所有権保存登記とは|費用・必要書類、自分で申請する方法も徹底解説
新築住宅を建てたときなどに、所有権保存登記などの登記申請手続きを行う必要があることを知っていますか?
日本は人口が多い反面、多くの他国と比べると国土が小さいという特徴があります。そのために土地資源は非常に限られ、さらにそれを有効に活用していかなくてはなりません。
その土地の有効活用に一役買っているのが用途地域という制度です。
用途地域は種類や制限も多く複雑な面もありますが、用途地域を理解して土地が有効活用される仕組みを一緒に学んでいきましょう。
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この記事の監修者: 小林 紀雄 住宅業界のプロフェッショナル某大手注文住宅会社に入社。入社後、営業成績No.1を出し退社。その後、住宅ローンを取り扱う会社にて担当部門の成績を3倍に拡大。その後、全国No.1売上の銀座支店長を務める。現在は、iYell株式会社の取締役と住宅ローンの窓口株式会社を設立し代表取締役を務める。 |
用途地域とはその土地や地域をどのような用途に使用するかを定めた地域のことを指します。住宅や商業地域、工業地域などに分けられています。
こちらの記事も参照ください。
▶都市計画法で定められる用途地域とは|ジャンル別13種類の決めかた
土地や地域の使い道(活用法)としては、住居・工場といった建物や、道路・線路、さらに田畑や牧草地といったいろいろなケースが考えられます。
そこで用途地域自体もいろいろな使い道に対応するために13種類へと分別されます。そしてその13種類を大別したのが住居・商業・工業系用途地域といった下記の3種類になります。
用途地域の中ではこの住居系用途地域が1番種類が多く8種類あります。
➀第一種低層住居専用地域
低層住宅(高さ10~12m)における良環境を保つための地域。
住居を兼ねた50㎡までの店舗や事務所、小規模程度の公共施設及び小中学校や診療所などを建てることができます。
②第二種低層住居専用地域
低層住宅を主とした良環境を保つための地域。
150㎡までの店舗(一定条件あり)や小中学校などを建てることができます。
③第一種中高層住居専用地域
中高層住宅における良環境を保つための地域。
500㎡までの店舗(一定条件あり)や、中規模程度の公共施設及び病院や大学などを建てることができます。
④第二種中高層住居専用地域
中高層住宅を主とした良環境を保つための地域。
1,500㎡までの店舗や事務所など(一定条件あり)や、病院及び大学などを建てることができます。
⑤第一種住居地域
住居における良環境を保つための地域。
3,000㎡までの店舗・ホテル・事務所など(一定条件あり)や、環境に影響を及ぼさない非常に小規模な工場を建てることができます。
⑥第二種住居地域
住居を主とした良環境を保つための地域。
10,000㎡までの店舗・ホテル・事務所に加えてパチンコ店やカラオケボックスなど(一定条件あり)や、環境に影響を及ぼさない非常に小規模な工場を建てることができます。
⑦田園住居地域
農地及び農業関連施設と低層住宅との調和を保つための地域。
500㎡までの農産物の販売を行う店舗や、ビニールハウス・農業用倉庫といった農業に関連した施設を建てることができる。
⑧準住居地域
道路及び自動車関連施設などと住居との調和を保つための地域。
10,000㎡までの店舗・ホテル・事務所・パチンコ店・カラオケボックスなどに加えて小規模程度の映画館や倉庫及び車庫(一定条件あり)、そして環境に影響を及ぼさない非常に小規模な工場を建てることができます。
⑨近隣商業地域
近隣住民における日用品を対象とした店舗の利便促進を図った地域。
面積規制なし。商業施設のほとんどを建てることができ、それ以外にも住居や小規模程度の工場を建てることができます。
⑩商業地域
商業全般における利便促進を図った地域。
面積規制なし。商業施設のほとんどを建てることができ、それ以外にも住居や小規模程度の工場を建てることができます。また、指定容積率の限度も高いため高層ビルを建てることもできます。
⑪準工業地域
軽工業など環境悪化を招く恐れがない工場の利便促進を図った地域。
工場以外にも住居や店舗を建てることができる。ただし環境悪化を招く恐れがあるもの(石油コンビナートなど)は建てることができません。
⑫工業地域
主として工業全般における利便促進を図った地域。
全ての種類の工場以外にも住居や店舗を建てることができる。ただしホテルや病院・学校などは建てることができません。
⑬工業専用地域
工業全般における利便促進を図った地域。
全ての種類の工場を建てることができます。ただし、住居や店舗・ホテル・福祉施設・病院・学校などは建てることができません。住居を建てることができない唯一の用途地域です。
用途地域とは都市計画よって定められた地域地区の1つで、基準となる法律としては都市計画法が該当します。
地域地区とは都市計画における都市計画区域内の土地をどのように活用していくかを定めたもので、用途地域も含めて全部で21種類の地域地区があります。
・都市計画と用途地域の関係
都市計画の種類 | 用途地域を定める有無 | ||
日本の国土 | 都市計画区域 | 市街化区域 | 必ず定める |
非線引き区域 | 定めることができる | ||
市街化調整区域 | 原則定めない | ||
準都市計画区域 | 定めることができる | ||
両区域外 | 定めることはできない |
用途地域は都市計画区域内における市街化区域において、13種類ある用途地域が状況に応じて必ず定められます。
また準都市計画区域や非線引き区域に対しても、必要な場合は用途地域を定めることができます。
市街化区域とはすでに市街地化している地域と、今後10年以内に優先及び計画的に市街地化を行う予定の区域を指します。また非線引き区域とは市街化区域と市街化調整区域とに区分けされない区域を指し、準都市計画区域は都市計画区域外であっても規制を行う必要がある地域になります。
ちなみに市街化調整区域は市街化を抑制するための区域で、両区域外とは都市計画からは外された区域になります。
市街地は常にいろんな建物の建築が現在進行形で行われています。住宅地のど真ん中に大規模な工場が建設されないように、整然とした街並みを維持または形成するためには、用途地域による制限が必要になってきます。
整然とした市街地を守るために用途地域内においては、さまざまな制限を課しています。建物自体の制限や土地との割合などその種類は多岐に渡っています。
建ぺい率は建築面積と敷地面積との割合をパーセンテージで数値化したものですが、用途地域の種類によって制限される数値はそれぞれ異なります。
用途地域における建ぺい率の制限についてはこちらを参考にしてください。
▶イメージが湧きにくい建ぺい率を具体例も含めてわかりやすく解説
容積率の制限は①指定容積率と②基準容積率の2つがあります。実際に制限として適用されるのは、それぞれの数値を比較して厳しい方の数値になります。
用途地域における容積率の制限について詳しいことはこちらを参考にしてください。
▶建築時には容積率の計算が必須|建築基準法の制限と緩和の特例を学ぶ
各用途地域内におけるより具体的な建築物の制限になります。
用途地域における建物の制限についてはこちらに詳細が記されています。
▶東京都都市整備局 | 用途地域による建築物の用途制限の概要 PDFファイル
一見すると住宅・事務所・学校・病院といったものから、キャバレー・ナイトクラブといったものまでかなり細かい建物制限を行っているのが特徴です。
複数または異なる用途地域にまたがる場合は、用途地域の面積が大きいほうの制限が採用されるのではなく、またがる用途地域の種類によって制限の内容がそれぞれ異なります。
➀建ぺい率・容積率
両方とも該当するそれぞれの用途地域の敷地面積における加重平均によって計算を行います。
例:建ぺい率
第二種低層住居専用地域 :敷地面積30㎡ × 建ぺい率30% = 9㎡(建築面積)
第一種中高層住居専用地域:敷地面積50㎡ × 建ぺい率40% = 20㎡(建築面積)
9㎡+20㎡=29㎡ 29㎡÷100㎡=29% 建ぺい率は29% |
例:容積率
第二種低層住居専用地域 :敷地面積30㎡ × 容積率60% = 18㎡(延べ床面積)
第一種中高層住居専用地域:敷地面積50㎡ × 容積率200% = 100 ㎡(延べ床面積)
18㎡+100㎡=118㎡ 118㎡÷100㎡=118% 容積率は118% |
②建物の制限
面積が大きいほうの用途地域における建物制限がその土地全体に適用されます。
③高さの制限
高さ制限に関しては用途地域ごとにそれぞれ該当する制限を受けます。
④防火地域・準防火地域における制限
該当するそれぞれの用途地域の内、最も規制が厳しい基準が土地全体において適用されます。
調べたい土地がどの用途地域に属しているかを調べたいときは、市役所など各役所の都市計画課に問い合わせることで確認することができます。また行政によってはインターネット上で色分けされた地図が掲載されているところもあります。
名古屋市ではネット上ではこのような感じで公開されています。
それぞれの用途地域がはっきりと色分けされているのがわかります。
用途地域は都市計画において整然な市街地を構成するために定められた制度ですが、結果としてそれがみなさんの生活しやすい環境へと繋がっています。
お客様の希望物件を探すにも、用途地域の理解、調査は不可欠です。
建ぺい率や容積率等と合わせて勉強しておきましょう。
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