新設住宅着工戸数

投稿日 : 2020年01月03日/更新日 : 2023年06月06日

ストック時代に、新築依存からの脱却を急げ

キーポイント

▶新設住宅着工戸数は減少傾向に

▶消費税率10%のインパクトが懸念

▶新築依存からの脱却が鍵

新設住宅着工戸数は、国土交通省が毎月公表する全国の住宅の着工数で、住宅市場の「現状」を把握するための重要な指標となっている。

新設住宅着工戸数は、高度成長期に増加を続け1973年に190万戸を超えてピークを迎え、以降も80年代後半〜90年頃のバブル期には160万戸台と高い水準で推移した。

しかし、平成に入り市街化区域内農地の宅地化による賃貸住宅市場の活発化、数回にわたる経済対策、低金利政策などプラス要因はあったものの、長期的には減少傾向を続けた。

構造計算書偽装問題をきっかけとした07年の建築基準法改正による行政審査の煩雑化などが着工戸数を大幅に引き下げ、さらに09年にはリーマンショックによる景気低迷の影響を受け着工戸数はついに100万戸を切った。

以降、80万〜90万戸台の水準が続いている。

新築住宅着工戸数の推移


出典:国土交通省

新築市場縮小は必至、60万戸時代も間近

18年の着工戸数は、94万2370戸で、前年比2.3%減となった。

持家は同0.4%減と2年連続の減少、貸家は低迷が続き同5.5%減、分譲住宅はマンション減少が影響し同3.8%減である。

人口や世帯数の減少、ストック数の充実などを背景に長期的に着工戸数は減少が予測される。野村総合研究所では、20年に77万戸、25年に69万戸、30年には60万戸に減少していくと見込んでいる。

このように新築市場がシュリンクしつつあるなか、住宅産業界には新築マーケットに依存しない新たなビジネスモデルの構築が求められよう。

これからどうなる?
消費税10%時代に向けた新たな住宅産業の構築を

2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げが今後の着工戸数に大きく影響を及ぼしそうだ。住宅ローン減税の拡充や次世代住宅ポイントなどの対策が打たれ、駆け込み需要・反動減は従来ほど大きくないと見込まれている。ただ、高額な住宅の取得において1割の税率は大きい。新築市場のシュリンク、消費税率のアップなど新たな時代における住宅産業の構築が急がれる。

Housing Tribune編集部(創樹社)提供

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。