建材トップランナー制度

投稿日 : 2019年12月22日

省エネ性能に優れた建材開発を促進

キーポイント

▶高性能な断熱材、サッシへのシフトを促す

▶省エネ性能に表示で消費者にもわかりやすく

▶吹き付け硬質ウレタンフォーム断熱材も対象に

 
1999年にスタートしたトップランナー制度は、既に商品化されている製品のなかで最も省エネ性能に優れているもの(トップランナー)の性能値を目安に、それぞれの製品ごとに目標基準値を定め、目標年度以降にその基準値のクリアを事業者に求めるもの。

スタート当初は家電や住宅設備機器などのエネルギー消費機器を対象にしていたが、13年の改正省エネ法の成立で、建材も対象に加わった。グラスウール断熱材、ロックウール断熱材、押出法ポリスチレンフォーム保温材という3種類の断熱材を対象に、建材トップランナー制度がスタートした。当時のトップランナー製品の性能値に、今後の技術開発などによって見込める効率改善値を上乗せするかたちで基準値を設定し、22年度までにクリアすることを事業者に求めた。

14年11月には窓を構成するサッシと複層ガラスも建材トップランナー制度の対象に加えられている。サッシは、アルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシが対象で、ガラスは複層ガラスを対象とした。22年度までに加重平均値が目標基準値をクリアすることを事業者に求めた。

同制度では、製造事業者などに性能表示も課している。省エネ性能をカタログなどにわかりやすく表示することで、消費者が性能の高い製品を選びやすくする環境を整える狙いだ。

現場発泡断熱材など対象がさらに拡大

17年10月、現場で吹付ける硬質ウレタンフォーム断熱材も建材トップランナー制度に加わった。吹き付け硬質ウレタンフォーム断熱材の場合、断熱材の製造者は原液メーカーではなく施工業者になる。ただし、施工業者は吹付けの施工品質の管理は行うが、原液の成分改善による性能向上には関与できない。

一方、建材トップランナー制度の対象は、断熱材の製造業者となるため、断熱材ではない原液を建材トップランナー制度の対象にすることはできない。そこで、現場吹付けの硬質ウレタンフォーム断熱材については、「準建材トップランナー制度」を導入。対象事業者を硬質ウレタンフォームの原液メーカーとし、建材トップランナー制度のように、省エネ法に基づく勧告や公表、命令などはできないものの、13年度までの目標基準値などを公式に設定し、性能改善を促す。

加えて、現在、硬質ウレタンフォーム断熱材(ボード品)を建材トップランナー制度の対象に加える検討も進められている。26年度を目標年度とし、主に一般住宅・建築物の天井・壁・床の断熱に使われている「2種」については、普及品または高付加価値品のトップランナー値から性能改善及び目標年度のシェアを考慮する案が示された。

これからどうなる?
トップレベルの建材開発競争が激化

トップランナー制度では、メーカーに省エネ性能の表示も課している。

建材の省エネ性能を比較できる環境が整うことで、消費者が建材を選択するうえで、省エネ性能の高さが決め手になる可能性が高まるだけに、断熱材や開口部のメーカー間でトップレベルの高性能な製品の開発や提案の競争が激化しそうだ。

 
Housing Tribune編集部(創樹社)提供