ツーバイフォー住宅

投稿日 : 2020年01月05日/更新日 : 2023年06月06日

2×4住宅の着工戸数と新設住宅着工に占める割合

出典:国土交通省

住宅だけでなく非住宅分野でも存在感

キーポイント

▶2×4住宅のシェアは12%台に

▶耐火構造の認定も取得

▶国産材も活用しやすくなった

1974年、北米発祥のツーバイフォー工法が我が国において一般工法としてオープン化された。パネルを組み立てるという合理化工法であるとともに、耐震性、耐火性、省エネ性など多くの優れた性能を備えていることが大きな特徴だ。

オープン化以降、我が国の住宅市場のなかで着実に普及し、06年には年間の新設着工戸数が10万戸を超え、11年には累計の着工戸数も200万戸を突破した。また、シェアについても88年には2%に満たなかったものが、09年には11.6%と1割を超え、12年以降は12%台をキープしている。

耐火建築物に広がり4階以上も115棟に

近年、2×4業界では耐火構造物としての認定を取得し、その用途への事業展開を進めている。

(一社)日本ツーバイフォー建築協会は、04年にカナダ林産業審議会と共同で2×4工法による「耐火構造建築認定」を取得した。これにより防火地域での2×4住宅(100㎡超)や4階建ての共同住宅、さらに商業施設などの建設が可能になったのである。

一方、非住宅分野の木造化が進むなかで、さらなる高層化も求められていた。

そこで同協会は16年に国立研究開発法人建築研究所と共同で、茨城県つくば市の同研究所敷地内に6階建ての実大実験棟を建設した。さらに同年「2時間耐火構造」も取得している。

同協会によると、2×4工法の耐火建築物(大臣認定仕様使用承諾の発行)は19年3月末時点で累積3695棟に達している。建築用途別にみると、戸建住宅が2163棟と最も多いが、共同住宅等1240棟、福祉関係160棟、学校・幼稚園・保育園22棟、医療関係34棟、商工業施設76棟と、非住宅分野への拡大が進んでいる。また、階層別にみると、1~3階建てが3580棟であるが、4階建て以上も115棟に達している。

こうした取り組みの一方で、国産材の活用も推進する。15年に2×4工法用の構造材に関するJASが改定され、国産のスギなどの強度が適正に評価されたことで、カナダのSPF材などと同じように2×4工法で国産材が扱いやすくなった。

北米から導入した2×4工法は、日本で独自の発展を続けている。

これからどうなる?
非住宅分野の木造化にフィールドを拡大

国をあげて木材の利用促進が進められるなか、非住宅建築物の木造化が着実に進みつつある。2010年の木材利用促進法により公共建築物の木造化が進められる一方で、民間市場においてもその取り組みが加速しているものだ。

CLTなど新たな材料も登場しているが、この市場を牽引しているのは2×4工法といっても過言ではない。同工法は確実に事業フィールドを拡大しつつある。

Housing Tribune編集部(創樹社)提供

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。