【2025年9月】住宅ローンの金利比較と9月のポイント

投稿日 : 2025年09月02日

2025年9月の各金融機関の住宅ローン金利を比較して、今月のポイントを解説します。
直近の出来事も踏まえて、今後の住宅ローン金利の動向予想にお役立てください。

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住宅ローン金利比較

メガバンク

■メガバンクの特徴
圧倒的な知名度を誇る大手銀行であるため全国に支店があります。主要都市に多く、地方にいくほど支店数は減少するため、地方においては地方銀行や信用金庫の方がアクセスが良いケースもあります。

また、規模の大きさを活かした商品開発力も最大の特徴です。メガバンクは経済基盤が強く信用力も高いため、他の金融機関に比べて低い金利設定や融資額の上限を高く設定しているケースもあります。投資信託や保険商品といった総合的な金融商品を活用したパッケージ型商品を提供し多様なニーズに対応しています。対面での相談が可能なため、直接専門家と話すことができるのでネットでの手続きに不安をもっている方にとっては安心感に繋がります。

変動金利、固定金利(全期間固定型、固定期間選択型)など多様な金利タイプが提供されており、メガバンクを普段の給与振込口座として利用している場合は、住宅ローンの借入れの際に新たな口座を開設する必要がないため、住宅ローン返済管理の手間も省くことができます。

メガバンクの特徴まとめ

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
三菱UFJ銀行 0.595% 1.92% 2.72% HP
三井住友銀行 0.595% 2.1 2.6% HP
みずほ銀行 0.525% 1.95 2.8 HP
りそな銀行 0.64% 2.355 3.845 HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

メガバンク9月金利のポイント
2025年9月のメガバンクの住宅ローン金利は、以下のような傾向が見られます。※前月比
●変動金利
全行、先月と変わらず据え置きとなりました。
●10年固定
三菱UFJ銀行(▲0.03)、三井住友銀行(+0.05)、みずほ銀行(+0.05)、りそな銀行(+0.01)。
三菱UFJ銀行のみ引き下げ、他3行が引き上げました。
●20年固定
三菱UFJ銀行(▲0.01)、三井住友銀行(+0.05)、みずほ銀行(+0.05)、りそな銀行(+0.04)。
10年固定同様、三菱UFJ銀行のみ引き下げ、他3行が引き上げました。

ネット銀行

■ネット銀行の特徴
ネット銀行の住宅ローン金利は、地方銀行と比較して低く設定されていることが多いです。オンラインで手続きが完了するため、地域制限がなく全国どこの地域でも申込みをすることが可能です。WEB申込みであるため、窓口の時間を気にせず自分の都合の良いタイミングで手続きができることも特徴のひとつです。

一方で、対面でのサポートが限られるため複雑な相談や手続きが必要な場合には不便さを感じる可能性があります。金利の低さと利便性を重視する方に適していますが、丁寧な説明を求める方には不向きかもしれません。

ネット銀行の特徴まとめ

 

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
住信SBIネット銀行 0.698% 1.819% 2.429% HP
楽天銀行 0.993% 2.289% HP
イオン銀行 0.78% 1.66% HP
ソニー銀行 0.897% 2.392% 3.174% HP
auじぶん銀行 0.834% 1.8% 2.46% HP
PayPay銀行 0.73% 1.62 2.45% HP
SBI新生銀行 0.68% 1.8 2.45% HP
UI銀行 0.595% 1.82 2.77% HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

ネット銀行9月金利のポイント
2025年9月のネット銀行の住宅ローン金利は、以下のような傾向が見られます。※前月比
●変動金利
楽天銀行のみ(▲0.011)引き下げ、他6行は据え置きとなりました。
●10年固定
住信SBIネット銀行(+0.08)、楽天銀行(+0.001)、ソニー銀行(+0.045)、SBI新生銀行(+0.2)、UI銀行(+0.05)、イオン銀行(▲0.02)、PayPay銀行(▲0.01)。
5行が引き上げ、2行が引き下げ。auじぶん銀行は据え置きとなりました。
●20年固定
住信SBIネット銀行(+0.11)、ソニー銀行(+0.063)、auじぶん銀行(+0.01)、SBI新生銀行(+0.2)、UI銀行(+0.1)と、5行が引き上げ。引き下げはPayPay銀行(▲-0.02)のみとなりました。

地方銀行

■地方銀行の特徴
地方銀行は、地域に根ざした銀行であるため地域の特性やニーズに応じた柔軟な対応を可能としています。また、特定エリアでの住宅購入に対して特別な金利優遇や、地元の提携不動産事業者を利用した際の特典など、地域の振興を目的とした住宅ローンの優遇措置やキャンペーンを実施していることもあります。

地方銀行はメガバンクやネット銀行ほどの低金利商品は少ないものの、個別事情に応じた柔軟な審査を可能としていることが多いです。支店が地域に密集し地元の不動産市場にも精通しているため、対面でのきめ細やかなサポートが期待できます。

地方銀行の特徴まとめ

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
横浜銀行 0.65% 2.225% HP
千葉銀行 0.975% 2.210% 3.480% HP
静岡銀行 0.90% 2.2% 2.85% HP
筑波銀行 1.00% 1.45% HP
北陸銀行 1.375% 1.35% HP
福岡銀行 1.025% 2.15% HP
南都銀行 0.875% 2.25 3.05% HP
京都銀行 1.175% 2.35 2.65% HP
愛媛銀行 0.90% 1.45% HP
宮崎銀行 0.725% 1.90% HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

地方銀行9月金利のポイント
2025年9月の地方銀行の住宅ローン金利の傾向は以下の通りです。※前月比
●変動金利
掲載の銀行はおおむね先月からの据え置き、福岡銀行(▲0.1)となりました。
●10年固定
筑波銀行、北陸銀行、京都銀行、愛媛銀行、宮崎銀行が据え置きとなりました。
横浜銀行(+0.05)、千葉銀行(+0.05)、静岡銀行(+0.05)、南都銀行(+0.1)が引き上げ、福岡銀行(▲0.05)が引き下げとなりました。

●20年固定
千葉銀行(+0.05)、静岡銀行(+0.05)、南都銀行(+0.15)、京都銀行(+0.1)の引き上げを実施しています。

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9月のまとめ

2025年9月の住宅ローン金利は変動金利は前月とほぼ同じ水準を維持、依然として低金利競争が続いています。一方、長期固定金利は、金利が上昇傾向にあります。これは長期国債の利回りが上昇しているためで、多くの銀行で10年固定金利が2%前後の水準に達しています。
フラット35買取型は、融資割合90%で1.89%(※団信加入の場合)。前月より+0.02となっています。
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住宅ローン金利に影響を及ぼしそうな2025年8月の出来事

日付 出来事
8月1日 日本銀行が「経済・物価情勢の展望」を発表
8月4日 厚生労働省が「最低賃金の引き上げ目安」を発表
8月15日 日経平均株価が過去最高値を更新
8月21日〜23日 ジャクソンホール会議でパウエル議長は利下げを示唆
「経済・物価情勢の展望」
「経済・物価情勢の展望」は、日銀が日本の金融政策を運営する上で重要な役割を担う公表資料です。2025年8月1日に公表された「経済・物価情勢の展望2025年7月」では2025年度の物価見通しが上方修正されました。
消費者物価指数
(除く生鮮食品)
今回の見通し(中央値) 4月時点の見通し(中央値)
2025年度 +2.7% +2.2%
2026年度 +1.8% +1.7%
2027年度 +2.0% +1.9%

■ポイント

  • 2025年度: 物価は高めの水準
  • 2026年度: 一時的に物価上昇は減速
  • 2027年度: 賃金上昇などにより、日銀の目標である2%程度の物価上昇が安定的に定着する見込み
物価は2025年度に2%台後半で推移するものの、2026年度は一時的に減速。しかし、2027年度には賃金上昇が追い風となり、日銀の目標である2%程度で安定的に推移すると見込まれています。

■見通し通りなら、日銀はどんな金融政策をする?

▷ 金融緩和をさらに縮小し、政策金利の引き上げを進めると予想

日銀は、物価上昇が「一時的」ではなく「持続的・安定的」なものになるかを重視しています。
  • 賃金上昇:
    • 企業が賃上げを継続しており、これが最終的に商品やサービスの価格に転嫁されている。
  • 物価上昇の定着:
    • 一時的な価格上昇要因が減速しても、賃金上昇に支えられて、2027年度には物価が目標の2%程度で安定的に推移すると予測されている。
今回、上記のような見通しは日銀が目標とする「賃金と物価の好循環」が現実のものとなりつつあることを示しています。経済・物価情勢の改善に応じて金融緩和の度合いを調整し、金融政策を正常化させていくと予想することができます。
「最低賃金の引き上げ目安」
引用:厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について」
2025年8月4日には厚労省より「最低賃金の引き上げ目安」が発表されました。この目安どおりに各都道府県で賃金の引上げが行われた場合、全国平均は 1,118 円となりすべての都道府県で最低賃金が1000円を超えることになります。

■最低賃金引き上げで、日銀はどんな金融政策をする?

繰り返しとなりますが、日本銀行は、長年続いたデフレから脱却し物価を安定的かつ持続的に2%上昇させることを目標に掲げています。

今回の最低賃金引き上げは、この好循環が実際に機能し始めている有力な証拠と見なされます。日銀は「物価目標の達成が見えてきた」と判断し、これまでの大規模な金融緩和策を見直し、政策金利を引き上げる可能性が高まります。
日経平均株価が過去最高値を更新
2025年8月12日、日経平均株価が終値42,718円となり、約1年ぶりとなる過去最高値を更新しました。続く15日には終値43,378円と連日の最高値となりました。
主な要因 内容
円安進行 輸出企業の収益力向上で株価上昇
関税緩和の期待 米国との交渉進展が安心感を醸成
米国の金利動向 インフレ落ち着きで利下げ期待が再燃
国内経済の強さ GDP好調や企業決算が売り材料を払拭
買い戻しの動き 崩れた相場からの反発買いが加速
円安・関税緩和期待・米金利見通し・国内経済の堅調さ・買い戻しの動きが相乗的に作用し複数の好材料が重なった結果、投資家心理が強気に傾いたことが最高値更新につながったと推測されます。

■株価が金利に影響する?

▷ 一般的に、株価の上昇は金利上昇の要因となります。

株価の上昇は、日本経済が力強く回復していることを意味し、企業の業績が好調で将来の成長への期待が高まっていると市場が判断しているといえます。
景気回復が安定すれば、日銀は金融緩和を縮小し、政策金利の引き上げを行う可能性が高まります。

住宅ローン金利への影響を考える

「経済・物価情勢の展望」「最低賃金の引き上げ」「日経平均株価の過去最高値」これらの8月の動向はすべて住宅ローン金利を上昇させる方向で影響していくと予想されます。
住宅ローン金利が上昇する理由
1. 日本銀行の金融引き締め観測が高まるから
今回提示された複数の好材料(賃金上昇、物価上昇見通しの上方修正、株価最高値更新)は、日銀が目標とする「賃金と物価の好循環」が現実になりつつある強力な証拠といえます。
景気回復が確実となり、物価上昇が定着すれば、日銀はこれまでの大規模な金融緩和策を続ける必要がなくなります。そのため、政策金利の引き上げを含む金融引き締めに踏み切る可能性が高まります。
2. 変動金利と固定金利がそれぞれ連動するから
日本の住宅ローン金利は、日銀の金融政策と市場の長期金利に連動して動きます。
  • 変動金利:
    • 日銀の政策金利に直接影響を受けるため、利上げが実行されれば上昇
  • 固定金利:
    • 市場の長期金利(10年物国債利回りなど)に連動
    • 景気の好転や日銀の利上げ観測が高まると市場は将来の金利上昇を織り込み、長期金利を押し上げ
    • 固定金利も上昇
今回の複数の出来事は、日銀の政策変更観測を強め、住宅ローン金利に強い上昇圧力をかけることになります。
長期金利上昇 一時17年ぶりの高水準
8月26日には長期金利の指標となっている10年もの国債の利回りが一時、およそ17年ぶりの高水準となる1.62%まで上昇しました。
背景には日銀の利上げが早期に行われるという市場の観測が広がっていることがあげられます。
9月18日・19日には金融政策決定会合が開かれます。「賃金と物価の好循環」から利上げに踏み切るか注目です。
※本コンテンツは、住宅ローンを選択する際の参考情報を提供することを目的としております。特定の金融機関・商品を推奨するものではございません。金融機関に関する情報は各金融機関のHPより最新情報をご確認ください。(本コンテンツ記載の情報は2025年9月1日時点の情報となります)
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