太陽光発電で新たなサービス提案が活発化

投稿日 : 2019年09月15日

太陽光発電の新たな可能性

2019年11月から、太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)の買取期間が終了する世帯、いわゆる“卒FIT世帯”が出てきます。

また、経済産業省では、今後、FITの買取価格を下げていきながら、制度自体の縮小を進めていく方針を明らかにしており、住宅用の太陽光発電をめぐる状況は転換期を迎えています。

米国で注目のTPOが日本でも登場

こうしたなか、太陽光発電に関する新たなサービス提案が活発化してきています。そのひとつが、初期コスト無しで太陽光発電を導入できる「第三者所有モデル(TPO)」。

TPO事業者が住宅や工場の屋根を借り太陽光発電を設置するもので、住宅や工場のオーナーはその太陽光発電で発電した電力を自家消費でき、余剰電力もTPO事業者に売電できます。その一方で、太陽光発電が発電しない曇天時・夜間は、TPO事業者が供給する電力を購入します。

米国ではTPOが太陽光発電の普及率を大きく押し上げたと言われており、今後、日本でも注目を集めることになりそうです。

太陽光発電モジュールの開発・製造などを行うネクストエナジー・アンド・リソースは、世界最大手電池メーカーであるContemporary Amperex Technology Co., Limited(CATL)と提携し、TPO事業者向けのサービスを開始する計画です。

具体的には、TPO事業者に向けて太陽光発電だけでなく蓄電池もセットで提供していきます。太陽光発電だけでなく蓄電池も導入することで、太陽光発電で発電した電力の自家消費を促します。このサービスを提供するために、従来の4分の1にコストを抑えた蓄電池もCATLと共同で開発しました。

所有ではなくレンタルで経済的な負担を軽減


参考:TEPCOホームテック、京セラがZEHや自家消費に対応する「エネカリ with KYOCERA」のサービスを開始

京セラと東京電力グループのTEPCOホームテックは、住宅に初期費用ゼロで京セラの太陽光発電システムや蓄電池の導入が可能なサービス「エネカリwith KYOCERA」を、2020年4月22日から開始します。

「エネカリ」とは、TEPCOホームテックが提供する太陽光発電システムなどのエネルギー機器や省エネ機器等を、初期費用の負担なく、毎月定額の機器利用料金を支払うことで自宅に導入できるサービス。エネルギー機器などを所有するのではなく、レンタルすることで経済的な負担を軽減しようという事業モデルです。

「エネカリwith KYOCERA」では、TEPCOホームテックの運用する「エネカリ」のスキームを活用し、京セラが太陽光発電システムや蓄電池を提供していきます。ユーザーは、初期費用の負担なく、京セラ製の太陽光発電システムや蓄電池を自宅に設置することが可能です。機器の種類や容量などに応じ、毎月定額の利用料金をTEPCOホームテックへ支払うことになります。

また、太陽光発電システムで発電した電気を自家消費することで電気料金を削減することができるだけでなく、余った電力で売電収入を得ることも可能です。あわせて蓄電池を導入することにより、太陽光発電システムで発電した電気をより有効に使えるようになるため、電力料金は大幅に削減されることが期待できます。

なお、10年間のサービスの契約終了後には、対象の機器は無償で譲渡されるます。

卒FIT向けサービスも

一方、NTTスマイルエナジーはパナソニックライフソリューションズと連携し、2019年11月から、卒FIT世帯向けの余剰電力買取プラン「エネPlus」の提供を開始します。

「エネPlus」の買取り価格は、1年間の限定ではありますが、kWhあたり最大16円(税込・消費税率10%・東京エリアの場合)。ちなみに、東京電力の卒FIT世帯向けの買取り価格は8.5円となっています。

買取り価格を高く設定している理由は、パナソニック製の蓄電池、NTTスマイルエナジーの太陽光発電遠隔監視サービス「ちくでんエコめがね」等の導入を要件としているため(蓄電池の購入は必須)。プレミアム価格で電力を高く買い取ることと引き換えに、蓄電池などの太陽光発電の自家消費に貢献する商材を導入してもらい、ここで収益を上げていこうという狙いです。

卒FIT向けのサービスは、既に大手ハウスメーカーも動き出している

例えば、積水ハウスは、自社が販売した住宅のオーナーを対象として太陽光発電の余剰電力を買い取るサービスを2019年11月からスタートさせています。FIT制度を利用しているオーナーから発生した電力を買い取り、それを事業用電力として活用する「積水ハウスオーナーでんき」サービスを行う計画です。買い取り単価はkWhあたり11円。

積水化学工業は余剰電力の売買サービス「スマートハイムでんき」を一部地域で開始しています。太陽光発電を搭載したセキスイハイムの住宅で発生し余剰電力を買取り、同社グループの事業活動への使用や発電機能を持たない他のセキスイハイム住宅に提供します。

買い取り価格は太陽光発電と蓄電池のついた住宅でkWhあたり12円。蓄電池のない住宅は9円となっています。

卒FIT世帯向けのサービスは、既存のエネルギー企業だけでなく、多くの企業が様々な提案を打ち出しています。大手ハウスメーカーのように、自社でサービスを構築することが難しい中小の住宅会社にとっては、こうした外部のサービスを活用し、卒FIT世帯に向けた提案を行うことが求められそうです。

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