住宅業界に押し寄せる働き方改革の波 業務の効率化が不可欠に

投稿日 : 2019年10月01日

法制度の改正などによって、住宅業界にとっても働き方改革に向けた取り組みが「待ったなし」という状況になってきています。他の業界よりも規制適用までの猶予期限が長く設けられていますが、先を見据えた対応が必要になってきているのです。

建設業は2024年4月1日から残業時間の上限を設ける

2019年4月1日から残業時間の上限規制の適用などがはじまりました。従来の法制度では残業時間の上限がありませんでしたが、原則として月45時間・年360時間という残業時間の上限を設けたのです。臨時的な特別な事情がなければ、この時間を超えて残業をさせることはできません。

ただし、中小企業は2020年4月1日から適用されることになっています。加えて、建設業は5年間の猶予期間が設けられており、2024年4月1日から適用対象になるため、多少の時間的な余裕があります。

しかし、建設業は全産業平均と比較して年間300時間以上の長時間労働となっており、他産業では一般的となっている週休2日も十分に確保されていないのが実情です。それだけに、5年間の猶予があるとはいえ、住宅業界も今から働き方改革を進めていくことが求められているのです。

労働時間の短縮を効率化でどうカバーするのか

残業時間の上限などが設けられることで、社員1人当たりの労働時間を短縮していくことが予想されます。単純に労働時間を短縮すれば、多くの場合、売上高も減少するでしょう。こうした事態を回避するためには、業務の効率化を進めていく必要があります。

ここにきて、住宅建築に関する業務をより効率化しようというツールやサービスなどが登場しています。例えば、スマートフォンなどを用いて、住宅建築に関係する事業者がコミュニケーションをとりながら、現場管理をより効率化するためのツールを活用することで、現場に行く回数を減らしながら工事品質を高めることができます。

また、ウッドステーションという会社では、工場で製造した大型パネルを用いることで、住宅建築を飛躍的に効率化させようと取り組んでいます。サッシまで組み込まれた木造のパネルを工場で製造し、現場で組み立てるだけで構造躯体が完成するというものです。

超高齢化社会の到来によって、日本の労働力人口は減少の一途をたどっています。1995年には労働力人口は8000万人を超えていましたが、それ以降は減少傾向が続いており、国立社会保障・人口問題研究所が発表した推計(出生中位推計)によると、2027年には7000万人に、2051年には5000万人にまで減少するそうです。

今後、人材獲得競争がさらに激化する可能性があります。働き方改革を進め、より人材を獲得しやすい環境を創造することが、これからの事業活動に大きな影響を及ぼすことが予測できるだけに、あらゆる業務の効率化を推進していくことが大事になってきそうです。

関連記事

働き方改革|住宅業界の重要キーワード100