長期優良住宅とは?認定基準や税額控除について解説

投稿日 : 2023年02月01日/更新日 : 2023年06月08日

理想の家を少しでも安く手に入れる手段として、長期優良住宅認定制度を利用しようと考えている人も多いです。

しかし、制度の仕組みを理解しないと場合によっては損することがあります。

そこで今回は、長期有料住宅の認定基準やメリット・デメリットなどについて解説します。

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長期優良住宅とは

長期優良住宅認定制度は、平成21年からスタートした制度です。

家は木や金属で造られておりどうしてもこれらは時間の経過とともに劣化してしまうでしょう。

そのため、これらを用いて造られた家も当然時間の経過によって劣化し、場合によっては崩壊などの危険が発生して建て替え・取り壊しが必要になることもあります。

そこで一定の基準をクリアした安全に暮らせる家に対する認定制度が長期優良住宅認定制度です。]

長期優良住宅の認定に必要な7つの基準と条件

長期優良住宅の認定基準には7つの基準と2つの条件があります。まず基準としては、劣化対策・耐震性・維持管理/更新の容易性・可変性・バリアフリー性・省エネルギー性・居住面積の7つが挙げられます。劣化対策に関しては、100年暮らせる家であることが目安であり、劣化対策等級3程度のものを示します。

耐震性は震度6強〜7レベルの地震に耐えられること、維持管理/更新の容易性はキッチンなど建物よりも耐用年数が短いものを簡単い交換できること、可変制は2世帯同居などライフスタイルの変化に応じて間取りを気軽に変えられることを言います。

そして、バリアフリー性は将来的にバリアフリー化しやすい構造であること、省エネルギー性は省エネルギー基準等級4以上の設備を取り入れていること、居住面積に関しては戸建てだと75平方メートルかつ、ワンフロア40平方メートル以上であることが基準になります。

これに加えて、近隣の景観を損なわない外観や、煙など近隣に迷惑をかけない造りであること、住居維持保全計画を建てて点検や補修などの記録が行われているという2つの基準をクリアしていることが長期優良住宅の認定基準です。

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅のメリットは3つ挙げられます。それぞれを詳しく見ていきましょう。

住宅ローン控除を多く受けられる

住宅ローン控除とは、合計所得金額が3,000万円以下かつ、住宅ローンの返済期間が10年以上、床面積が50平方メートル以上である場合に、確定申告を行うことで住宅ローンの年末残高の1%分の控除が受けられる制度です。

従来の住宅ローン控除では、対象となる住宅ローン残高は4,000万円までが上限となっています。したがって、最大年間で40万円、10年間で400万円の控除を受けることが可能です。

それに対して長期優良住宅の場合は、年末残高の上限残高が5,000万円となり、最大年50万円、10年間で500万円の控除が受けられます。長期優良住宅であれば、控除額は普通の住宅よりも年間10万円も大きくなるのです。

固定資産税の減税期間が長くなる

2022年3月3日までに建てられた家に対しては、3年間は固定資産税の支払いが2分の1になる減税制度が存在します。長期優良住宅の場合はこの減税期間が3年から5年に延長されます。

金利優遇のある住宅ローン「フラット35S」が利用できる

長期優良住宅だと、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して運営されている住宅ローン「フラット35S」が利用できます。

フラット35Sはその名の通り、返済期間が最長35年なのが特徴です。

10年間金利が低くなるプランAと、5年間金利が低くなるプランBがありますが、長期優良住宅の場合はプランAが適用されるのでお得です。

これに加えて、返済期間が50年の「フラット50」というプランも用意されています。住宅ローンは社会人として働ける期間に加えて、住宅の価値も加味して審査を行ったうえで返済期間が決まるものです。

そのため、50年のローンを組むのは難しいですが、長期優良住宅なら長く使えるのでフラット50の審査にも通ることが多いです。

フラット50の場合、返済期間が長い分1ヶ月の返済額を少なくできるうえ、金利も固定であることからお得でしょう。

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅のデメリットとしてはまず、必ず10年に1回、住宅の点検を行わなければいけない点です。

点検費用に加えて、審査費用や書類の作成費用などを考えると、1回の点検につき70万円〜100万円ほど費用がかかってしまいます。

長期優良住宅認定を受けた場合と受けなかった場合の控除額の差は最大年10万円ですが、10年に1回の点検で70万円〜100万円かかるなら、この控除の意味がなくなってしまうでしょう。

しかし、点検を怠った場合は改善命令が下り、場合によっては認定が取り消されてしまうこともあります。

それに加えて、長期優良住宅の基準を満たす家を建てるには、一般的な住宅より費用も時間もかかります。

長期優良住宅を建てるまでの流れは、1ヶ月ほどメーカーや建築会社との打ち合わせを行い、設計図を作成してもらいます。

設計図までできたら、登録住宅性能機関による審査を受けて着工となります。この際の待ち時間は2週間〜3週間ほどがめやす。

加えて建築に関しても、質の良い住宅を建てる分、複雑な作業も求められるので時間が必要になります。

長期優良住宅は一長一短!ライフプランに合った家を選ぶことが大事

長期優良住宅認定制度は、長く住むための安全性などの基準を満たした家が対象です。お得には見えますが、長く使える分メンテナンス費用が高くなりやすいなどデメリットもあるので、メリット・デメリットを比較して、この制度を利用して家を建てるかどうかを決めましょう。

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。