第二種住居地域とは|不動産営業マンが知っておきたい知識のまとめ

投稿日 : 2020年06月04日

第二種住居地域は、用途地域の中でも比較的土地活用の自由度が高い地域です。大型スーパーやカラオケボックス、パチンコ店も建てることできるため繁華街に近いと言えます。

静かで落ち着いた環境よりも、賑やかさや便利さを求める方にはおすすめの地域ですが、選んでいただく際に注意しなければいけない点がいくつかあります。

今回は、第二種住居地域の特徴や注意点について解説します。

kobayashi

この記事の監修者:
小林 紀雄
住宅業界のプロフェッショナル

某大手注文住宅会社に入社。入社後、営業成績No.1を出し退社。その後、住宅ローンを取り扱う会社にて担当部門の成績を3倍に拡大。その後、全国No.1売上の銀座支店長を務める。現在は、iYell株式会社の取締役と住宅ローンの窓口株式会社を設立し代表取締役を務める。

 

第二種住居地域とは

都市計画法における用途地域とは

都市計画法により、その土地の用途ごとに13種類の用途地域が定められています。

用途地域によって建てられる建物が変わり、景観や街並みも大きく異なっていきますが、これは土地を用途ごとに分類することで、それぞれの地域での暮らしや事業を営みやすくすることが狙いです。

用途地域の詳細については、以下のページをご参照ください。

あわせて読みたい:制限が多く複雑な用途地域についてわかりやすく解説します

 

第二種住居地域の特徴

第二種住居地域の主な目的は、住居環境を保護することではありますが、大規模店舗や事務所、遊戯施設を建てることが認められた地域です。幹線道路沿いや郊外の駅前地域が指定されているケースが多く見受けられます。第二種住居地域は住居専用地域ではないため、日当たりや日影などの制限はそれほど厳しくなく、住居に関しては戸建てやマンションが密集したエリアを形成することが多いです。商業施設、オフィスビル、教育施設、公共施設、病院、娯楽施設など、様々な種類の建物・施設が混在していることが大きな特徴です。

商業施設の側面から言うと、第二種住居地域では10,000㎡までの店舗や事務所を建築することができ、第一種住居地域では建てることができなかったカラオケやパチンコ店も建てることができます。

また、住宅地域でありながら工場も建てることができます。工場の要件は準住居地域に準じており、作業場は50㎡まで、自動車修理工場なら150㎡までとなります。

 

第二種住居地域の制限と建築

第二種住居地域の制限と建てられる建物は以下のとおりです。

第二種住居地域の制限

建ぺい率 50%、60%、80%
容積率 100%、150%、200%、300%、400%、500%
道路斜線制限 適用距離 20m、25m、30m、35m
勾配 1.25、1.5
隣地斜線制限 立ち上がり 20m、31m
勾配 1.25、2.5
日影制限 対象建築物 高さ10m超
測定面 4m、6.5m
規制値 4-2.5h/5-3h
敷地面積最低限度 200㎡以下の数値

 

第二種住居地域で建てられる建物・設備

  1. 住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館、マンション、戸建て
  2. 幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修大学、病院、公衆浴場、老人ホーム、身体障碍者福祉ホーム、神社、寺院、教会、保育所、公衆浴場、診療所、老人福祉センター、児童厚生施設、交番、公衆電話ボックス
  3. 店舗(10,000㎡以下)
  4. 事務所(10,000㎡以下)
  5. 危険や環境悪化の恐れが非常に少ない作業面積が50㎡以下の工場
  6. ホテル・旅館
  7. ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋(10,000㎡以下)
  8. 自動車教習所

 

第二種住居地域で建てられない建物・設備

  1. 上記に挙げたもの以外の工場(作業面積50㎡以上)
  2. 上記に挙げたもの以外の遊戯施設・風俗施設(キャバクラ・ソープランド・ナイトクラブなど)
  3. 倉庫業の倉庫

 

メリットとデメリット

第二種住居地域に住む際のメリット・デメリットは以下のとおりです

メリット

第二種住居地域のメリットは利便性が高いことです。第二種住居地域では10,000㎡までの店舗や事務所を建てることができるため、大型のスーパーマーケットや大企業の事務所を建てることができます。
他の商業施設も建てることができるため、買い物や遊ぶ場所で不便することはあまりありません。

郊外の駅前や幹線道路沿いのエリアに多いため、駅から近い、職場に通勤しやすい、商業施設から近いなどのメリットもあります。また、仕事が遅くなっても夜間まで営業している店舗も多いため夜道も明るく安心です。

 

デメリット

第二種住居地域は幹線道路沿いや郊外駅前地域が指定されることが多く、車の通りが多くなります。
そのため、騒音や排気ガスに悩まされるケースがあり、子供を静かな環境で育てたいという家庭には向いていないでしょう。
また、幹線道路沿いは冬になると風が吹きやすく、実際よりも寒く感じられるため、寒がりの方は厚着や暖房が欠かせなくなりそうです。
また、高層マンションでは強風と排気ガスでベランダに洗濯物を干せないこともありえます。
騒音もある地域のため、窓は閉めっぱなしという状況になることも考えられるでしょう。

その他にも幹線道路は歩道が広く、自転車を使う方が多くいるため、歩道を歩く頻度が高い子供や高齢者は、自転車に十分注意して歩く必要があります。

 

住居専用地域との違い

住居専用地域は建物の高さ制限があります。しかし、第一種・第二種住居地域は日当たりや日影の制限はそこまで厳しくありません。そのため、住居専用地域は高級住宅街のような一戸建ての街並みとなりますが、第一種・第二種住居地域は密集したエリアで一戸建てとマンションなど混在している街並みとなります。

また、第一種・第二種住居地域は住宅地域ですが、マンションや戸建てのそばでも店舗や飲食店、事務所、ホテルを建てることができるという点でも大きく異なります。

工場も床面積が50㎡以下で危険性や周辺環境に対する負荷の基準をクリアすれば建てることができます。

 

第一種住居専用地域と第二種住居専用地域については以下のページをご参照ください。

あわせて読みたい:

不動産営業マンが知っておきたい第一種低層住居専用地域の知識|第一種低層住居専用地域についてのまとめ

第二種低層住居専用地域について不動産営業マンが知っておくべきこと|第二種低層住居専用地域についてのまとめ

 

第一種住居地域との違い

第二種住居地域は第一種住居地域と異なり、パチンコ店・雀荘・カラオケボックスなどの遊戯施設を建てることができます。また、第一種住居地域は店舗規模が3,000㎡まででしたが、第二種住居地域は10,000㎡までと、より規模の大きい店舗を建てることができます。

第一種住居地域については以下のページをご参照ください。

あわせて読みたい:第一種住居地域とは|不動産の営業に生かせる知識のまとめ

 

営業の注意点

用途地域は、不動産重要事項説明書の「建築基準法に基づく制限」の項目で、必ず説明しなければいけない内容とされています。忘れずに説明しましょう。

不動産売却を考えている人にとっては、第二種住居地域は買主をみつけるのに少々苦労する地域となります。住居系地域ではありますが、商業施設や工業施設もあり、そのような地域は高値で売りにくい傾向にあるためです。

しかし、買い物のしやすさなどメリットもあります。便利に暮らしたい人には向いている地域であるため、ファミリー世帯よりも、あまり住居環境を気にしない独身世帯や夫婦世帯がターゲットとなるでしょう。

また、住宅以外にも様々な用途の建物が建てられるので、店舗や事務所、事業用地としての賃貸も可能です。状況次第ではコインパーキング経営も可能ですが、近くに駐車付き大型駐車場があると経営が難しい場合があるので注意が必要です。

不動産を購入しようとしている方にとって、生活拠点としては騒音などのデメリットが気になる地域ですが、個人によって気になる点は異なります。

第二種住居地域は、利便性の高さを重視する方には向いている地域です。交通の便も良く、大規模な商業施設や遊戯施設もあるため便利な生活を送ることができます。仕事の帰りが遅くなっても車のライトや街灯の明かりがあるので安心して帰宅することができます。

売る側と買う側の目線に立って、それぞれのメリット・デメリットをうまく伝える事が商談する上でとても大切です。お客様にあった最適の提案をできるようにしましょう。

 

まとめ

第二種住居地域は住居地域ですが周囲には商業施設も多く利便性が高いことを解説しました。

しかし、土地の性格上騒音や排気ガスなどがデメリットと捉えられることがあります。デメリットが気になる方には、実際に見学を勧めることで不安が軽減する可能性があります。お客様が納得のいく選択ができるよう、説明や提案を工夫ししましょう。