建築工事の「前」と「後」を調べる|建築計画概要書・台帳記載事項証明書

投稿日 : 2019年10月28日

役所で取得する必須書類2種類を解説

市区町村役場で既存建物の調査を行う際に、必ず取得しておきたい書類は以下の2種類です。

  1. 建築計画概要書
  2. 台帳記載事項証明書

上記の2種類の書類には、建物の調査をするうえで、それぞれ違う役割があります。
今回は、建築計画概要書と台帳記載事項証明書に関する説明と、2つの書類をどのような目的で活用するのかについて解説します。

 

建築計画概要書とは

建築計画概要書とは、建物を建てる際に建築確認申請を行い、その後確認済証が交付された物件に関して一般に公開されている書類です。

つまり建築計画概要書を閲覧することによって「どのような建物を建てたかったのか」という、建築確認申請の概要を確認することができます。

ここで注意しておかなければならないポイントは、「実際の建物とは異なる可能性がある」点です。

建築計画概要書はあくまでも建築工事がはじまる前の申請ですので、確認済証が発行された後で実際にどんな工事がなされたのかを知ることはできません。

 

台帳記載事項証明書とは

台帳記載事項証明書とは、建築確認申請後の確認済証および完了検査後の検査済証の交付年月日・交付番号を記録した書類です。

この書類によって、建築工事が完了した際に完了検査まで滞りなく行われていたことが確認できます。

所有者が何代も代わっている中古物件の場合には、売主様の方で検査済証が用意できないケースもあります。

そのような場合でも、台帳記載事項証明書を見れば完了検査を受けた建物であることがわかります。

 

2つの書類の活用のしかた

上記2つの書類が建築工事の「前」と「後」を証明する書類であると分かりました。では、2つの書類は具体的にどう活用していけば良いでしょうか。

例えば昭和56年6月の建築基準法改正の前後に建てられた中古物件について調査する場合、その建物が新耐震基準になっているかどうかを見極めるためにどちらの書類を見れば良いのかを確認しましょう。

建築計画概要書を閲覧すれば、建築確認申請時の内容によって「設計上の耐震強度」はわかります。しかし実際の建物の耐震強度は、建築後の検査済証か台帳記載事項証明書を見なければわかりません。

例題の中古物件の耐震強度が旧耐震基準か新耐震基準かを確認するには、台帳記載事項証明書を見るべきという結論になります。

 

現況との比較も大切

2つの書類を取得した後は、宅建業者としてさらに調査すべき点があります。

建築計画概要書と台帳記載事項証明書は「建物が新築された状態」が確認できる書類です。

しかしその後、所有者がリフォーム等を行っている場合もあるため、2つの書類を元に現況との相違点を調べる必要があるのです。

書面の記載内容と現況を比較し、相違点が多い場合には建築後に増改築がなされている可能性があります。以下のポイントにより建物の現況を確認しましょう。

  1. 敷地と建物の形状や位置関係が変更されていないか
  2. 地積・延床面積・階数に変更はないか
  3. 道路幅員・接面長など道路中心線からの接道に変更はないか
  4. 本来含まれない隣接地が申請されていないか
  5. 一戸建住宅を連棟式住宅としていないか
  6. その他、違法建築・既存不適格物件と見なされる変更はないか

 

まとめ

今回は建築計画概要書と台帳記載事項証明書の説明と、それぞれの活用方法について解説しました。

中古物件の調査は役所での書面と現地調査、両方とも同じように大切な調査です。

双方の調査結果をどちらも重視しつつ、より的確な不動産査定を行って売主様に正確な情報を提示しましょう。