住宅減税額の平均は361万円|13年度から150万円近くも増加

投稿日 : 2019年11月07日/更新日 : 2023年06月08日

住宅減税額の平均は361万円|13年度から150万円近くも増加
一般社団法人 住宅生産団体連合会(以下、住団連)が実施した「2018年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」によると、住宅ローン減税制度の適用割合は83.3%、減税額の平均は361万円であるころが分かりました。

この調査は、主要都市圏における戸建注文住宅の顧客実態を明らかにするために毎年1回実施しているものです。

調査結果によると、戸建注文住宅の平均顧客像は、世帯主の平均年齢が40.9歳で、世帯主の年収は前年度から21万円減少し、874万円となっています。

平均建築費は前年度から70万円増加し、3605万円でした。住宅取得費の合計も29万円増加し、4918万円となっています。

自己資金の平均は16万円減少し1356万円。借入金年収倍率は前年度から0.15ポイント上昇し、4.65倍という状況です。

また、新たに建築した戸建注文住宅の性能については、長期優良住宅の割合が76.5%で前年度から4.6ポイントの減少。例年どおり名古屋圏が高く86.1%、大阪圏81.7%なのに対し首都圏は75.8%と前回より3.1ポイント伸びたものの依然として低くなっています。地方都市は69.6%。

なお、低炭素住宅は1.8%(前年度比0.2ポイント増)で14年度の調査開始以来、1%台で推移しています。

減税額500万円以上の人も12.4%に

こうした状況を踏まえて減税制度の利用状況をみていくと、減税制度の適用の割合は全体で83.3%となっており、若干低下したものの例年とほぼ同様でした。

減税制度の内訳は「住宅ローン減税(長期優良住宅)」が64.4%、「住宅ローン減税(一般住宅)」が30.3%、「投資減税型特別控除」が4.2%。一般のローン減税利用者が前年度比で5ポイントも増えています。

先述したように、減税額の平均は360.6万円で、前年度比25.2万円の減少。しかし、13年度が215.2万円であったことを考慮すると、近年、かなり減税額が大きくなっていると言えます。

今回の調査では、400万円以上の割合が31.9%となり、前回(30.7%)を超えて最多となっています。とくに500万円以上の人は12.4%にのぼっています。

制度別では、ローン減税の長期優良住宅型が371.1万円、一般住宅型は357.8万円、投資減税型特別控除は43.2万円でした。

都市圏別で減税額をみると、名古屋圏が300万円で、前年度の474万円から大きく減る一方で、東京圏は405万円(前年度370万円)、大阪圏は398万円(同373万円)といずれも400万円前後となっています。

なお、すまい給付金の適用については「あり」が23.4%で過去最多となりました。

住宅の取得金額が増加する一方で、年収が減少し、なおかつ低金利が続くなかで、戸建注文住宅を取得する顧客の借入金は増加する傾向にあります。そうしたなかで、各種減税制度の恩恵が今まで以上に大きくなってきており、減税制度、さらには公的な補助制度などの支援制度をしっかりと理解し、顧客ニーズに応じた提案を行うスキルが求められそうです。

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。