大阪市で「特区民泊」を活用した事業に動き出す住宅メーカー相次ぐ

投稿日 : 2020年01月02日


出典:パナソニック ホームズリリース資料より

大阪市の「特区民泊」を活用した事業に動き出す住宅メーカーが相次いでいます。パナソニック ホームズが市内で施工した宿泊施設が今月オープン。大東建託も事業に乗り出しています。大阪市内をはじめとした関西圏はインバウンドを背景に、宿泊需要が増えています。営業日数の制限などのある民泊に比べ、自由度の高い特区民泊での事業を展開することで、土地活用の提案の幅を広げる狙いです。

旺盛なインバウンド需要を背景に、全国各地で宿泊施設も増加しています。いわゆる民泊新法の施行で、住宅を宿泊施設として提供する「民泊」が、新たな土地活用として注目されています。ただ、宿泊の営業日数が180日などの制限があるため、事業の採算性で二の足を踏むケースも少なくありません。パナソニック ホームズが既に宿泊事業を展開している東京でも、土地の有効活用としてオーナーが手掛ける民泊は旅館業の位置付けです。

国家戦略特区での特区民泊では、営業日数の縛りがありません。また、旅館業だと、建築基準法上「ホテルまたは旅館」の扱いのため、住居専用地域での建築はできないが、特区民泊になると、共同住宅などの扱いになるため、住居専用地域での建築も可能となります。民泊事業を展開する上で足かせになる「旅館業」と「民泊新法」の課題をクリアしたのが「特区民泊」ということになるわけです。


『BON Condo Namba Nipponbashi』外観

パナソニック ホームズが、大阪市の特区民泊を利用した宿泊事業は、同社グループがオーナーから土地・建物を一括借り上げの上、宿泊事業者へ転貸する独自の事業スキーム「インバウンド・リンクシステム®」を採用しています。将来的には賃貸マンションへの転用を可能とする設計にしており、需要変動のリスクにも対応しています。

同市中央区日本橋に、第1号の施工請負実例として開業した「BON Condo Namba Nipponbashi(ボンコンド なんばにっぽんばし)」では、子会社のパナソニック ホームズ不動産が、30年間一括借り上げし、特区民泊を運営する「REAH Technologies(リアテクノロジーズ)」へ10年間転貸するスキームを組んでいます。

大東建託は8月から、大阪市の特区民泊エリア限定で、民泊事業の高い収益性と賃貸事業の長期にわたる安定性をあわせ持つ、「民泊活用型一括借上システム」の提供を始めています。オーナーは、同社と連携する民泊運営事業者と建物賃貸借契約を締結し、賃料収入を得ます。民泊事業は10年が基本。それを過ぎると、オーナーは、賃貸住宅事業へ移行し、大東建託グループが、建物を一括で借り上げるというスキームです。同社は、2020年度までに年間30棟の販売を目指しています。

大阪府での外国人宿泊者数は、東京都に次いで2位です。今後、万博などもあり、多人数向けの宿泊施設を中心に需要の高まりも見込まれています。このため、特区を使った民泊事業への展開を検討する他の住宅メーカーも出てきそうです。