ミニ開発を防止せよ|建物には敷地面積の最低限度がある

投稿日 : 2019年11月25日

「猫の額ほどの広さの建物」は実際には存在しない

建物を建てるうえでは、人が生活するうえで最低限の居住空間が得られるように敷地面積の最低限度をクリアする必要があります。

よく「猫の額ほどの広さしかない家」と言われますが、実際にはそれは認められていません。今回は、敷地面積の最低限度について確認しましょう。

 

敷地面積の最低限度とは

敷地面積の制限は、いわゆる「ミニ開発」を防止するために各自治体が定めた制度です。第1種低層・第2種低層住居専用地域で適用され、区域内での良好な住環境を維持・保全することを目的としています。

各自治体の敷地面積の最低限度は市区町村役場の都市計画課などで確認できますが、多くの自治体では100㎡前後が平均です。また、同じ区域内であっても広さが違うケースもあります。

建築基準法上では、自治体が敷地面積の最低限度を設定する際でも、最大200㎡までとしなければならないとしています。

 

画像引用:世田谷区ホームページ|区のおしらせ「せたがや」平成30年10月15日号「建築物の絶対高さ制限及び敷地面積の最低限度の制限に関する都市計画変更特集号」

 

たった1㎡が泣きをみる結果にも

敷地面積の最低限度が仮に100㎡で定められている地域で、地積が199㎡の土地を分筆してしまうと、99㎡は評価額ゼロの土地になってしまうからです。

過去に土地の分筆をしていた地主が、残った土地を売却しようとしてはじめて敷地面積の最低限度に1㎡だけ足りない土地だったことがわかったケースがありました。後ほどご説明する救済措置の適用も受けられなかったため、たった1㎡足りないだけで不動産価値は0円となってしまい、売却することができません。

このケースでは隣地を買い取るかもしくは隣地所有者に買い取ってもらうかを相談する流れとなりましたが、長年その土地を大切に守ってきた地主にとって心理的、経済的ダメージは計りしれません。

土地の分筆を希望している売主様には、敷地面積の最低限度についてきちんと説明をしたうえで、慎重に慎重を重ねた分筆の計算を行いましょう。

 

制度導入時期による最低限度の救済措置

昔に建った建物の場合、制度が導入される前から敷地面積が最低限度を満たしていない可能性もあります。その場合は、制度導入前の制限は適用されません。

また分筆により敷地面積の最低限度に満たない土地になっていても、分筆時期が自治体の制度導入前であれば建物の建築が認められることもあります。

これらの救済措置は各自治体の判断に委ねられるので、救済措置が受けられるかどうかは土地の登記簿謄本などを持参のうえ、役所担当窓口で相談しましょう。

 

まとめ

敷地の最低限度は、日頃の業務ではあまり取り扱う機会は少なくても、たった1㎡が評価の明暗を分ける重要な制度です。

いざお客様が分筆の相談をされた際には、対象地の地積と自治体が定める制度を十分に確認のうえ、敷地面積の最低限度を満たす分筆であるか慎重に計算しましょう。