不動産信託とは|仕組みやメリット・デメリット、不動産登記の流れも徹底解説
近年、不動産管理と相続対策のための手法として「不動産信託」が注目されています。
借地権とは、建物を所有するために土地を賃借する権利のことです。
不動産業者であれば、「借地権付き建物(借地の上に建てた自分所有の建物)」などを取り扱うことも少なくないでしょう。
借地権付き建物を売買する際には、土地の所有権はどのように扱われるのでしょうか。そもそも借地権は第三者に売却できるのでしょうか。
今回は、借地権の売買について、権利のあり方や取引方法、不動産業者が気をつけたいポイントをご紹介します。
借地権は土地を賃借する権利であるため、土地そのものは借主様の所有物ではありません。
しかし、「土地を使用する権利」を“購入”していると見なされるため、その権利を第三者に転売することは可能です。
ただし、土地を貸す権利は地主様が有しているので、借地権の売買には地主様の承諾を得る必要があります。
その際、地主様に「承諾料」を支払うのが一般的です。
借地権の売買でよくあるのが、借地権を地主様に買い取ってもらうケースです。
そもそも土地の所有権は、土地を貸す権利である「底地権」と、土地を借りて使用する権利である「借地権」の両方が合わさることで成立しています。
借地権を売買すると所有権のうち、借地権は借地権者(借主様)が持ち、底地権は借地権設定者(地主様)が持ちます。
そのうえで、地主様に借地権を売却するということは、地主様が借地権を買い直して完全な所有権を取り戻すことになります。
◆ 地主様に借地権を売却する方法
地主様に借地権を売却するには、2パターンの方法があります。
いずれにしても、その実現には地主様の承諾が大前提です。
借地権を地主様以外の第三者に売却することも可能です。
借地権の買主は、不動産業者の場合と個人の場合があります。
また、「借主様の借地権」と「地主様の底地権」をセットにし、「完全な所有権」として売り出す方法もあります。その方が不動産価値は高くなり、売却利益も大きくなります。
しかし、それには両者の合意が前提となるため、実現のハードルは上がります。
「等価交換」とは、借主様が持っている借地権の一部と、地主様が持っている底地権の一部を互いに交換し、完全な所有権を半分(または一部)ずつ所有することです。
等価交換をしてから、借主様が有している完全所有権の半分(または一部)を売却する方法も可能です。
借地権を売却する場合は、次のような手順で対応が必要です。
借地権は、ある意味で不完全な権利です。そのため、借地権と底地権がそろった完全な所有権よりも価値が低くなります。
売却利益を大きくするには、両方の権利保有者が協力し合い、完全な所有権にしてから売り出すことも検討する必要があります。
地主様が借地権の売却に承諾してくれない場合、借主様の取りうる手段として「借地非訟手続き」があります。
これは、借地権を売買する許可を裁判所に求める方法です。これには法律の専門知識が必要ですので、弁護士などの専門家に相談しましょう。
ただし、この方法を遂行する場合、地主様の承諾なしに売却することになります。
地主様の理解を得ることは難しく、その後の関係悪化には覚悟が必要です。
また、このような経緯で売り出された借地権はマイナス要素があると見なされ、売買価格が低くなってしまうこともあります。
そのため、「借地非訟手続き」での解決は最終手段と考え、できる限り両者の建設的な話し合いのもと合意できる可能性を探りましょう。