示されるツールを用意しました。
売買金額ごとの仲介手数料の一覧表も作成しましたので、不動産購入を検討している方はぜひご覧ください。
仲介手数料の自動計算ツール
「売買金額」に金額を入力するだけで、消費税まで含めた仲介手数料が自動的に表示されるツールをご用意しました。
自由にお使いいただき、ご自身の仲介手数料の把握にご活用ください。
自動計算式のプラグインを入れたい(400万以上物件価格×3%+6万+消費税)
仲介手数料の計算方法(速算式)
仲介手数料は上記の自動計算ツールで瞬時に導き出すことができます。
ただ、「売買価格ごとにどんな計算式が適用されるのか」については事前に理解しておきたいところです。
売買代金が「200万円以下」「200万円超400万円」「400万円超」のいずれに分類されるかによって計算式が全く異なります。
売買価格が200万円以下の場合
不動産の売買価格が200万円以下の場合、手数料の計算式は以下のとおりです。
売買価格×5%+消費税
200万円「以下」のため、売買代金が仮に200万円ぴったりだった場合もこの計算式を利用します。
売買価格が200万円超~400万円以下の場合
不動産の売買価格が200万円超400万円以下の場合、手数料の計算式は以下のとおりです。
売買価格×4%+2万円+消費税
売買代金が400万円ぴったりの場合、この計算式を使って計算を行います。
売買価格が400万円超の場合
不動産の売買価格が400万円超の場合、手数料の計算式は以下のとおりです。
売買価格×3%+6万円+消費税
【注意】賃貸の仲介手数料は全く異なる
アパートやマンションを賃貸で借りる場合、不動産仲介業者に支払う仲介手数料は売買とは別に決められています。
具体的な手数料は以下のとおりです。
家賃の1か月分+消費税
この「家賃」に管理費は含まず、純粋な家賃だけで計算するのがポイントです。
【不動産の物件価格別】仲介手数料の一覧表
物件価格と計算式、実際に支払う金額を一覧表で作成しました。
物件価格に対してどれくらいの仲介手数料がかかるのか、費用感を確かめたい場合に有効です。
物件価格(売買金額) | 計算式 | 仲介手数料 |
200万円 | 200万円×5%+消費税 | 110,000円 |
400万円 | 400万円×4%+2万円+消費税 | 198,000円 |
600万円 | 600万円×3%+6万円+消費税 | 264,000円 |
800万円 | 800万円×3%+6万円+消費税 | 330,000円 |
1,000万円 | 1,000万円×3%+6万円+消費税 | 396,000円 |
1,500万円 | 1,500万円×3%+6万円+消費税 | 561,000円 |
2,000万円 | 2,000万円×3%+6万円+消費税 | 726,000円 |
3,000万円 | 3,000万円×3%+6万円+消費税 | 1,056,000円 |
4,000万円 | 4,000万円×3%+6万円+消費税 | 1,386,000円 |
5,000万円 | 5,000万円×3%+6万円+消費税 | 1,716,000円 |
1億円 | 1億円×3%+6万円+消費税 | 3,366,000円 |
不動産売買の仲介手数料とは
不動産売買における「仲介手数料」とは、売主と買主の間に入って契約業務を執り行う不動産仲介会社に対して支払う手数料のことです。
不動産の購入には消費税以外の手数料がかかることを知らない人も少なくありません。
仲介業者がいる以上、彼らに手数料を支払うのは必要です。
一般的には「住宅の購入価格の1割くらいの諸費用がかかる」と言われています。
購入するときだけでなく、売却する場合にも同等の手数料が必要です。
手数料を支払うのは、以下のような部分にコストがかかるためです。
- 営業活動の成功報酬
- 手続きの代行費用
不動産を購入する場合、インターネットで広告を見て問い合わせをすることから始めます。さまざまな不動産業者の土地情報が集まる「ポータルサイト」への掲載には費用がかかるほか、それらを手続きする人の人件費も必要です。
さらに仲介業者は契約条件の調整・契約書類の作成など、事務手続きも代行してくれています。業務代行に対する報酬という意味でも仲介手数料がかかります。
売買手数料には消費税も上乗せされる
2019年に消費税が8%から10%に増税されましたが、これによって不動産の仲介手数料にも影響があります。
仲介手数料は不動産会社に対する対価であり、居住用・事務所用に関係なく課税されます。
物件価格200万円なら税抜きの手数料は10万円(売買代金の5%)ですが、実際には消費税10%が加わって11万円になっています。
仲介手数料を支払うタイミング
仲介手数料を支払うタイミングは、「売買契約が成立したとき」です。
不動産を購入する意思を示すと、不動産業者から「媒介契約書」が提示されます。そのなかで、支払い期日や金額については記載されています。
なお、仲介手数料は成功報酬のため、売買契約が成立しなかった場合は支払う必要はありません。
不動産売買には仲介手数料のほかにも諸経費がかかる
今回は仲介手数料にスポットを当てていますが、不動産売買には目に見えない費用が数多くかかることはぜひ知っておきたいところです。
これら諸経費に加えて仲介手数料もかかるため、住宅購入で資金作りを進めている人は注意が必要です。土地と一戸建て購入で予算を使い切るのではなく、諸経費まで含めて余裕も持った資金計画を練る必要があります。
今回は軽く一例を紹介します。
登記費用
不動産の売買が成立した場合、所有権を売主から買主に移すための「所有権移転登記」が必要です。かかる費用は買主が負担します。
登記にかかる費用だけでなく、司法書士に支払う費用も必要です。登記は個人でも行うことができますが、内容が複雑ですから基本的に司法書士に頼むことになるでしょう。
報酬は司法書士ごとにさまざまですが、数万円~5万円程度が相場です。
手付金
不動産の売買契約が成立した場合、買主側から売主側に手付金を支払います。
手付金の役割としてよく知られるのは「解約手付」でしょう。
- 買主からのキャンセル:買主は手付金を放棄する
- 売主からのキャンセル:手付金の倍額が買主に償還される
そのため、実際のところは手付金=解約手付金として取り扱われます。
最終的には売買代金の一部に含まれるので純粋な諸経費ではありませんが、契約後すぐに支払う必要があるため早めに手配しておくことは大切です。
まとめ
今回は不動産売買の仲介手数料の自動計算ツールと、手数料の一覧表をご紹介しました。
仲介手数料は物件の金額によって数十万円から最大で数百万円がかかり、事前にできるだけ正確な金額を知っておくことは重要です。
仲介手数料以外にも「登記費用」「手付金」なども必要ですから、できるだけ早く諸費用・手数料の全体像を把握しましょう。