中古住宅市場、築年数が古い住宅の需要が高まる
出典:住宅金融支援機構 公表資料より 中古住宅市場で築年数が古い住宅の需要が高まる傾向にあることが、独立行政法人 住宅金融支援機構の「2018年度フラット35利用者調査」で分かりました。
リバースモーゲージの本格普及に向けた兆しが見え始めています。
リバースモーゲージとは、自宅とその敷地を担保にして金融機関などからお金を借りることができる金融商品のこと。毎月の支払いは利息のみで、契約満期または契約者死亡時に元金を一括返済します。
現金で返済できない場合は、自宅とその敷地を売却して返済に充てます。持ち家はあっても年金収入が少なく、手元資金が少ない場合の資金調達方法として利点が大きいと言われています。
しかし、リバースモーゲージには「長生き」「担保不動産価値下落」「金利上昇」などによる担保割れリスクがあり、金融機関がその取り扱いに二の足を踏んでいました。
また、米国などに比べて日本でリバースモーゲージが普及していない大きな要因が中古住宅の建物の価値が適切に評価されないという点です。
日本では、建物の価値が約20年でゼロになってしまうため、リバースモーゲージの担保評価は実質的には土地のみが対象となります。地方では土地の担保評価額が特に低くなってしまうため、リバースモーゲージの提供にメリットを見いだしづらい金融機関も多かったというわけです。
(参考:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)リ・バーズ60より)
こうした状況に一石を投じたのが、(独)住宅金融支援機構のリバースモーゲージ型の住宅ローン【リ・バース60】。これは、リバースモーゲージの要素を取り入れた住宅ローンです。
対象は高齢者で、毎月の支払は利息のみで利用者死亡時に自宅と敷地で一括返済するという点はリバースモーゲージと同じ。ただし、融資資金の利用使途がリフォームや建て替え、住み替えなどに限定されます。
2019年4月から6月の利用実績は、前年度同期から226.5%増加の222戸となっています。取扱い金融機関数も56機関にまで増加しています。
【リ・バース60】では、一括返済などが見込めなくなると、(独)住宅金融支援機構から金融機関に保険金が支払われます。そのため、金融機関はリスクを軽減する形でリバースモーゲージ型の住宅ローンを提案できるのです。
バースモーゲージでノウハウを持つ金融機関や不動産事業者が、地方の金融機関と提携を結び、担保割れ時の保証サービスの提供などを行う動きも出てきています。
2005年からリバースモーゲージ「充実人生」の販売を行ってきた東京スター銀行は、地方の金融機関と提携を図り、担保割れ時の保証業務と商品・販売・審査・管理などのサポートを行うサービスの提供を拡大させています。
東京スター銀行のサポートを受けてリバースモーゲージを発売する地方の金融機関が相次いで登場してきています。
また、不動産事業を全国で展開するハウスドゥの連結子会社であるフィナンシャルドゥは、東京スター銀行と提携し、2019年11月より同銀行が提供するリバースモーゲージ「充実人生」(保証タイプ)に対する債務保証業務を行うことを発表しています。
日本でも本格普及の兆しを見せ始めたリバースモーゲージ。今後、超高齢社会の救世主となることが期待できそうです。