【2024年10月】住宅ローンの金利比較と10月のポイント

投稿日 : 2024年10月11日


2024年10月の各金融機関の住宅ローン金利を比較して、今月のポイントを解説します。

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住宅ローン金利比較

メガバンク

■メガバンクの特徴
圧倒的な知名度を誇る大手銀行であるため全国に支店があります。主要都市に多く、地方にいくほど支店数は減少するため、地方においては地方銀行や信用金庫の方がアクセスが良いケースもあります。また、規模の大きさを活かした商品開発力も最大の特徴です。メガバンクは経済基盤が強く信用力も高いため、他の金融機関に比べて低い金利設定や融資額の上限を高く設定しているケースもあります。投資信託や保険商品といった総合的な金融商品を活用したパッケージ型商品を提供し多様なニーズに対応しています。対面での相談が可能なため、直接専門家と話すことができるのでネットでの手続きに不安をもっている方にとっては安心感に繋がります。変動金利、固定金利(全期間固定型、固定期間選択型)など多様な金利タイプが提供されており、メガバンクを普段の給与振込口座として利用している場合は、住宅ローンの借入れの際に新たな口座を開設する必要がないため、住宅ローン返済管理の手間も省くことができます。

 

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
三菱UFJ銀行 0.345% 1.11 1.87 HP
三井住友銀行 0.625 1.70 2.20 HP
みずほ銀行 0.375 1.35 2.00% HP
りそな銀行 0.49 1.585 3.055 HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

メガバンク10月金利のポイント
9月と比較して、メガバンクの変動金利は三井住友銀行とりそな銀行が(先月比)+0.15。他は据え置きとなっています。10年固定は、三菱UFJ銀行+0.06。三井住友銀行▲0.05、りそな銀行▲0.02。みずほ銀行が据え置きの対応。20年固定は、三菱UFJ銀行+0.02とりそな銀行+0.04と微増。三井住友銀行とみずほ銀行が据え置きとなっています。9月時点で複数の銀行から0.15%程度引き上げするとの発表がありましたが、メガバンクが足並みを揃えた対応とはなりませんでした。

ネット銀行

■ネット銀行の特徴
ネット銀行の住宅ローン金利は、メガバンクや地方銀行と比較して低く設定されていることが多いです。オンラインで手続きが完了するため、地域制限がなく全国どこの地域でも申込みをすることが可能です。WEB申込みであるため、窓口の時間を気にせず自分の都合の良いタイミングで手続きができることも特徴のひとつです。一方で、対面でのサポートが限られるため複雑な相談や手続きが必要な場合には不便さを感じる可能性があります。金利の低さと利便性を重視する方に適していますが、丁寧な説明を求める方には不向きかもしれません。

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
住信SBIネット銀行 0.448 1.203 1.603 HP
楽天銀行 0.834 1.71 HP
イオン銀行 0.53 1.23 HP
ソニー銀行 0.597 1.744 2.286 HP
auじぶん銀行 0.479 1.195 1.775 HP
PayPay銀行 0.465 1.115 1.905 HP
SBI新生銀行 0.420 0.95 1.35 HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

ネット銀行10月金利のポイント
ネット銀行は変動金利・10年固定と各行の対応が分かれました。変動金利の引き上げに動いたのは4行。住信SBIネット銀行、イオン銀行、auじぶん銀行が+0.15。PayPay銀行で+0.195。楽天銀行は▲0.01の引き下げ。ソニー銀行とSBI新生銀行は据え置きとなりました。10年固定は、楽天銀行が+0.047、PayPay銀行が+0.04。住信SBIネット銀行が▲0.03、auじぶん銀行▲0.02。ソニー銀行とSBI新生銀行が据え置きの対応です。20年固定は、ソニー銀行、auじぶん銀行、PayPay銀行が引き上げ。住信SBIネット銀行とSBI新生銀行が据え置きです。メガバンクと同様に0.15%程度の引き上げが目立ちます。変動・10年固定・20年固定で増減を分けるなどバランスを取った銀行が多いなか、PayPay銀行は変動・10年固定・20年固定を全て引き上げました。

地方銀行

■地方銀行の特徴
地方銀行は、地域に根ざした銀行であるため地域の特性やニーズに応じた柔軟な対応を可能としています。また、特定エリアでの住宅購入に対して特別な金利優遇や、地元の提携不動産事業者を利用した際の特典など、地域の振興を目的とした住宅ローンの優遇措置やキャンペーンを実施していることもあります。地方銀行はメガバンクやネット銀行ほどの低金利商品は少ないものの、個別事情に応じた柔軟な審査を可能としていることが多いです。支店が地域に密集し地元の不動産市場にも精通しているため、対面でのきめ細やかなサポートが期待できます。

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
横浜銀行 0.300 1.325 HP
千葉銀行 0.75 1.660 2.78% HP
静岡銀行 0.65 1.600 2.05 HP
北洋銀行 0.70% 1.40% HP
筑波銀行 0.75 1.1 HP
北陸銀行 1.125 1.300 HP
福岡銀行 0.925 1.85 HP
南都銀行 0.625 1.6 2.15 HP
京都銀行 0.925 1.50 1.90 HP
愛媛銀行 0.691 1.400% HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

地方銀行10月金利のポイント
地方銀行の10月の住宅ローン金利動向は、メガバンクやネット銀行と同様に+0.15が基準値となっているようです。10年固定は据え置き傾向。20年固定は千葉銀行と静岡銀行が+0.05としました。金利上昇傾向を反映しつつも、様子見をしている印象を受けます。日銀の利上げ政策をうけても横浜銀行、南都銀行が変動固定ともに、維持(様子見)ではなく引き下げていることが印象的です。

10月のまとめ

2024年10月の変動金利は全体的には引き上げ傾向にあります。先月同様0.3%台の銀行もありますが、1%を突破する銀行もありました。10年・20年固定は変動金利の増減とバランスを取る傾向にあり、変動金利を上げたら10年固定は下げるといった対応が目立ちます。また、フラット35の固定金利は1.820%で先月と同様の金利となりました。

2024年7月に日銀が政策金利を0.25%程度追加利上するとの決定を受け、8月にはauじぶん銀行をはじめとするネット銀行が基準金利の引き上げを発表、9月26日には三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・三井住友信託銀行・りそな銀行、大手5行が10月から変動型住宅ローンを借りている人を対象に0.15%程度金利を引き上げる方針を発表しました。一般的には10月1日の基準金利見直しの影響は2025年1月の約定返済分から反映されますが、多くの金融機関では「5年ルール」「125%ルール」を定めているため、金利が上昇してもすぐに大幅に毎月の返済額が変わることはありません。が、未払い利息が発生する可能性もあるため、長期的に金利上昇する場合には注意が必要となります。住宅購入者の8割近くが金利の低い変動型を選ぶとされているため、お客様へ案内をする際には直近の金利動向を注視するように促したいところです。

今月の主なトピックとして10月1日の石破内閣発足があげられます。10月2日には日銀の植田総裁との会談があり、政策金利の引き上げに関して「政府としてあれこれ指図をする立場ではない」としながらも「個人的には現在そのような環境にあるとは思っていない。追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と語っています。新政権がどのような経済・金融政策を採用するかによって住宅ローンの金利にも影響が出ると考えられます。


■住宅ローンに関連する注目すべき政策動向のポイント

1.経済政策
インフレ対策や経済成長をどう進めるかによって、金利の動きが決まります。物価の急激な上昇(インフレ)を抑えることを優先した場合、金利が引き上げられることが考えられます。逆に、経済成長を重視した場合は金利を低く抑えることで企業の投資や消費を促し、経済を活性化させる方向に進む可能性があります。

2.金融政策
新政権との連携において日銀の金融緩和や金利政策がどう変わるか。金利が上がると住宅ローンの負担も増加するため注視したいポイントです。

3.住宅支援策
住宅購入を支援するための住宅取得支援策や税制優遇、住宅供給の促進策などが講じられると、住宅ローン市場に影響を与える可能性があります。

様々な調整を経て、これから新たな施策が打ち出されます。新政権の政策は当然、住宅ローンの金利にも影響を及ぼすため、その動向を注意深く見守りたいところです。

※本コンテンツは、住宅ローンを選択する際の参考情報を提供することを目的としております。特定の金融機関・商品を推奨するものではございません。金融機関に関する情報は各金融機関のHPより最新情報をご確認ください。(本コンテンツ記載の情報は2024年10月11日時点の情報となります)

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