スマートホーム(スマートハウス)

投稿日 : 2020年01月09日/更新日 : 2023年06月05日


住宅内のあらゆるものがIoT化され ることで、スマートホームはエネル ギーマネジメントだけでない価値を 提供し始めている。画像はスマート ホームのインターフェイスとして注 目を集めるスマートスピーカー 「Amazon Echo」

エネマネから多様なサービスの提供へ

キーポイント

▶IT技術を使って住宅のエネルギー消費量を最適化

▶提供する価値はエネマネだけではなくなっている

▶生活サービスなどでキラーアプリの創出が普及のキー

「スマートホーム(スマートハウス)」について明確な定義はないが、IT技術等を使って家庭内のエネルギー消費量を最適に制御する住宅と捉えられている。

太陽光発電システムや燃料電池、蓄電池などの創エネ、蓄エネ設備や住宅設備機器、家電など、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)などを通じて連携させてコントロールし、エネルギーマネジメントを実施。住宅の省エネ化を実現し、CO2の排出を削減する。

住宅のスマート化を図ることで、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅も可能になる。東日本大震災に伴う原発事故によって日本のエネルギー政策は大幅な見直しを迫られた。エネルギーの統合管理を実現する「スマートホーム」の普及が期待されている。

一方で、最近はIoTやAIの導入で、スマートホームにおいて、エネルギーマネジメントはサービスの一つになってきている。例えば、センサーを活用した見守りサービスや、スマートロックを活用した不在宅への家事支援サービスなど、新たなスマートホームのかたちが提案されてきている。

機器が自立動作するスマートホームが登場

IoTやAIの導入で、自立して動作するスマートホームも実現しようとしている。現在、家庭内のものが次々とインターネットに接続されIoT化されたスマートホームの開発が進められている。ただし、現時点では、スマートフォンやスマートスピーカーを通じて人がIoT化されたものに対して指示を送るという段階だ。

しかし、ここにきて、IoT化されたものが人の手を介さずに自立して動作するスマートホームが現実のものになろうとしている。

例えば、2019年に米国ラスベガスで開催された、世界最大級のITカンファレンス「CES(シーイーエス)」で、韓国のエレクロトロニクスメーカーLGがその端緒となる発表を行った。ロボット掃除機と手持ちの掃除機をIoTのネットワークでつなぐ。そのうえで、ロボット掃除機が手持ちの掃除機の動作を見て、AIで判断して動作を行う。手持ちの掃除機がリビングを掃除していたら、まだ掃除していないベッドルームに向かうというような具合だ。世界でこうしたサービスが出てきたことで、今後、日本でも人の手を介さずに自立して動作するスマートホームが現実のものになる可能性がある。

これからどうなる?
キラーアプリの創出が課題

スマートホームの開発は進められているが、一般に広く普及するというところまでは達していない。その大きな理由は、多くの一般家庭ではスマートホームにする必然性を感じていないためだ。

必然性を感じてもらうためには、「こんなサービスがあったらいいな」「こんなサービスなら便利だな」というレベルでなく、「これがないと困る」という高いレベルのキラーアプリが求められる。現状、これぞというものは出てきていないが、生活者の課題を解決する提案をいかに行えるかが、重要になるだろう。

Housing Tribune編集部(創樹社)提供

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。