米国住宅ローンテック業界で注目される主要企業のご紹介

投稿日 : 2020年01月31日

米国住宅ローンテック業界にて注目される主要企業を紹介していきます。

カオスマップも参照しながら、どのような企業があるのか見ていきましょう。

kobayashi

この記事の監修者:
小林 紀雄
住宅業界のプロフェッショナル

某大手注文住宅会社に入社。入社後、営業成績No.1を出し退社。その後、住宅ローンを取り扱う会社にて担当部門の成績を3倍に拡大。その後、全国No.1売上の銀座支店長を務める。現在は、iYell株式会社の取締役と住宅ローンの窓口株式会社を設立し代表取締役を務める。

 

「Blend」

<ビジネス内容>

Blendは、2012年に創業した住宅ローンテック企業。金融機関などの住宅ローンの貸し手に対して、住宅ローンプロセスを簡素化するSaaSを提供する。借り手とのやり取りをスムーズに行うことができ、ローンプロセスの効率化・短縮化を可能としている。貸出業務支援領域では、最大のプレーヤーである。現在の契約企業数は約120社程度。その中には、米国最大の住宅ローン貸し手であるWells Fargoや住宅ローンの貸出金額でトップ5にあるU.S.Bankも含まれる。契約企業が取り扱う住宅ローンの貸出量は全米全体の25%以上を占める模様。

<特徴>

売上は、二桁米国百万ドルとのことなので、 30-70億円程度と予想される。なお、契約企業からは、定額でシステム利用料を受け取っている模様(少なくとも、 Wells Fargoとの契約では、定額のシステム利用料という形で徴収)通常、顧客と契約締結後にシステム導入までに3-4か月かかる。顧客企業内にあるLOS(ローン・オリジネーション・システム)やCRMなどの他基幹システムとのシステム連携構築も行う。

「RedFin」

<ビジネス内容>

RedFinは2002年に創業、2017年にNASDAQ上場を果たした、テクノロジーを最大限に活用した、全米最大の住居用不動産ブローカーである。 米国Zillowや日本SUUMOの様に住宅の物件情報を掲載し、住宅の購入や売却検討ユーザを獲得。そのユーザーを自社が抱えるRedfinエージェントに繋ぎ、売買契約に繋げるビジネスモデルを展開している。2017年1月には、Redfin Mortgage 及び Redfin Nowの設立を公表。住宅ローン貸出業務に加えて住宅の自社買い付け業務を新たに手掛け、住宅購入の一連のプロセスを全てカバーしている。

<特徴>

全売上の90%を占める仲介業では、全米のMLS (Multiple Listing Service) への直接アクセス権を保有。全米人口の70%をカバーする住宅物件情報掲載のプラットフォーム上で、住宅購入・売却者と自社エージェントをマッチングしている。購入/売却時のコミッションが収入源であり、RedFinを通じた売却時は売却価格の1.0-1.5%と、業界水準の2.5-3.0%に対して高い価格競争力を持つ。RedFinを通じた購入時は、売り手からコミッションを得るため買い手の手数料負担はないうえ、RedFinは買い手に対して平均US$1,700を返金する仕組みを持つ。なお、2019年1月にはカナダ市場への進出を発表した。


画像引用:REDFIN IR資料より

「Lending Tree」

<ビジネス内容>

Lending Treeは1996年に創業、1998年にLendingTreeブランドを立ち上げ、2000年にNASDAQ上場を果たした。住宅ローン、消費者金融、自動車ローンなど、多様な種類のローンの借り手と貸し手をつなぐマーケットプレイスを運営し、 借り手から得た基本的なクレジット情報を基に、LendingTree (“LT”) が複数の貸し手を選択し、借り手とマッチング。LTは主に貸し手側からアップフロントでマッチングフィーを受領するというビジネスモデルを展開する。

<特徴>

積極的なM&Aによって、提供可能な金融サービスを非住宅ローン分野以外に多角化。 登録ユーザー数は、990万人程度にのぼる。 登録レンダー数はおよそ350社(FY2017 Q3)にのぼり、自社比較サイトにおいて、自動車ローン、及びリファイナンス、クレジットカード、住宅担保ローン、中小企業向けローン、教育ローンなども展開する。

「SoFi」

<ビジネス内容>

スタンフォード大学出身の Michael Cagney を中心とする4名で設立。設立当初は、40人のスタンフォード大学の卒業生が200万米ドルを出資し、同大学の学生100人に約5万米ドルずつ貸し出すサービスを提供。マーケットプレース・レンディングのリーダー的企業であり、学生ローン借り換えでは全米最大で、ローン貸付実績は 2018年時点で300億ドルを超える。なお、2015年9月の$1bの大型資金調達においてはSoftBankが主導した。

<特徴>

学資ローンの借り換えからスタートし、現在は住宅ローン、住宅ローンの借り換え、個人ローン、生命保険や電子マネーサービスにも進出している。 従来の金融サービス業者とは異なり、顧客の能力・雇用歴を考慮した独自の引き受け手法により、ユニークな金融商品を提供している。低利率を実現したことにより、SoFiの借り手は平均で約 14,000米ドルの節約を実現すると言われる。また、借り手の経済的なステータス向上サービスも実施しており、具体的には卒業後の進路に向けて、一対一のキャリアコーチング、面接の練習、履歴書作成援助等、返済原資となる「将来の給与」を向上させるサービスを提供。失業時に返済を猶予するプランも保有している。2016年時点では、収益の50%が学生ローン、15%が住宅ローン関連との報道がある。

「LendingHome」

<ビジネス内容>

LendingHome社は、2013年に創業された住宅ローンの貸し手と借り手の間に立つ住宅ローンのマーケットプレイスとして機能する企業である。住宅ローンをオンライン上でプロセスできるプラットフォームを提供し、低コストかつスピーディに多くの対象者に住宅ローンを提供して売上を拡大している。直近の売上成長率は75-100%程度といわれ、数年後に売上高100億円を目指している。

<特徴>

新築物件の少ない米国において存在感のある築年数の古い物件をFix and Flip(“Fix=修繕”と“Flip=売却” )する投資案件にフォーカスし、短期のBridge loanを提供している。借り手に対しては、借り手のバックグラウンドや収入、クレジットヒストリー等の様々なデータを用いて信用度を調査。オンラインで完結するプロセスにより、ローン開始までの期間を短縮している。貸し手に対しては、満期が短く、リターンも魅力的な不動産への投資機会を提供することで、他のサービスとの差別化が図られている。このような施策により、

ローンの滞納率は4.39%、過去に損失を出した割合いは0.08%と優れた数字を誇っている。

累計貸出金額の推移

2018年8月にローン総額が$3Bに到達

「Board」

<ビジネス内容>

Board社は、2016年にコロラド州で設立された、物件代理取得型と呼ばれる住宅ローンサービスを提供している企業である。合計調達金額は2000万円程度であり、類似企業としては、Ribbon社やFlyHomes社などがあげられる。

<特徴>

住宅購入希望者の代わりに、全額現金にて一時的に物件の取得を行い、住宅購入希望者が住宅ローンを確保した後に同価格で譲り渡すビジネスモデルを展開し、購入者は手数料を支払う必要は無いのが特徴的。その代わりに、Board社は、Partner Lendersから手数料としてローン金額の1-2%を受け取る仕組みとなっている。また、住宅購入希望者は、Boardによる物件の一時取得から実際に物件を取得するまでの間、当該物件を賃貸して住むことも可能である。

以上、米国の主な住宅ローンテック企業をご紹介させていただきました。