【最新】アメリカ「住宅ローンテック」業界の資金調達額ランキング10

投稿日 : 2020年01月31日

不動産業界は、他分野と比べてIT化があまり進んでいない業界と言われてきました。

しかし近年、住宅・金融の市場規模が大きいアメリカで、住宅ローン業界におけるIT化が進んでいます。住宅事業者や金融機関の住宅ローン関連業務をITで効率化する「住宅ローンテック」サービスを提供する企業が続々と現れ、注目されています。

今後日本でも「住宅ローンテック」サービスは普及する可能性がありますし、アメリカ市場の動向を把握しておくことは重要です。そこで今回は、アメリカの「住宅ローンテック業界の資金調達ランキング」をご紹介します。

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この記事の監修者:
小林 紀雄
住宅業界のプロフェッショナル

某大手注文住宅会社に入社。入社後、営業成績No.1を出し退社。その後、住宅ローンを取り扱う会社にて担当部門の成績を3倍に拡大。その後、全国No.1売上の銀座支店長を務める。現在は、iYell株式会社の取締役と住宅ローンの窓口株式会社を設立し代表取締役を務める。

 

【米】住宅ローンテック業界 資金調達額ランキング10

アメリカで事業を行う住宅ローンテック企業を、「資金調達額」という軸でランキングにしました。個別企業の調達額だけでなく、どのカテゴリーが投資家からの注目度が高いのかも一目で分かるようになっています。

ランク 企業名 事業内容 資金調達額(億円)
1位 SoFi(Social Finance US) マーケットプレイスレンディング 2,611.6
2位 Atom Bank オンラインレンダー 519.3
3位 Knock(Knockaway,Inc.) オルタナティブファイナンシング 478.0
4位 Ribbon オルタナティブファイナンシング(物件代理取得型サービス) 247.5
5位 LendingHome マーケットプレイスレンディング 182.5
6位 Blend 申込プロセス簡素化サービス 176.0
7位 Better Mortgage オンラインレンダー 132.0
8位 Cloudvirga 申込プロセス簡素化サービス 85.3
9位 LendInvest オンラインレンダー 70.8
10位 Planwise オンラインブローカー 50.7

※出典:Crunchbase
※定義:1USD=110円にて換算
2012年以降のエクイティによる資金調達を対象とする
上場企業は集計の対象外とする
米ドル以外の通貨による資金調達の場合、資金調達日の為替レートを基に米ドルに換算

以下、事業カテゴリーについてご説明し、各企業の特徴をご紹介します。

住宅ローンテック事業のカテゴリー

「資金提供」系 オンラインレンダー 商業銀行などと異なり店舗を持たず、インターネット上で住宅ローンの融資を行うオンライン業者。
マーケットプレイスレンディング オンライン上で住宅ローンの申請を受付け、その融資に対する投資を多数の個人から募るレンディングサービス。P2Pレンディング/ソーシャル・レンディング。
オルタナティブファイナンシング 現金による一時的な物件取得代行、物件への共同出資など、住宅ローンの融資以外の方法で資金提供を行い、物件取得をサポートするサービス。
「比較/斡旋」系 オンラインブローカー 借り手の条件に合った住宅ローンの提案や金融機関への斡旋、住宅ローン手続きの代行等を行う。
個人向けファイナンスツール 個人が無料で自身のローン管理、信用評価を行うことができるツール。ユーザーのクレジット評価に応じて、住宅ローンを含めて適したローン商品を提案。
オークションサービス 貸し手が借り手の属性等に基づき、住宅ローンの条件をオークションの用に競うプラットフォームを提供。借り手は自身にとって最も好条件の住宅ローンを選択することが可能。
「業務支援」系 申込プロセス簡素化サービス フォーム等を住宅ローンの貸し手向けに提供。借り手は、住宅ローンの審査に必要な情報・書類の提出、チャットを通じたコミュニケーションを専用アプリ・プラットフォーム上で簡単に行うことができる。

【1位】SoFi(Social Finance US)


画像出展:Social Finance

  • 事業内容:マーケットプレイスレンディング
  • 資金調達額:2,611億6,000万円
  • 設立年:2011年
  • 所在国:アメリカ

ローン業界に幅広く進出

学資ローンの借り換え事業からスタートし、2014年から住宅ローン分野に参入した「SoFi」。独自の引き受け手法により、ユニークな金融商品を提供しています。現在は、個人ローン、生命保険、電子マネーサービスなど幅広く進出しています。

▶「SoFi」公式サイトへ

【2位】Atom Bank


画像出展:Atom Bank

  • 事業内容:オンラインレンダー
  • 資金調達額:519億3,000万円
  • 設立年:2015年
  • 所在国:イギリス

独自のスマホアプリで年中無休サポート

「Atom Bank」は、個人向け・企業向けのさまざまなローン商品をスマホ用アプリによって提供しています。ユーザーは、顔認識と音声認識を使用してログインし、24時間年中無休のカスタマーサポートを受けることができます。

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【3位】Knock(Knockaway,Inc.)


画像出展:Knock

  • 事業内容:「買換特化型」物件代理取得サービス
  • 資金調達額:478億円
  • 設立年:2015年
  • 所在国:アメリカ

テクノロジーを駆使しスピーディな売買を実現

「Knock」は、買換特化型の物件代理取得サービスを提供しています。データサイエンスによって適正価格を設定するなど、テクノロジーを駆使して不動産売買プロセスをスピーディにするサポートを行っています。

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【4位】Ribbon


画像出展:Ribbon

  • 事業内容:物件代理取得型サービス
  • 資金調達額:247億5,000万円
  • 設立年:2017年
  • 所在国:アメリカ

強い競争力で顧客の希望住宅を勝ち取る

「Ribbon」は、よりシンプルでストレスの少ない住宅購入をサポートする「物件代理取得型サービス」企業です。各地域の不動産業者と協力し、競争力のある現金一括払いによって、顧客の希望する住宅を勝ち取る点が強みです。

設立からの年数を考慮すると、「資金調達ランキング4位」は目覚ましい勢いがあると言えます。

▶「Ribbon」公式サイトへ

【5位】LendingHome


画像出展:LendingHome

  • 事業内容:マーケットプレイスレンディング
  • 資金調達額:182億5,000万円
  • 設立年:2013年
  • 所在国:アメリカ

低コストでスピーディな住宅ローンのプラットフォーム

住宅ローンのプロセスをオンライン上で行うことができるプラットフォームを提供する「LendingHome」。低コストかつスピーディに多くの対象者に住宅ローンを提供し、売上を拡大しています。

▶「LendingHome」公式サイトへ

【6位】Blend

  • 事業内容:申込プロセス簡素化サービス
  • 資金調達額:176億円
  • 設立年:2012年
  • 所在国:アメリカ

「申込プロセス簡素化サービス」で最大手

「Blend」は、金融機関などの住宅ローンの貸し手に対して、住宅ローンプロセスを簡素化するSaaSを提供しています。借り手とのやり取りをスムーズに行うことができ、ローンプロセスの効率化・短縮化を可能としています。

現在、住宅ローンの「申込プロセス簡素化サービス」分野では、最大のプレーヤーです。

▶「Blend」公式サイトへ

【7位】Better Mortgage

  • 事業内容:オンラインレンダー
  • 資金調達額:132億円
  • 設立年:2014年
  • 所在国:アメリカ

Google出身のエンジニアがサービスを構築

「Better Mortgage」のオンラインレンダーサービスは、GoogleとSpotify出身のエンジニアグループによって構築されたものです。

このサービスでは、価格帯による検索、ローン条件の調整、資金調達、不動産業者の進捗状況チェックなど、住宅ローンのための手続きがすべてオンライン上で行うことができます。

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【8位】Cloudvirga

  • 事業内容:申込プロセス簡素化サービス
  • 資金調達額:85億3,000万円
  • 設立年:2016年
  • 所在国:アメリカ

無駄を省き業界の常識を刷新

「Cloudvirga」は、データを活用して自動化されたワークフローを展開し、住宅ローンの申込みプロセスを簡素化するサービスを提供しています。住宅ローンサービスの全体的なコスト削減・時間短縮・透明性を実現し、時代遅れと言われる住宅ローン業界に揺さぶりをかけています。

▶「Cloudvirga」公式サイトへ

【9位】LendInvest

  • 事業内容:オンラインレンダー
  • 資金調達額:70億8,000万円
  • 設立年:2008年
  • 所在国:イギリス

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【10位】Planwise

  • 事業内容:オンラインブローカー
  • 資金調達額:50億7,000万円
  • 設立年:2015年
  • 所在国:オーストラリア

▶「Planwise」公式サイトへ

注目の業界を今のうちにマーク

今回は、アメリカの住宅ローンテック業界の動向をランキングという形でまとめました。時代遅れと言われる住宅・金融業界も、いよいよIT化が進みつつあることを実感できたのではないでしょうか。

今後日本もアメリカの影響を受け、住宅ローンテックサービスが普及していく見込みです。今のうちからこの業界をマークしておけば、不動産業者としての強みが増えることになるでしょう。