不動産売買にかかる仲介手数料の根拠は?顧客満足度アップに値引きは必要?

投稿日 : 2021年03月16日/更新日 : 2023年02月02日

不動産売買にかかる仲介手数料の根拠は?顧客満足度アップに値引きは必要?
不動産会社にとって大切な利益である仲介手数料。

しかし、仲介手数料について顧客の理解を得られずに困った経験はないでしょうか?

「どうして仲介手数料はこんなに高いんですか?」

「仲介手数料を無料にしてほしいんですけど…」

顧客からこんな意見が出るのは、仲介手数料について顧客の理解が足りていない可能性があります。

仲介手数料を値引きすれば解決しますが、事業を行っているからには、少しでも利益を上げたいですよね。

そこで今回は、以下について詳しく解説します。

  • 仲介手数料の仕組み
  • 仲介手数料の上限と計算方法の根拠
  • 仲介手数料を値引きせずに顧客に満足してもらう方法

この記事を読めば、仲介手数料の仕組みを理解できるだけでなく、顧客満足度を上げる方法がわかります。

納得のいく説明やサービスで、顧客満足度の向上を目指してくださいね。

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仲介手数料とは?

不動産売買取引での仲介手数料とは、仲介に対しての成功報酬です。

仲介手数料は「成功報酬」の意味合いがあるので、売買契約が成立してはじめて発生します。

不動産の売買取引は1件数千万円という高額取引です。

家を今すぐにでも買いたい方は限られるため、契約に至るまで不動産会社は多くの苦労を強いられます。

土地総合研究所の調査では、仲介会社の約50%は年間成約件数が10件以内というデータがあります。

(参考:土地総合研究所 不動産業についてのアンケート調査

1ヶ月に一度あるかないかの契約ならば、少しでも多くの利益を取りたいと思うのは当然でしょう。

仲介手数料はなぜ必要なのか?

顧客から「なぜ仲介手数料が必要なのか」と聞かれた場合、売主と仲介の違いをしっかり説明することをおすすめします。

専門知識がない顧客にとって、不動産会社は「不動産会社」。

同じ不動産会社でも、売主と仲介では以下のとおり利益を上げる方法が異なることを説明しましょう。

売主の場合…物件を売って利益をあげる

仲介の場合…買主または売主をサポートして、契約締結することで利益をあげる

売主の不動産会社と買主が直接取引すれば、仲介手数料は不要です。

しかし、買主に専門知識がない場合、買主側に不利な契約になる可能性もあります。

専門知識が必要な不動産取引では、専門家のアドバイスが必要なこともあるでしょう。

仲介会社を通せば、買主には以下の大きなメリットがあります。

  • 不利な契約締結やトラブルを回避
  • 契約締結までの苦労の軽減

この点をしっかり理解してもらうことが大切です。

仲介手数料の上限と計算方法の根拠は?

仲介手数料の上限と計算方法の根拠は?
仲介手数料の上限は、売買価格×3%(+消費税)と宅地建物取引業法(以下、宅建業法)で定められています。

しかし、売買価格×3%+6万円を仲介手数料としている不動産会社が一般的です。

それでは、なぜ3%+6万円なのでしょうか。

この3%+6万円は、宅建業法で定められている基準をわかりやすくした計算式です。

まずは、宅建業法で定められている上限について解説します。

以下の表は、宅建業法で定められている仲介手数料の上限は以下の通りです。

200万円以下の部分 5%
200万円超え400万円以下の部分 4%
400万円を超える部分 3%

例えば、売買金額が2,000万円だったとします。上記の上限をもとに計算する場合、計算方法は以下の通りです。

(1)200万円までの部分を計算
200万円×5%=10万円

(2)200万円超え400万円までの部分を計算
200万円×4=8万円

(3)400万円を超える部分を計算
1,600万円×3%=48万円

(4)(1)~(3)を合計する。
10万円+8万円+48万円=仲介手数料66万円(+消費税)

この計算式だと、とても複雑でわかりにくいですよね。

そこで、計算を簡単にするために一般的に使用されるのが、売買価格の3%+6万円になります。

簡略化した式で計算する場合、「2,000万円×3%+6万円=66万円」となり簡単に計算可能です。

仲介手数料の+6万円の根拠とは?

仲介手数料の根拠についてもう少し詳しく知りたい方のために、+6万円の根拠を解説します。

本来400万円までの部分は4%・5%に分けて計算しますが、簡略化した計算式では全ての金額を3%に統一して計算します。

この場合、本来4%・5%で計算する400万円までの部分の差額の計算が必要です。(以下計算式)

  • 200万円までの部分:200万円×(5%ー3%)=4万円
  • 200万円超え400万円までの部分:200万円×(4%ー3%)=2万円

上記を計算した結果、加算するべき金額が3%+6万円の6万円です。

あなたが不動産事業者の場合、知っていて当然の知識かもしれません。

しかし、専門知識がない方は、あなたが思っているほど理解していない可能性があると知っておくと、顧客対応に役立ちます。

例えば、以下の調査結果を見てください。

  • 仲介手数料がいくらになるか知らない方は、男女ともに50%以上
  • 仲介手数料の上限が、法律で決まっていることを全く知らない方は男性64.8%、女性79.2%

(参照:株式会社不動産流通システム 不動産取引での「囲い込み」「両手仲介」「仲介手数料」に関するアンケート

顧客が疑問に思っている部分に注意して、客観的な根拠を説明することが大切です。

仲介手数料は安ければ良いのか?手数料とサービス品質とのバランスが大切

仲介手数料に顧客が納得してくれない場合、値引きをすればいいのではないかと思う方もいるでしょう。

しかし、値引きすれば必ずしも顧客満足度が上がるとは限りません。

「仲介手数料が半額または無料の会社の利用を検討しない」と回答した方は、男女ともに約50%。
(参照:株式会社不動産流通システム 不動産取引での「囲い込み」「両手仲介」「仲介手数料」に関するアンケート

上記のことから、仲介手数料が安くても、信頼性が低い場合は契約にならない可能性があります。

仲介手数料を低くするだけでなく、以下のようなサービスの充実で顧客を満足させることが大切です。

  • 顧客の悩みに的確なアドバイスをする
  • 丁寧な接客を心掛ける
  • 広告に力をいれる(売却)

値引きだけでなく、顧客満足度を上げる方法があることを理解しておきましょう。

まとめ

仲介手数料は契約成立の成功報酬で、手数料の上限は宅建業法で決められています。

下限がないため、利益を求めなければ無料でも問題ありません。

しかし、顧客満足度の向上を目指す場合、仲介手数料が安ければいいというわけではなく、サービスの質と仲介手数料とのバランスが大切です。

あなたの会社の強みを活かして、顧客満足度向上に繋がるサービスを考えてみてはいかがでしょうか?

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