登記簿謄本「甲区」の見方|所有権の確認ポイントと対処すべき記載とは
「権利部(甲区)」の概要 不動産についての法的な記録を参照できる「登記簿謄本」は、宅建業者にとって担当物件の状況を知るうえで重要な資料となります。
ベテラン営業マンや、若くても毎月優秀な成績をあげている営業マンには、ある特徴があります。それは、日本全国に情報共有ができる宅建業者が存在するという特徴です。
過去に携わった案件で知り合った同業者や、交流会などで見知った相手、また、最近ではSNS経由で他の宅建業者と知り合いになっているかもしれません。
彼らは優秀であればあるほど、お客様とのコミュニケーションだけでなく、同業者とのコミュニケーション力にも長けています。それはどうしてでしょうか。
不動産業界で働く上で必要になるのは「地域的感覚」です。建物の種類や建築方法、土地の形状や用途についても知識を身につける必要がありますが、地域ごとの肌感覚を捉える力がなくては、不動産売買で勝負をかけるのが難しくなります。
一戸建てを例にとってみれば、たとえば一次取得者層の若いファミリーが多く住む地域では、3000万円台程度の新築建売がよく動きます。
逆に、広い土地の豪邸が立ち並ぶ高級住宅街では、最低8000万円から1億円以上の注文住宅が主流です。3000万円台が中心になる地域と、1億円以上が中心になる地域では、需要がまったく違うことが分かるでしょう。
建物ごとにふさわしい価格帯があるように、地域ごとにもふさわしい価格帯があるのです。
不動産査定の際には「物件50%+地域50%=査定額100%」と、半々で考えるのが鉄則だと覚えておきましょう。
もちろん不動産査定をする際には、レインズの情報を検索し、原価法や成約事例比較法により不動産の評価を行うのは大切です。路線価や公示価格を調べれば対象地域の標準価格はわかりますし、法定耐用年数で計算すれば現在の建物価値も算出できます。
しかしレインズでは成約事例は載っていても、現在販売中の物件がどの程度見られているか、成約までにかかった販売期間などの詳細は確認することができません。
成約までの背景は、机上のデータだけでは判断ができないのです。
また、法定耐用年数は減価償却費の算定基準として財務省が定めた建物の使用可能年数で、金融機関が不動産を評価する上では重要な指標ですが、耐用年数を過ぎたからといって建物に住めなくなるわけではありません。
同じ築後20年の一戸建てでも、完成後にまったく手を加えていない物件と、適時リフォームや設備改修をしてきた物件では、不動産の価値はまるで違います。
既存住宅状況調査技術者の判断や改修工事履歴を確認し、個々の建物の状況を詳しく調べた上で補正していかなければなりません。
パソコンの前で調べられることは非常に多いですが、あくまでもそれは机上のデータであり、不動産の本当の価値を見定めるためには不十分です。
レインズの情報や各評価法で出た数値を活用するためには、前述の「地域的感覚」による補正が必要です。そのためには、対象地域で日々物件を取り扱っている同業者の声を聞くことが一番の早道です。
対象地域の「地域的感覚」を持っている同業者の生の声を聞くことで、土地勘のない地域でも地域性や背景が理解できるようになり、机上のデータが「生きた情報」になります。
日本全国の地域的感覚を、ひとりですべて把握するのは困難です。
日頃から同業者との交流を活発にして、いざというときの「横のつながり」に頼れる土台を作りましょう。