不動産テック

投稿日 : 2019年12月15日


SREホールディングス(前ソニー不動産)は独自に開発したAIを応用した「不動産価格推定エンジン」を開発。近隣物件の取引実績や、様々な周辺環境に関するビッグデータをAIで解析し、不動産の成約価格を推定

不動産分野へのテクノロジー導入で、既存住宅流通を活性化

キーポイント

▶不動産分野にテクノロジーを導入

▶利便性や営業効率を高める新サービスを創出

▶既存住宅流通の活性化に期待が高まる

 
不動産テックとは、Real Estate(不動産)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語。不動産事業にインターネット、ビッグデータ、AIなどのテクノロジーを導入することによって創出されるサービスの分野を言い、他にはリアルエステートテック、Reテックなどと呼ばれている。近年、欧米を中心に活発化してきており、日本でも注目を集め始めている。

欧米では、2014年ごろからファイナンスにITテクノロジーを導入したフィンテック(Fin Tec)に対する関心が高まり、投資家から多額の資金が流入して無数のフィンテックベンチャーが登場。従来の金融業界を大きく変えつつある。

ITを導入し変革をもたらす動きは、○○Techとして、他の業界にも波及。例えば、健康分野では、ヘルステック(Health Tech)、広告分野では、アドテック(Ad Tech)、教育分野ではエドテック(Ed Tech)などが登場してきている。中でも欧米では不動産テックへの投資がフィンテックに次ぐ規模になってきており、成長分野として期待されている。

不動産事業を情報産業と捉えれば、ITの親和性が高く、不動産テックが成長分野であることが分かるだろう。

成約価格推定サービスやAIチャットなどを実現

日本で提供されている具体的な不動産テックのサービスとして、例えば、既存住宅の販売価格推定サービスがある。既存住宅の成約価格を不透明だと思っている消費者は多く、既存住宅流通を妨げている一因となっている。こういった課題の解決を図るために、提案されているのが既存住宅の価格査定サービス。近隣物件の取引実績や、様々な周辺環境に関するビッグデータをAIで解析し、不動産の成約価格を推定し、ネット上などで提供する。SREホールディングス(前ソニー不動産)やリブセンス、リーウェイズなどがサービスを提供している。

また、消費者との営業上のやりとりにネットやAIを導入する取り組みも活発化している。例えば、ネットを活用し無店舗でサービスを提供するという新たな不動産仲介サービスが登場している。物件の提案や質問の受付などは、すべてネットのチャット上で実施するため、実店舗が必要ない。チャットでの対応にはAIを利用する。

営業や問い合わせに対して、AIによるチャットを導入する動きは大手不動産仲介会社などへも波及してきている。不動産事業の営業効率や利便性の向上を図れるだけに、今後も広がっていく可能性がある。

これからどうなる?
不動産情報共有プラットフォーム構築で新サービスの創出に期待

不動産に関わる情報をネットワークを介して複数の事業者で共有する「不動産情報共有プラットフォーム」の構築に向けた動きが活発化、不動産テック企業や大手ハウスメーカーなどが取り組みを進めている。同プラットフォームを通じて、業務の効率化のほか、賃貸契約のオンライン完結、おとり広告問題の解消に向けた新サービスの創出など、様々な可能性が期待されており、今後の動向に注目が集まる。

 
Housing Tribune編集部(創樹社)提供