在来木造住宅

投稿日 : 2020年01月05日

在来木造住宅の着工戸数と新設住宅に占める割合

出典:国土交通省

伝統の在来木造住宅に進化の波

キーポイント

▶シェアは43.5%と4年連続の増加

▶根強い木造志向

▶地域振興の中心的役割に期待

我が国の戸建て住宅の多くを占めるのが木造住宅である。

2018年の新設住宅着工戸数94万2370戸のうち木造住宅は53万9394戸であり、57.2%を占める。ここ10年ほどは50%台半ばで推移してきたが、15年から4年連続して増加しており、57%に達した。

さらに、この53万9394戸のうち、伝統的な在来工法による木造住宅は40万9873戸となっている。

新設住宅着工戸数全体に占める割合は43.5%で、やはり15年から4年連続して増加している。

戦後、プレハブ工法が登場し、2×4工法が導入されたことで、伝統的な在来軸組構法はそのシェアを下げてきた。

しかし、日本人の根強い木造に対するニーズに支えられ、在来木造住宅は現在においてもプレハブ住宅や2×4住宅をはるかに凌ぐシェアを持つ。

農林水産省の「森林資源の循環利用に関する意識調査」(2015年)によると、「新たに住宅を建てたり、買ったりする場合、どんな住宅を選びたいか」との問いに、「木造住宅(昔から日本にある在来工法のもの)」と回答した割合は51.9%と約半数を占めた。在来木造住宅に対するニーズの高さがうかがえる。

地域の事業者連携やZEHの取り組みなども加速

この在来木造住宅の供給を担っているのが地域の中小規模の工務店である。

従前、大手企業に比べてブランド力や商品開発力、技術開発力の面で水をあけられていると指摘されてきた。さらに市場の縮小や経営環境の悪化で事業撤退も続いている。

この在来木造住宅業界で新たな流れが起こっている。地域密着の強みを生かし、林業や木材産業などと連携して地域経済活性化のなかで事業を展開する例が出てきている。また、ZEHの取り組みなど大手企業を凌ぐ性能追及の動きもある。

なかでも注目されるのが大型パネルを導入するなどの合理化の流れだ。職人不足への対応が大きなテーマとなるなか、在来木造住宅においても工業化を取り入れて現場生産を合理化するとともに、品質確保を狙うものである。住宅産業が大きな節目を迎えるなか、伝統的な在来木造住宅業界が進化の段階を迎えている。

これからどうなる?
現場生産の合理化が大きなテーマに

職人不足への対応が待ったなしの状況を迎えている。野村総合研究所では、2015年に35万人であった大工人数は2035年には21万人となると予測している。こうしたなかで注目されているのがウッドステーションが中心となり進めている大型パネルの導入だ。在来木造住宅に工業化手法を導入し現場の生産性を向上させる。今後、在来木造の生産性をいかに高めていくかが大きなテーマとなっている。

Housing Tribune編集部(創樹社)提供