【フラット35】10月から新制度スタート|防災対策を行った住宅に優遇策
(独)住宅金融支援機構は、2019年10月から【フラット35】に関する新たな取り組みをスタートさせました。
出典:株式会社グッドフェローズ プレスリリースより
家庭用蓄電池システムを導入する住宅が増えています。(一社)日本電機工業会「JEMA蓄電システム自主統計 2019 年度上期結果」によると、2019年度上期の出荷台数は前年同期比2倍に。卒FITへの対応や災害対策が背景にあります。
日本電機工業会がまとめた「JEMA蓄電システム自主統計 2019年度上期結果」によると、2019 年度上期の出荷台数は前年同期に比べ約2倍増の5万3587台に上っています。2018年度は1年間で7万3594台です。2019年度は上期だけで前年度の7割を超える水準に達しています。2019年度の出荷台数は前年超が確実視されています。家庭用蓄電池システムを販売するハンファQセルズジャパンは「確実に市場が拡大しているという実感がある」と手ごたえを感じています。
増加基調の背景には卒FIT対策があります。太陽光発電などで生み出された再生可能エネルギーを国が、一定価格で買い取ることを約束する固定価格買取制度(FIT制度)は2009年に導入されました。住宅用太陽光(10kW未満)の電力買取期間は10年間であり、2019 年11月から順次買取期間が満了。それ以降は、自らで余剰電力を買取ってくれる先を探すことが必要になります。買取価格は、この先、どんどん安くなるとみられています。このため、電気を売るのではなく、太陽光発電から生み出された電力を、自分の住宅で使う「自給自足」の観点が広がっています。
住宅用太陽光発電一括見積りサイト「タイナビ」を運営するグッドフェローズは、自宅に太陽光発電を設置している全国のユーザー967人に「太陽光発電と卒FITに関するアンケート調査」を実施しました。この中で、「10年の売電期間が終了したら、あなたはどうしますか?」と尋ねたところ、54%の人が「蓄電池やエコキュートなどを購入して、自家消費する」と回答しました。
「自家消費」と回答した人の理由を見てみると、「震災を経験しエネルギー自給意識が高まったから」という声がありました。また、「昨年の台風による長期停電時に、昼間だけでも太陽光による発電の恩恵に授かることができたが、余剰発電分を蓄電し、夜間にも自家消費に回せるようにしたい」という理由もありました。エネルギーの自給自足への意識が高まっていることが、この調査結果からうかがえます。もちろん、「電気代を安く抑えたいから」など経済的なメリットを挙げる人もいました。
実際に蓄電池を設置している人に、購入理由を聞いたところ、47%が「非常用電源としての使用のため」と回答しました。その後、「光熱費削減のため(36%)」「売電期間が終了するため(13%)」が続きました。そして、蓄電池設置者に「蓄電池を購入したことに満足していますか」と質問したところ、86%が「はい」と回答しました。
消費者の目が蓄電池に向き出す中、メーカーの提案も活発化しています。
エリーパワーは、ハイブリッド蓄電システム「POWER iE5 Link」、可搬型蓄電システム「POWER YIILE 3」などの蓄電池のラインアップを拡充してきました。今年夏には非常時に最低限必要になるバックアップ電源に特化した仕様の「POWER YIILE HEYAシリーズ」(壁掛け式の「POWER YIILE HEYA」、可動式の「POWER YIILE HEYA S」)を商品投入しました。用途をバックアップ電源に絞ることで、蓄電池導入拡大の課題として指摘されている価格面のハードルを下げました。価格は70万円程度と、100万円を大幅に下回っています。
エクソルは蓄電池に加え、太陽光発電も合わせて災害対策に特化した「レジリエンスパック」の提案を行っています。蓄電池は通常よりも容量が少ない2.3kWを採用しました。太陽光発電の発電容量も通常より小さい1.3kWとしたことで、価格は蓄電池と太陽光発電を合わせて100万円程度で導入できるようにした。
災害時でも普段どおりの生活を送りたいといったニーズもあります。出てきており、これに対応した商品提案をしているのが、ハンファQセルズジャパンです。停電時の蓄電池からの電力供給は、予め設定した家電だけというのが一般的です。ハンファQセルズジャパンが田淵電機と連携して投入した新型蓄電システム「EIBS7(アイビスセブン)」は、予め設定する必要がありません。自立運転時の最大出力は、5.5kVAあり、冷蔵庫・照明・テレビなどの100V電化製品だけでなく、エアコン・IH調理器などの200Vの電化製品も使用可能となっています。
低価格で現在注目されているのが、電気自動車などを手掛けるテスラ製の蓄電池です。米国テスラの日本法人テスラモーターズジャパンは停電対策へのニーズも想定し、家庭用蓄電システム「Powerwall(パワーウォール)」を2020年春に発売する計画です。蓄電容量は4人世帯の約1日分の電力消費量に相当する13.5 kWhの大容量でありながら、価格は99万円に抑えています。
今後、蓄電池はさらに広がりを見せるのでしょうか。グッドフェローズの調査によると、蓄電池を保有していない人に、「蓄電池は欲しいですか?」と聞いたとこと、69%が「はい」と答えています。また、「蓄電池を購入するとしたら、どのような蓄電池が欲しいですか?」と質問したところ、54%が中規模蓄電池(5kWh程度)でした。と回答しました。この結果から、停電発生時には半日分の電力を賄えれば安心だと考える人が多いことがわかりました。
蓄電池設置台数の増加で、リフォーム工事も増えています。また、新築でもレジリエンス機能を強調した商品を住宅メーカーでは相次いで投入しています。既存、新築それぞれから蓄電池は注目されています。
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