タワマンの電源設備を浸水から守れ、国がガイドライン策定へ

投稿日 : 2019年12月20日

国土交通省と経済産業省は、タワーマンションの電源設備への浸水を防ぐためのガイドラインを策定します。ガイドラインを通じて、不動産デベロッパーや建設事業者、マンション管理組合などへ浸水対策を周知していきます。

10月の台風19号により、神奈川県川崎市のタワーマンションなどで地下の電源設備が浸水しました。それにより停電が発生し、エレベーターが使えなかったり、給水ポンプの停止による断水で、トイレが使えなくなったりしました。マンション居住者に多くの被害をもたらせました。


豪雨災害の後の様子

今回、台風被害のあったタワーマンションだけでなく、共用部・専有部の設備を動かすための電源設備が地下に設置されているマンションは多くあります。このため、両省は、有識者らでつくる検討会を立ち上げ、ガイドライン策定作業に入りました。両省は2020年3月をめどに、とりまとめる見通しです。

ガイドラインへの盛込みを検討している対策の1つとして挙がっているのが、建築物への浸水を防止する取組みです。例えば、止水板の設置やマウンドアップ(盛り土)などが案として挙がっています。また、仮に建築物への浸水があったとしても、電源設備への浸水を防ぐための取組も検討事項の1つとなっています。この場合、電源設備を浸水の恐れのない上階に設置することや水密扉の設置による防水区画の形成などが想定されています。

他にも、非常用電源の確保、浸水した電源設備の早期復旧に関する留意事項についてもガイドラインでは指摘するとみられています。また、既に電源設備への浸水対策を行っている事例を紹介する予定です。これから浸水対策を行うマンションにとっては貴重な情報となりそうです。

ガイドラインは、高圧で電力を供給し、高圧受電設備の設置が必要となる新築・既存の高層マンションを対象に策定されます。また、マンション以外でも、同様の設備を必要とするオフィスビルなども含まれます。

このガイドラインは、あくまでも注意喚起にとどまります。止水板設置などお金がかかります。それだけに、住民の水害への備えに対するコスト意識も、同時に高めていかなければなりません。「お金がかかるから、やらない」ではなく、「お金をかけても、対策する」。このような考え方を持つマンション居住者を増やすことも、ガイドライン以上に大切なことになります。

関連記事

高経年化マンション問題|住宅業界の重要キーワード100

地盤対策|住宅業界の重要キーワード100

ホームインスペクション|住宅業界の重要キーワード100