宅建業には供託金の支払いが必須|制度のしくみと初期費用の減額方法を紹介
宅建業を始めるには、営業保証金を供託する(預ける)必要があります。
お客様から売却希望を受けた不動産を査定するためには、不動産の市場価値となる以下4つの「価格」を根拠にして算定します。
上記の「価格」は、同じ不動産であってもそれぞれ違う数字が出てきます。その理由は、それぞれの「価格」が利用される場所や用途が異なるからです。
今回は、不動産売却時の査定根拠となる4つの「価格」を確認しましょう。
実勢価格とは対象の不動産を売却するために市場にかけた際に、実際にはどの程度の価格で買い手がつきそうかという最終的な見込み額であり、お客様にとっても宅建業者にとっても一番重要な価格となります。
ただし、実勢価格は単独では算出することができません。他3つの価格(固定資産税評価額・路線価・公示価格)を参考にしながら、それぞれの案件の個別要素や個別事情を加味して算定されます。
言い換えれば、実勢価格とは「市場で勝負できる価格」とも言えます。
固定資産税評価額は、各自治体に納付する固定資産税の基準となる価格です。3年にいちど見直しが行われています。
毎年1月1日時点での不動産所有者に対して4月に送付される納税通知書か、各自治体の役所窓口で取得できる評価証明書により確認できます。登録免許税や不動産取得税を算定する際の基準にもなりますので、売主だけでなく買主にとっても重要な価格です。
路線価は国税庁が発表している土地評価額です。贈与税の基準価格にもなり、金融機関が担保評価をする際の参考値としても使用されます。路線価として公表されている価格はおおむね時価の80%程度だと、金融機関や宅建業者では見なされています。
路線価は国税庁のサイトから確認できます。
路線価は数値が把握しやすいために一般的にも使用されることが多い価格ですが、路線価では接道条件が同じであればどのような形状の土地でも同じ評価額になります。
整形地であっても旗竿地などの不整形地であっても同じ価格になってしまうので、奥行価格補正率などを使って調整が必要となります。
奥行価格補正率も国税庁サイトより確認できます。
公示価格は国土交通省の土地鑑定委員会が、地価公示法に基づき選定された全国の標準地における毎年1月1日時点の価格を公示したものです。公示価格は国土交通省サイトの「標準地・基準地検索システム」より確認できます。
公示価格の標準地選定には、土地形状や地積、周辺環境、用途などが考慮されているため、周辺地域での平均的な価格を把握することができます。
その反面、売主の個別事情はまったく反映されていないので、債務整理や相続のために売り急ぎが必要な場合には公示価格だけでは不十分です。
不動産査定を行う際には上記4つの「価格」を比較しながら適切な査定額を導き出すことが大切です。
最終的な査定額である実勢価格が、本当に市場で勝負できる「勝負価格」になるために、案件の個別要素と個別事情を十分に考慮しながら丁寧に補正をかけていく必要があります。
これこそが、宅建業者の腕の見せどころとも言えるでしょう。