空き地対策を支援 2020年度税制改正大綱決まる

投稿日 : 2020年01月03日

自民、公明両党は、2020年度税制改正大綱を決めました。全国的に問題となっている空き地をはじめ住宅関連でも様々な税制が打ち出されました。

全国的に増え続ける空き地の有効活用を税制面から支援します。

現行、5年以上所有する土地を売却して発生する売却益(譲渡所得)には、所得税と住民税が計20%かかります。

これだと、低価格でしか売れない土地でも売却益が出れば課税されるため、塩漬けにされるケースも多くあります。

2020年度税制改正大綱では、売却額が500万円以下の「低未利用地」については譲渡所得から100万円を控除できる制度を創設します。

例えば、現状では、500万円で土地を売却、取得費150万円のケースでは、350万円が譲渡所得になります。

これを現行制度で見ますと、この350万円の20%の70万円を税金として納める必要があります。

創設される制度では、譲渡所得から100万円を控除できるため、課税所得は250万円になります。

納める税金は50万円となり、20万円減らすことができる。これにより、低未利用地の流通を促す考えです。

家ごと売った場合も対象に含まれます。

所有者不明土地で利用者課税へ

所有者が分からない「所有者不明土地」も税制面で整備します。

所有者不明土地は、相続登記が行われないことなどで発生します。

これにより災害復旧・復興に支障が出るなどの問題が全国各地で起きています。

また、税金逃れとも指摘されている。固定資産税の納税義務者は原則、登記上の所有者です。

しかし、相続後、登記せずに土地などを利用しているケースもあり、新たな納税義務者を特定できないケースもあります。

新たな制度では、相続人が土地の登記をする前に、氏名や住所などの申告を自治体へ義務づけすることができるようにします。

また、固定資産税を徴収する自治体が、調査を尽くしても所有者が見つからない場合は、土地使用者を所有者と「見なし」、課税できるようにします。

賃貸住宅オーナーへの税逃れも是正

一部で“抜け道”として横行していた、不動産投資での消費税還付も見直します。

消費税は二重課税を防ぐため、売り上げにかかった税額から仕入れ分を控除できる「仕入れ税額控除」という制度があります。

仕入れに関わる消費税のほうが売り上げより大きければ、消費税は還付されます。

ところが、マンションやアパートといった居住用の家賃収入は非課税のため、仕入れに当たる賃貸住宅の建設・取得時の税額を控除できず、還付は受けられません。

ただ、課税売り上げと非課税売り上げを合わせた課税売上割合を大幅に増やせば、賃料などのような非課税売り上げに対応する課税仕入れも控除できるようになっています。

このため、賃貸住宅オーナーの一部では、金などの取引きで全体の売り上げをかさ上げし、不動産投資でも消費税還付を受ける“抜け道”が横行していのです。

今回の税制改正大綱では、「居住用賃貸建物」の課税仕入れについては、「仕入れ税額控除の適用を認めないと」し、“抜け道”を塞ぐ考えを示しました。

都市農地での新たな「農」と「住」の調和した、まちづくりを推進するための支援を税制面からも整備します。

農地内における一定規模(300㎡を想定)以上の開発行為などを原則不許可とする地区計画制度を創設し、 当該規制が適用される市街化区域内農地については、相続税・贈与税の納税猶予の特例を適用(三大都市圏特定市)します。

不動産取得税の徴収猶予の特例も適用(三大都市圏特定市)します。

老朽化マンションの再生を促すため、マンションの敷地売却・敷地分割に係る税制上の支援措置も整えます。

現在のマンションストック総数約655万戸(2018年末時点)のうち築後40年超は約81万戸あり、10年後には約198万戸と見込まれています。

国土交通省によると、団地型マンションの高経年化 ・マンション建替えの実績は累計で244件、約1万9200戸(2019年4月時点)にとどまっています。

このため、マンション敷地売却事業の税制特例の対象拡充や団地型マンションの敷地分割の円滑化のための税制特例を創設します。

組合の非収益事業所得に係る法人税、法人住民税、事業税及び事業所税の非課税措置を用意。

消費税・地方消費税では、資産の譲渡等の時期、仕入税額控除、 申告期限でそれぞれ特例を設けます。

その他の住宅関連税制としては、新築住宅への固定資産税減額や住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の特例措置をそれぞれ2年間延長。

認定長期優良住宅の普及促進を目的とした特例措置の2年間延ばします。

居住用財産の買換え等に係る特例措置や住宅リフォームでの固定資産税の減額も2年間延長します。

また、今後の税制改正の考え方を大綱に明記。住宅分野に関しては、「住宅市場に係る対策については、住宅投資の波及効果に鑑み、これまでの実施状況や今後の住宅市場の動向等を踏まえ、必要な対応を検討する」との表現にとどまりました。