マンションの現地調査で見るべき場所とポイント
マンション現地調査では建物内外を漏れなくチェック
給与所得以外の収入が発生した場合、サラリーマンでも個人事業主でも確定申告が必要になります。投資用マンションを売却して損失が出た時も同様です。
投資用マンションを購入された買主様が確定申告に不安を抱えている場合も考えられます。分かりやすい説明を心がけて、買主様の不安を軽減していきましょう。
今回の記事は、確定申告をご存じない買主様に向けて説明できるように、基本的な内容をまとめました。確定申告の概要と、売却損が出た場合の対応方法について紹介していきます。
確定申告とは、「私たちは今年これだけの収入があったから、税金をこれだけ支払います」と税務署に申し出る手続きのことです。
サラリーマンが得る給与所得であれば会社が「年末調整」をしてくれるため、個人での確定申告は必要ありません。一方で、個人事業主は自分で税務署に確定申告を行います。
1月1日から12月31日までの所得額から所得控除を差し引き、残った金額に対する所得税を税務署に支払います。
また、サラリーマンであっても、年間の給与収入が2,000万円を超えているか、給与所得以外の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。
確定申告の申告・納税の期限は翌年の3月15日です。確定申告をする方は、ここまでに申告と納税を行う必要があります。
期限までに申告をしていない場合、2つのぺナルティが課せられます。まず、無申告加算税です。3月15日までに申告しなかったことに対する罰則の意味があります。無申告加算税の原則は、納付すべき税額に対して50万円までは約15%、50万円を超えるなら約20%です。
税務署の調査を受ける前に自主的に期限後納税すれば、無申告加算税が約5%の割合を乗じて計算した金額まで軽減されます。
次に、延滞税です。申告をしないことに対する罰則が無申告加算税なら、こちらは納税しないことに対する罰則です。3月15日の翌日から納付日までの期間に応じて、8.9%(年によって異なる)の延滞税が課せられます。
なお、故意に確定申告を免れる「ほ税」は犯罪です。5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、又はその両方が課せられます。
このように、確定申告の期限に遅れたり、故意に免れようとする行為は許されません。
では、個人事業主や副業収入があるサラリーマンは、絶対に確定申告をしなければならないのでしょうか。判断する基準は、「利益が残っているかどうか」です。
投資用マンションを売却した時は、経費や特例などを差し引いて残った金額がプラスかどうか、で判断します。
投資用マンション等の不動産を売却し、売却益が残った場合は必ず確定申告が必要です。売却益は税法上で「譲渡所得」に区分され、申告をしたうえで「譲渡所得税」として納税します。
一方で、利益が残らずに損をしてしまった場合はどうでしょうか。この場合は、確定申告をする必要はありません。
ただし、売却損が出た人でも確定申告をすることで、還付金を受け取ったり税金を受け取ったりできる場合があります。
マンションの売却などで損失が発生してしまった場合、確定申告で損益通算することで収める税金が安くなる場合があります。
給与所得のプラスから売却損を差し引き、残った金額に応じて納税額が変わるイメージです。
さらに、その年に損失を控除しきれなかった場合、譲渡した年の翌年以後、最大3年間繰り越すことが可能です。
ここでは、「個人の投資家が投資用マンションを売却した」のような場合を想定して、かかってくる税金について解説します。
確定申告で申告する税金は、「所得税」と「住民税」の2つです。
また、譲渡所得は「分離課税」に分類されます。よって、事業所得などとは別の計算で所得税と住民税が発生します。この所得税と住民税を併せて譲渡所得税と呼びます。
譲渡所得税は、不動産を所有していた期間に応じて「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分かれます。これらは名称が違うだけでなく、税率や利用できる特例にも違いがあります。
譲渡した年の1月1日の時点で、所有期間が5年を超える場合は【長期譲渡所得】に分類されます。
税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。
譲渡した年の1月1日の時点で、所有期間が5年以下の場合は【短期譲渡所得】に分類されます。
税率は39.63%(所得税30.63%、住民税9%)です。
長期譲渡所得の税率には、住民税が含まれています。それぞれ住民税の税率に違いがあり、長期譲渡所得は5%、短期譲渡所得は9%です。
確定申告をする時は、まず譲渡所得の金額を算出し、そこに税率をかけて譲渡所得税を算出します。
それぞれの計算式は、以下の通りです。
【譲渡所得の計算】
譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用) |
【譲渡所得税の計算】
譲渡所得税=譲渡所得×税率(長期譲渡所得・短期譲渡所得) |
もし売却する不動産がマイホームだった場合は、以下のような特例を使って節税することが可能です。
ただし、投資用マンションをはじめとした事業用の不動産の売却では、これらの特例を使うことができません。
かといって、全ての特例が使えないわけではありません。事業用の不動産の売却の場合に使える特例が1つあります。
それが特定事業用資産の買い換え特例です。
この特例では、以下のような場合に特例を適用することができます。
・譲渡の日の属する年の1月1日において所有期間が10年を超える国内にある事業用の土地等や建物又は構築物を譲渡して、国内にある事業用の土地等、建物又は構築物を取得する場合
・資産を譲渡した年か、その前年中、あるいは譲渡した年の翌年中に買換資産を取得すること。
・買換資産を取得した日から1年以内に事業に使うこと。
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つまり、事業用の資産を売却してから一定期間の間に不動産を購入し、購入した日から1年以内に事業の用に供した時に利用ができます。
事業用の資産であれば何でも適用できるわけではありません。売却する不動産、購入する不動産の両方が事業用であることが必要があるほか、所有期間が10年以上などの一定の条件があります。
この特例を利用すると、買い換えた部分の70~80%に相当する収入がなかったものとみなされます。
例を出して計算してみます。
確定申告は不慣れなうちは非常に難しく感じますが、適切に行うことで節税に繋げることができます。買主様に説明する際は、確定申告と損益通算、各種特例について分かりやすく説明するように心がけましょう。
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この記事の監修者: 小林 紀雄 住宅業界のプロフェッショナル某大手注文住宅会社に入社。入社後、営業成績No.1を出し退社。その後、住宅ローンを取り扱う会社にて担当部門の成績を3倍に拡大。その後、全国No.1売上の銀座支店長を務める。現在は、iYell株式会社の取締役と住宅ローンの窓口株式会社を設立し代表取締役を務める。 |