大手ハウスメーカー、長期保証や点検の無償化に活路を見出す|60年の長期点検無償化も

投稿日 : 2019年11月21日


パナソニックホームズは、住宅の構造躯体35年・防水30年の「35年あんしん初期保証」を開始

大手ハウスメーカーによる保証や無償点検期間の長期化に向けた取り組みが相次いでいます。

パナソニックホームズは保証期間を35年に

パナソニックホームズでは、工業化住宅業界で最長となる、住宅の構造躯体35年・防水30年の初期保証「35年あんしん初期保証」を2019年10月1日から導入しました。

「35年あんしん初期保証」は、タイル外壁、陶器瓦といった同社指定の仕様を採用した住宅を対象に実施するものです。

この仕様を採用した住宅については、構造躯体(構造耐力上主要な部分)について35年間、防水(雨水の浸入を防止する部分)について30年間にわたり初期保証を行います。

これによって、35年の住宅ローンを完済するまで初期保証を受けることができ、ローン返済途中に住宅の修復のための不要な出費が発生する不安を抑えることができるのです。

8万棟を超える高耐久なタイル外壁の販売実績と、既築住宅の解体による品質・性能の分析や設計改良を重ねることで、今回の初期保証の長期化が実現したそうです

加えて、構造躯体および防水の保証を最長60年まで延長する「60年長期保証延長システム」も用意しています。初期保証の終了後、一定期間ごとに当社が指定する有料メンテナンス工事を受けることを条件として、最長60年まで保証を延長します。

同社が住宅購入検討者に実施した調査によると、依頼先選定の重視項目1位が「信頼性」(49.7%)となっており、「長年安心して住めること」(46.3%)、「アフターサービスが安心」(45.9%)の回答も大きな割合を占めています。こうした調査結果から同社では、長寿命な住宅で長く安心して暮らしたいニーズが顕在化していると判断したそうです。

旭化成ホームズは建物の定期点検サービスを60年間無償化

旭化成ホームズでは、引渡し後の定期点検サービスの無償期間を30年から一気に60年にまで延長しました。

同社では、引渡し後、3カ月、1年、2年、5年、10年、15年、20年、25年、30年まで無料の定期点検サービスを実施してきました。30年目以降は定期点検を有料化していたのです。

しかし、今後、築後30年を経過するストックが増えていくことを考慮し、定期点検の無償期間を60年までに延長しました。同社のストック数は約28万棟ですが、既に築30年を超えるものが約5万棟に達しているそうです。

30年目以降については、5年毎に定期点検を実施していきます。

対応エリアは、関東、東海、関西、山陽、九州北部などの同社施工物件全エリア。主な点検内容は、基礎・外壁・防水の安全・耐久性に係る部分です。

まずは11月1日以降に契約した新築物件を対象にして60年間無償化を導入していきます。2020年4月を目途に体制を整え、35年目以降の点検を迎える居住者に点検の案内を送付し、希望に応じて無償で点検に対応していく考えです。

旭化成ホームズでは、定期点検の無償化に加えて、支払額軽減住宅ローンの取り扱いも開始しました。

これは新生銀行と共同で開発したもので、自動車の残価設定ローンのようなものです。借入元本の一部を最終回一括払いとすることで、月々の返済額を減らすことができます。

自動車の残価設定ローンは、数年後の売却予想額を差し引いた額で月々の返済額が変わりますが、この支払額減住宅ローンはあくまでも元本の一部を差し引く仕組みになっています。つまり、最終回の一括払い額よりも、売却時の査定額の方が高くなるケースが多いことが予想されます。

同時に「ロングライフ買取保証サービス」も開始しました。一定の条件を満たす建物と土地を売却する際に、6カ月間売却できない場合、買い取ることを約束します。しかも、一般的な査定額よりも高く評価されるスムストック査定額に独自の加算を加えた査定額で買い取ります。

対象となるのは、同社の「my DESSIN」という住宅です。この住宅は、将来の資産価値を見据え、普遍的でオーソドックスな暮らしやすい間取りと、厳選された設備を提案するもの。

先駆的な中小の住宅事業者が大手ハウスメーカー以上の性能を備えた住宅を提供するようになるなかで、大手と中小事業者の差が分かり難くなってきています。

こうしたなか、大手ハウスメーカーでは、住宅以外の部分での差別化を図ろうとしています。そのひとつがアフターサービスでしょう。

保証期間や無償点検期間の長期化を進めることで、「大手であれば住んでからも安心」という状況を創造しようとしており、「アフターサービスのブランド化」を実現しようとしているのです。

また、リフォームや住替え時の仲介など、ストック市場の開拓という点でもアフターサービスの拡充が大切な意味を持ってきます。保証期間や無償点検期間を長期化することで、居住者とのつながりを継続していくことで、ストック需要を開拓するチャンスは確実に広がります。

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