住宅ローン借り換えの検討|返済額を減らせる基準と手続きの流れ・諸費用

投稿日 : 2019年11月29日/更新日 : 2023年02月03日

住宅ローンは、ずっと同じ契約を続けなければいけないと思っている人が少なくありません。

しかし、金利の変動があれば、住宅ローンを借り換えることで返済額を減らせる場合があります。特に、超低金利時代の昨今、借り換えを検討する方も増えています。

不動産業者としては、借り換えについて知識として身につけておくと、住宅ローンへの理解が深まります。また、お客様への幅広いアドバイスが可能になります。

借り換え前にはシミュレーションが必須

低金利が続く現在、まず検討する価値があるのは、過去に「固定金利型」ローンや「固定期間選択型」ローンで長期の固定期間を選択した方です。

かつての高金利のままローン返済を続けているなら、借り換えで返済額が下がる可能性があります。

逆に金利が上昇している場合には、「固定金利型」や「固定期間選択型」への借り換えにメリットがあると考えられます。

ただし、金利は変動しますので、住宅ローンを借り換えれば必ず返済額を減らせるわけではありません。借り換えを検討する際には事前に試算して、不確定要素をできるだけ減らすことが大切です。

借り換えるべきかどうかは個別の条件によりますが、目安として次の条件に当てはまれば、借り換えのメリットがあると言われています。

◆ 住宅ローン借り換えを検討する目安

  • 「固定金利型」または「固定期間選択型」で返済している。
  • 金利差が1%以上ある。
  • 残りの返済期間が10年以上ある。
  • 残りの借入れ金額が1000万円以上ある。

上記はあくまで目安です。全て当てはまらなくても返済額を減らせる場合があるので、金融機関で確認するといいでしょう。

 

住宅ローンの借り換え費用

借り換え試算の注意点は、住宅ローンの借り換えには手数料などの諸費用がかかる点です。諸費用分を考慮してもメリットがあるかどうかが、借り換えの判断基準のひとつとなります。

住宅ローンの借り換えに必要な費用は、金融機関によって異なります。一般的には、次のような項目です。

 

◆ 借り換え前のローンにかかる費用

  • 全額繰上げ返済手数料
  • ローン保証料払戻し手数料
  • 抵当権抹消登記費用

 

◆ 借り換え後のローンにかかる費用

  • 融資手数料
  • ローン保証料
  • 契約書の印紙税
  • 抵当権設定登記費用

 

住宅ローン借り換え手続きの流れ

  1. 借り換え先の金融機関を探し、事前審査を申し込みます(気になる金融機関に複数申し込むのもいいでしょう)。
  2. 事前審査を通過したら、借り換え前の金融機関に全額繰上げ返済を申し出ます(金利の引き下げを提案されたら再検討しましょう)。
  3. 借り換え先の金融機関を決定します。
  4. 正式審査を申し込みます。
  5. 正式審査を通過したら、正式にローン契約をします。
  6. 借り換え先の金融機関から前の金融機関に借入金を振り込んでもらいます(全額繰上げ返済)。
  7. 抵当権の抹消・設定手続きを行います(司法書士による)。

 

住宅ローン借り換えの必要書類

借り換えの手続きは、基本的に通常の住宅ローン契約と同じで、以下のような書類が必要となります。

 

◆ 事前審査の必要書類

  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 源泉徴収票(給与所得者)または確定申告書の写し3年分(自営業者)
  • 物件確認資料

 

◆ 正式審査の必要書類

  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 物件確認資料
  • 給与所得者の場合…源泉徴収票、住民税決定通知書または課税証明書
  • 自営業者の場合…確定申告書の写し、申告所得税納税証明書、事業税納税証明書(各3年分)
  • 法人代表者の場合…法人の決算報告書、法人税納税証明書(各3年分)

 

◆ ローン契約の必要書類

  • 住宅の登記事項証明書
  • 検査済証
  • 収入証明書類
  • 印鑑証明書

 

住宅ローンの審査基準

住宅ローンの借り換えをする際には、改めて新たな借入れ先による融資審査を受け、通る必要があります。

一般的には、住宅ローン審査通過の基準は次のような条件が目安となります。

 

  • 年収約300万円以上
  • 勤続年数2~3年以上
  • 団体信用生命保険への加入

 

そのため、直前の転職や減給、住宅ローン以外のローン(マイカーローンや学資ローン)は、マイナス要素としてカウントされます。

また、現在の健康状態によっては、団体信用生命保険への加入ができない場合も考えられます。

借り換えを検討する場合は、タイミングも検討する必要があることを覚えておきましょう。

 

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