中古マンションの寿命を探る|建替えの必要性を見極めるポイントとは

投稿日 : 2019年11月29日

新築マンションと比べ、中古マンションは価格が低いので買主様にとっては手が出しやすいかもしれません。

最近では、築年数の古いマンションのリノベーション物件も増えています。

築年数の古いマンションを購入するときは設備改修の予定だけでなく、将来的な建替えも視野に入れて検討しなければなりません。

宅建業者としても、中古マンションの築年数は重要な査定要素です。

築年数の古い分譲マンションを査定する際には、建替えの可能性についても考えておく必要があります。

いったいマンションは、築後何年たつと建替えをする必要があるのでしょうか。どのように建替えは決まるのでしょうか。そして建替え時には誰がその費用を負担し、いくらかかるのでしょうか。

今回は中古マンションの建替えについて解説します。

 

マンションの寿命は何年程度か

マンションと呼ばれる中高層集合住宅は、築後どのくらい経てば寿命(=建替えが必要)とされているのでしょうか。

国土交通省の建替え基準は60年とされています。

これは1960代に普及しはじめたマンションが60年を経て老朽化しているために言及されたものです。

また1960年代は耐震設備などが今ほど重要視されていなかったので、度重なる震災により建物の耐震基準が改定され古い建物は災害時の危険性があることも理由とされています。

ただし、適切な時期に改修や耐震補強などのメンテナンスがされているマンションと、そうでないマンションとでは大きな差がありますので、一概に寿命が何年とは言えません。

一般的には、築50年を経過したマンションは建替えも要検討だと考えられるでしょう。

国土交通省によると、2018年時点で築50年以上のマンション戸数(分譲・賃貸)は6.3万戸ですが、推計で10年後の2028年には81.4万戸、20年後の2038年には197.8万戸となる見込みです。

 

データ引用:国土交通省|マンションに関する統計・データ等「築後30、40、50年超の分譲マンション数(令和元年5月29日更新)」

 

建替えを検討すべきタイミング

そのマンションが建替えすべきかどうかは、構造的な老朽化に加えて社会的な老朽化もあわせて総合的に判断します。

新築時に問題なかった住環境であっても、時代の変化により現代の生活水準に適合していないマンションも存在します。

定期修繕などにより劣化はある程度食い止められても、建替えたときの居住水準と大幅な差異が出てきた際には建替えを検討すべきです。

 

画像引用:再開発コーディネーター協会|早わかりマンション建替え

 

古い分譲マンションを建替える場合

マンションがどのくらい古くなると建替えが必要になるかはわかりましたが、実際の建替えはどのように行われるのでしょうか。

 

建替えの流れ

分譲マンションの建替えは、全区画所有者の80%以上が賛成しないと実施できません。

マンション管理組合の有無などにもよりますが、多くは改修・建替えともに以下のような流れをとります。

 

画像引用:マンション再生協議会|マンション再生の流れ

 

住民の費用負担

マンション建替えの費用は住民(所有者)が負担し合って捻出します。

主にかかる費用は旧マンションの解体費用、新マンションの建築費用(設計費含む)、事務費等です。

各住民が負担する費用の相場は1戸1,000万円程度です。

マンションの資産価値によっては2,000万円以上かかる場合もめずらしくありません。

それ以外にも引っ越し費用(2回分)と仮住まいの賃貸費用などが必要となるため、マンションの建替えに伴う住民の金銭的負担はかなり大きくなることが予想されます。

 

築年数の古い分譲マンションを購入するときの確認ポイント

分譲マンションを購入してすぐに建替えが決まり、さらなる費用負担が生じるのはできれば避けたいものです。築年数が古い分譲マンションを購入するときには、以下ポイントについてよく確認しましょう。

  • 耐震基準を満たしているか
  • 構造部材・非構造部材ともに劣化がないか
  • 漏水等ないか
  • 電気容量が不足していないか
  • 遮音性に問題ないか
  • 専有面積が著しく狭くないか
  • バリアフリーに適合しているか
  • 管理組合の運営は適切になされているか

最後の「管理組合の運営」の良し悪しについては、マンションの寿命を延ばす修繕工事のためにも、本当に建替えが必要になったときのためにも重要なポイントとなります。規約や収支報告などの書類を精査しましょう。

 

まとめ

古いマンションを査定するときや中古マンションをお客様にご紹介するときには、未来に起こりうる建替えの可能性を見逃してはいけません。

現在の築年数や設備の劣化状況をよく確認して、建替えに至るまでの年数やリスク、建替えによる影響を見定めるようにしましょう。