在来木造住宅の着工戸数と新設住宅に占める割合 出典:国土交通省 伝統の在来木造住宅に進化の波
住宅ローン
民間金融機関の住宅ローン金利推移
出典:住宅金融支援機構HP
超低金利で貸出残高過去を更新
キーポイント
▶金利は史上最低水準が続く
▶保険、審査スピードで勝負
▶リバースモーゲージに注目
住宅ローンには大きく「変動金利型」と「固定金利型」の2種類がある。通常、金利は変動のほうが低い。変動型は、住宅価格が高騰している場合、借入金額に対する利息を少なくすることができ、固定型より毎月の返済額が抑えられる。ただ、変動型は1年に2回金利の見直しがあり、金利が上昇局面にある時は、支払いに占める利息の割合が増え、元本の返済が進まないというデメリットもある。
固定型は一定期間、金利が変わらない。毎月の利息が決まっているため、元本を含め返済計画を安定して組むことができる。金利上昇時に強みを発揮する。タイプは住宅金融支援機構の「フラット35」のような「全期間」と、多くの民間金融機関で手掛ける10年など期間の一部を固定とする期間固定がある。
住宅ローン金利は、バブル崩壊後下降線を辿り、2016年には日銀が実施したゼロ金利政策もあり、史上最低の水準が続いている。優遇金利での民間金融機関の変動利率は0.5%を下回り、消耗戦に突入。金利だけでは差別化できないたあめ、がん保証など特約を充実させた商品も多数登場している。
さらには、AIを導入し、住宅ローン審査の〝早さ〟を売りにする金融機関も現れている。
既存住宅の売買見据えたローンも相次いで登場
既存住宅の売買を見据えたローンもある。
その1つが、売主のローンを買主が引き継げる「アシューマブルローン」だ。金利も一緒に移るため、金利上昇時は買主にとってメリットがある。
もう1つは「リバースモーゲージ」だ。自宅を担保に融資を受け、生存中は利息だけ支払い、死んだ後に売却して残債を一括返済という仕組みだ。もっとも、金融機関の担保評価が厳しく、希望通りの融資を受けられないという実情もある。そこで、住宅の担保価値の下落リスクを住宅金融支援機構が担うという、リバースモーゲージ「リ・バース60」が注目されている。一般的なリバースモーゲージは、生活費など幅広い用途が認められるが、「リ・バース60」は、住宅関連に限られるのも特徴の1つだ。
これからどうなる?
小幅な長期金利の動きに要注意
日銀資金循環統計によると、2018年末の住宅ローン残高は8年連続で過去最高を更新。低金利が続き、急いでローン返済に動く必要がないためだ。日銀は昨年7月、超低金利の水準を当分維持することを約束。低金利の状態がその後も続いている。一方で、長期金利は小幅な上振れを容認する考えも示しており、長期金利に連動しやすい固定型の金利は注意が必要。超低金利から、癌になったらローン免除など保険でのサービス競争が激化。AIを使ったローン審査も現れ、今後は審査のスピードも差別化の1つになりそうだ。
Housing Tribune編集部(創樹社)提供
