中古物件を引き渡す際に出てくる言葉が「現状有姿」です。 今回は現状有姿についての理解を深めて、トラブルなく円滑に引き渡しが行えるように、トラブルの事例や対策などを見ていきましょう。
お客様が発見した物件に新たな提案をプラスして成約率を高める方法
今やインターネットでお客様自身が情報収集を行う時代
日本のIT化が進むにつれ、不動産の物件探しにもインターネットが広く活用されるようになりました。
いまでも住宅情報誌や新聞の折込チラシで物件を探しているお客様もいらっしゃいますが、最近では「インターネットで見た物件なんだけど」と不動産会社に声かけをしてくるお客様が大変多くなってきています。
インターネットを使えば、居住地域の物件だけでなく日本全国の物件を検索することができるので、お客様自身でも多くの情報が得られる時代になっています。
不動産流通の仕組みはどうなっている?
とはいえ、情報は多ければ良いというものではありません。多くのお客さまが膨大な情報に圧倒されてしまい、かえって困ってしまうケースも見受けられます。
例えば、よくお客様から寄せられるのは「どうして同じ物件がいくつもの不動産情報サイトで掲載されているの?」との疑問です。
あちらのサイト、こちらのサイトとさまよっているうちに、どの情報を信用すれば良いのかわからなくなってしまう人も多いでしょう。
インターネットや住宅情報誌に掲載される物件情報は、売主様から直接依頼を受けた媒介業者がレインズに登録し、レインズから情報を得た不動産会社が不動産情報サイト等へ公開しているわけですが、宅建業者なら誰でも知っている不動産流通の仕組みを理解しているお客様は少数です。
なので、宅建業者はお客様のかわりに不動産流通の仕組みをきちんと理解し、お客様が情報の海に流されないように手助けして差し上げなくてはなりません。
レインズ(REINS)は業界人限定の情報の宝庫
レインズ(REINS)とはREAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEMの略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通標準情報のネットワークシステムです。

画像引用:不動産流通推進センター「レインズ(REINS)とは」
レインズにアクセスすることにより、宅建業者は以下のことができます。
- 売却依頼を受けた物件情報を公開し販売活動をする
- 買主様の条件に合う物件情報を検索する
- 成約事例を検索し、売却物件の査定用データや相場を収集する
- 宅建業者の会員情報を検索する
レインズは一般の人がアクセスすることはできず、利用は不動産業者で働く会員のみに限定されています。不動産取引に必要な多くの情報が集約されている、プロユースの情報の宝庫ですね。
お客様の意見を尊重しつつ、プロの目線で提案を
インターネットやその他さまざまな情報源からお客様自身が物件情報を発見してきた際には、まずは対象物件の詳細を確認しましょう。売主様や媒介業者をレインズより特定し、物件情報が信頼に足るものか、お客様の希望に本当に合致しているかどうかを調査する必要があります。
そして、対象物件がプロの目から見ても良い物件であれば内見申込みの検討に進み、そうでなければ比較検討できる他の物件を探してご提案します。
お客様がその物件のどこに魅力を感じたのかを具体例として知ることができるのは、こちら側としても大きなチャンスとなります。お客様の意見を尊重しつつ、こちらからも新たな提案をプラスすることで、最終的な成約に至る可能性が高まるでしょう。
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