既存住宅状況調査=インスペクションとは?説明義務化で宅建の必須項目に
インスペクションの説明義務化とは
中古マンションを売却したいと依頼されるお客様の中には、さまざまな理由により「仲介」ではなく「買取」の方が適切だと思われる方がいらっしゃいます。
宅建業者として中古マンションの買取をする際に把握しておくべき、買取の流れや注意点を確認しましょう。
まずは基本的な事項として、仲介と買取の違いをご説明します。
仲介とは、依頼を受けた宅建業者が売主様の代理として物件情報を一般に公開し、買主様を探して不動産を売却する方法です。別の呼び方で媒介とも言います。
宅建業者の仲介(媒介)により売買が成立して物件を売却した際には、売主様から仲介手数料が報酬として支払われ、それが業者の利益となります。
不動産売却における買取とは、宅建業者が売主様から直接物件を購入し、業者自身が売主となって購入希望者を募る方法です。
宅建業者が買取のための査定をした後、売主様が査定金額に納得すれば、その金額で契約成立となります。
この場合、物件の売却益が業者の利益になります。
中古マンションを買取した場合、売主様と宅建業者にはそれぞれ以下のようなメリットが生じます。
中古マンションを買取するときの流れは、一般的な中古マンション売却手続きと基本的には同じです。取引自体に何か特別なこともなく、販売活動や内見の必要もないので、仲介よりも買取はシンプルな取引となります。
STEP1:机上による概算査定
STEP2:現地調査による査定
STEP3:買取金額・買取条件の提示
STEP4:売買契約の締結および手付金支払い
STEP5:残金決済
STEP6:引渡し
最初は媒介契約をして販売活動をしていたマンションを、購入希望者がなかなか現れないため買取に変更するケースもあります。
目安としてレインズに登録後3ヶ月たっても売却が成立しないときには、買取について売主様にご提案してみるのも一案です。
買取金額の相場感は各マンションにより異なります。最初から買取を希望されているケースと、なかなか売却できずに買取に移行するケースでは、その後のリスクが大きく変わってきます。
全体的な平均相場としては、販売経費と物件売却までの期間リスクなどを鑑み、販売価格の60%程度としている宅建業者が多いようです。
宅建業者に中古マンションを直接買い取ってほしいと希望される売主様へは、買取価格の算出根拠について十分な説明を行う必要があります。
売主様が手放したマンションの公開販売価格をご覧になり、転売価格に対して買取価格が低すぎると売主様からクレームを受けるかもしれません。提示価格に合理性がある旨をきちんとご説明しましょう。
今回は中古マンションの買取について解説しました。
買取が適切か、それとも仲介が適切かは、それぞれの売主様の状況を見極めてご案内する必要があります。
仲介・買取のいずれにしても、売主様にとってベストとなるご提案を行いましょう。
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