住宅瑕疵担保履行法

投稿日 : 2020年01月03日

欠陥住宅を消費者目線で救済

キーポイント

▶新築住宅で資力確保を義務付け

▶事業主の倒産でも買主が守られる

▶事業者ベースでは保険選択が大半

住宅事業者に瑕疵担保責任が生じた場合の資力確保を義務付けた法律である。2000年に施行された品確法で「瑕疵責任」を規定するまでは、住宅の引き渡し後のトラブルは民法や宅地建物取引業法を使って解決していた。買主に不利な特約も認められるなど、買主側の保護という観点からは不十分であった。また、修補義務もなかった。そこで、買主保護を明確にするため、品確法では事業者の瑕疵担保責任を設け、購入・建築した新築住宅に構造上重要な部分などに瑕疵(欠陥)があった場合、売り主側が10年間無償で修理を行うことを義務付けた。

もっとも修理をするためには売り主の資力の有無が重要となる。05年に表面化したマンションの構造計算書偽造問題で、多くの瑕疵が見つかったが、事業者の資金不足から、瑕疵担保責任が絵に描いた餅になるケースも散見された。

こうした問題を踏まえて、住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行確保等に関する法律)が09年に施行された。同法が義務付ける資力確保は、①保証金の供託か②保険のいずれか。

供託は、住宅会社の過去の販売実績に基づき設定された保証金を、供託所(法務局)に預ける。万が一、事業者が倒産したら、買主に供託金が還付される仕組みだ。

一方、保険だと事業者が加入する保険から修理費や調査費などが支払われる。

保険法人が検査も実施

ただ、事業者のモラルハザードを防ぐため、工事中に保険会社による現場検査を受けるなどの条件もある。

このため、瑕疵の発生を防止するための住宅の検査と一体として保険を行うため、国土交通大臣が新たに住宅瑕疵担保責任保険法人を指定するなど、保険の引き受け主体も整備されている。

また、住宅瑕疵担保責任保険契約にかかわる住宅の売主などと住宅購入者らとの紛争を迅速・円滑に処理するための体制整備も規定されている。

供託と保険の割合については、戸数ベースでは半々であるものの、事業者数ベースでみると99%が保険を選択している。

供託のスキーム

保険のスキーム

出典:国土交通省

これからどうなる?
法施行から10年 事故実績の分析が重要

法施行10年経過を見据え、現在、国土交通省は今後のあり方の検討を行っている。2019年10月をめどに最終とりまとめが行われるが、それに先駆け同3月に中間的にとりまとめた。

この中で「基本的な制度の枠組みは維持すべき」とし、資力確保措置の義務付けは今後も続きそう。この制度の趣旨は住宅購入者の利益の保護である。これまでの事故実績などを分析し、瑕疵を減らす努力がいっそう求められる。

Housing Tribune編集部(創樹社)提供