住宅瑕疵担保履行法
欠陥住宅を消費者目線で救済
縮小傾向が続く新築の持家市場
出典:国土交通省
キーポイント
▶消費税10%を前に市場に不透明感
▶人口・世帯数の減少から市場はシュリンク
▶新築縮小を見据え新たなビジネスモデルの構築を
1970年代には70万戸前後あった持家の着工戸数は、多少の増減はあるものの一貫して減少傾向が続いてきた。
一つのターニングポイントとなったのが97年の消費税率の引き上げである。駆け込み需要により前年は64万戸を超えたものの、97年は反動減により前年比25.6%もの減少となった。
以降、01年には40万戸を切り、09年にはリーマンショックの影響により同10.6%減の28万4631戸と、ついに30万戸を切った。そして、14年に再び消費税率が引き上げられて以降、30万戸弱の推移が続いている。
19年10月には消費税率が10%に引き上げられる予定だ。国が景気への影響を抑制するために住宅対策を相次いで打ち出したこともあり、2月現在まで、それほど大きな駆け込み需要は発生していないが、消費税率10%を前に市場には不透明感が漂っている。
消費税率10%引き上げが、前回、前々回ほどの影響がないとしても、人口・世帯数の減少などから、今後、持家市場が大きく拡大するとは考えづらい。また、若年層の所得減少により、持家を持ちたくても持てない人が増えてくることも予想されている。
その一方で、住宅ストックは年々増え続けており、空き家数も2013年時点で818万戸にまで増えている。
市場の構造が変わるなか、新築に依存してきたビジネスモデルからの脱却が待ったなしの状況となっているのである。既にあるストックをどのように活用し、どのような新たなビジネスモデルを生み出していくかが問われている。
野村総合研究所の予測によると、持家の新設住宅着工戸数は今後も漸減を続け、2030年には20万戸にまで減少するという。さらに単世帯は増加を続け2030年には2000万世帯を超え、夫婦と子世帯は減少を続ける。結婚して独立し、子どもが生まれたら持家をという、これまで描かれてきた住宅すごろくの構図は通用しない。画一的でない居住スタイルの提案が求められよう。
Housing Tribune編集部(創樹社)提供
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