土地の境界による不動産トラブルを回避するために|筆界・境界の違いと境界線の調べ方

投稿日 : 2019年11月26日

土地の売買では、隣地との境界線があいまいな状態だと不動産トラブルにつながる可能性があります。

トラブルを回避するためには売買契約の前に敷地の境界線を明確にしておく必要があります。

今回は不動産の境界を調べる方法や、測量を行う場合の流れについて解説します。

土地の境界とは

日本の土地は法律によって区分され、それぞれに地番が付けられています。

登記上ではひとつの土地を「1筆」と呼び、1筆ごとの所有者が登記簿に記載されます。つまり、土地の境界によって所有者の範囲が決定されます。

境界標について

境界標とは土地の境界を現地で見てわかるように示した印です。境界標の設置は民法により認められています。

民法第223条(境界標の設置)

一般的な住宅では隣地との間に垣根や塀を設けて区切りをつけていますが、その後の宅地造成で撤去されてしまうことがあります。

また、経年劣化により腐食または破損して、目印が消えてしまうかもしれません。

そのため境界標は、石やコンクリート、金属など腐食や破損がしにくい材質の杭等を地面に埋め込んで設置します。

筆界と境界の違い

筆界と境界はいずれも土地の所有権の範囲を区分するための線で、意味はほとんど同じです。しかし境界はまれに所有権界として扱われることがあり、その場合には筆界と境界(所有権界)が異なってきます。

所有権界とは所有者の範囲を画する私法上の境界線ですが、所有者同士の話し合いにより変更が可能です。両者間の合意があれば、隣地との境界線を別に定めることができます。

それに対して筆界とは、土地が登記されたときに1筆の土地範囲を明確に定めた線のことです。分筆や合筆などの登記変更をしなければ筆界は変更できません。

ほとんどのケースでは筆界と境界は同じと考えて差し支えありませんが、一致しないケースもあり得ることを理解しておきましょう。

土地境界を確認しよう

土地の売却を希望されるお客様から相談を受けた際には、できるだけ早いうちに境界の確定を行う必要があります。

隣家トラブルを避けるためにはもちろんのこと、境界線がはっきりしていないと敷地面積の確定も行えないからです。

売主の協力を得ながら、現地調査と書類調査を迅速に進めましょう。

公的な書面で確認する

法務局および管轄役所の窓口で、公図・登記簿謄本・地積測量図・建築計画概要書を取り寄せ確認します。

上記で説明したとおり、書面上の筆界と現況の境界(所有権界)が異なっている可能性もあります。必ず現地調査も行って、書類上の敷地面積と現況を比較して同じかどうか確認しましょう。

公的書面と現況が違う場合の対処法

法務局や役所の書類上で記載されている情報と現況に差異がある場合は、売買契約の締結前に境界線を明確にしておく必要があります。何らかの理由により境界標が見つけられない場合も同様です。

そのような場合は売主様と隣地所有者の立会いのもと、土地家屋調査士などの資格者による測量を売主様にご提案します。

また、隣地所有者といさかいが起きそうなときには筆界特定制度の利用が望ましいと考えられます。筆界特定制度とは法務局の筆界特定登記官が外部委員の意見を踏まえて審議し、正しい現地の筆界を定める制度です。

土地境界確認の流れ

土地家屋調査士や測量士に測量を依頼する際の流れは以下のとおりです。

  1. 資料による事前調査
  2. 隣地所有者への立ち合い等の依頼
  3. 測量および境界の調査
  4. 関係者立ち合いのもと境界を確定
  5. 関係者立ち合いのもと境界杭の埋設
  6. 測量図の作成
  7. (登記上と現況で境界が異なっていた場合)土地地積更正登記

期間は平均して1ヶ月~2ヶ月程度です。書類の準備や隣地所有者の承諾がどのくらいスムーズにできるかどうかがポイントになります。

まとめ

今回は土地の境界を調べる方法について説明しました。

不動産トラブルの中でも境界線にまつわるトラブルは、売主様にも買主様にも大きなダメージを与えてしまう可能性があります。

明確な境界線の確定により、事前に売主様・買主様をトラブルから遠ざけてあげましょう。