定期借地・定期借家制度
パナソニックホームズは2018年7月、さいたま市桜区で全6戸の木造住宅による定期借地権付分譲住宅「パークナードテラス 桜区大久保」を分譲
Airbnbは異業種と連携し、民泊を核にした体験価値を提供する「Airbnb Partners」を立ち上げた
キーポイント
▶訪日外国人の受け皿として民泊に期待が高まる
▶2018年、新たな枠組み作る新法が施行
▶民泊事業への参入が活発化
2014年頃から急激に日本への外国人観光客が増え、ホテルや旅館など既存の宿泊施設だけでは宿泊ニーズに対応しきれなくなりつつある。そこで、その受け皿として期待が高まっているのが民泊だ。
民泊はこれまで旅館業法に基づく「簡易宿所」として営業するか、地域を限って認める「特区民泊」で展開するのが原則だった。しかし、こうした枠組みの外で違法民泊が横行、一定のルールが必要との声が挙がっていた。こうした声を受け、18年6月15日、「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行。「簡易宿所」でも「特区民泊」でもない新たな民泊の枠組みが創設された。新法による民泊の届出数は1万5720件(19年4月15日時点)。新法施行で、民泊事業への参入が相次いだ。
たとえば、LIFULLは楽天と共同で楽天LIFULLSTAYを設立、民泊新法施行後、民泊仲介サイト「VacationStay」などを運営し、民泊に関するプラットフォーム事業を展開している。
さらに、楽天LIFULLSTAYと楽天は、導入のコンサルティングから、施設のブランディング、清掃などの運用までを一括して請け負う民泊・簡易宿所向けのブランディングおよび運用代行サービス「Rakuten STAY」も提供。不動産オーナーに対し、楽天がブランド「Rakuten STAY」を貸与し、楽天LIFULLSTAYが、導入のコンサルから施工までをサポートする。
民泊利用者の多くが外国人ということもあり、今後は民泊をベースに日本の文化などを伝えるサービスの提供も進むとみられる。たとえば、世界最大の民泊マッチングプラットフォームサイトを運営するAirbnbは民泊事業で日本企業とパートナーシップを結び、「Airbnb Partners」を立ち上げた。
参加企業には、損害保険会社や家具小売店、住宅・不動産事業者、IT・通信事業者、家電量販店、航空会社、金融機関、イベント企画会社などの多種多様な分野の事業者が顔を揃える。パートナーシップを通じて、民泊に関連して様々なサービスを提供することで、民泊施設の快適性や利便性の向上を図る。
外国人旅行者の増加などに伴い、民泊事業への新規参入が増えている。それだけに、利便性と付加価値を高めるために、業種を超えて協業した取り組みは今後さらに加速していく可能性がある。
Airbnbは「Airbnb Partners」を通じて、日本の伝統文化やポップカルチャーを体験できるプログラムを提供している。
民泊に宿泊する旅行者は、一般的なホテルなどの宿泊施設では得られない日本の暮らしや文化を民泊に求める人が多い。それだけに、民泊を核に様々な「体験価値」を提供し、利便性や快適性だけでない一味違う宿泊施設の提供が、民泊市場拡大の鍵を握るだろう。
Housing Tribune編集部(創樹社)提供