住宅の品質確保の促進等に関する法律

投稿日 : 2020年01月02日

瑕疵保証、性能表示、紛争処理が3本柱

キーポイント

▶取引ルールを定める民法の隙間を埋める

▶性能表示で欠陥住宅問題の不安解消へ

▶トラブルを裁判によらず解決

1990年代に発生した欠陥住宅問題をきっかけに、住宅の品質や性能確保を目的として00年に制定。いわゆる「品確法」と呼ばれる。

柱は大きく、①瑕疵保証(瑕疵担保責任の特例)②性能表示(住宅性能表示制度の創設)③紛争処理――の3つ。

①の瑕疵保証は、それまでの民法と宅地建物取引業法による瑕疵担保に関する規定では、買主保護の視点が十分でなかった点を考慮して設けられた。例えば民法では買主の不利な特約を結ぶことも可能だった。宅地建物取引業法では、不利な特約は認められなかったが、売主が瑕疵担保責任を負う期間を特約で定めることができていた。品確法では、買主を保護するため、新築住宅で、10年間の瑕疵担保責任を住宅供給側に義務付けた。

②の性能表示は、欠陥住宅の問題などから、住宅性能評価への不安を解消するために設けられた。性能表示は、「構造の安定」や「火災時の安全」から「空気環境」、「防犯」まで10項目ある。

住宅事業者が性能表示制度を使う場合、専門の第三者機関が客観的な立場から評価する。新築住宅の場合は「設計住宅性能評価」と「建設住宅性能評価」の2段階となる。既存住宅だと「建設住宅性能評価」だけとなる。

紛争処理体制のイメージ


出典:(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター

ADRで紛争処理を迅速に解決

買主と事業者とでトラブルが発生した場合、裁判という方法をとらず、迅速、円滑に紛争を解決するために整備されたのが③の紛争処理だ。全国の弁護士会(52会)に設けられた住宅紛争審査会で、建設住宅性能評価書が交付されている住宅や住宅瑕疵担保責任保険が付いている住宅のトラブル処理に当たる。いわゆるADR(裁判によらない紛争解決手続)の1つだ。審査会では、あっせん・調停・仲裁を行っている。

前掲した「住生活基本法」が住宅政策の根本的なありようを規定しているのに対して、品確法は住宅を利用する生活者側に立った法律と言えよう。09年に施行された「住宅瑕疵担保履行法」は、まさに品確法の「瑕疵保証」がベースになっている。

これからどうなる?
2020年の改正民法施行による変更点に留意を

品確法で規定する瑕疵保証は、私人間などの取引ルールを定める民法の隙間を埋める形で規定されている。2020年に改正民法が施行され、品確法も少なからず影響を受ける。

民法では債権分野が大きく変わり、例えば欠陥のある状態を示す「瑕疵」という用語が廃止され、「契約の内容に適合しない」(契約不適合)という用語になる。品確法では施行後も、瑕疵という用語を使うが、改正で「瑕疵」の定義が明確化。「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない状態」とした。改正民法では、請負・売買契約ともに債務不履行責任の時効の統一なども図られたことから、住宅メーカーは改正点への留意が必要だ。

Housing Tribune編集部(創樹社)提供