ライフスタイルの多様化

投稿日 : 2019年12月15日

仕事と家庭・プライベート(私生活)とのバランス

(注)平成29年度調査:「あなたは、仕事と家庭・プライベート(私生活)のどちらを大切にしたいですか。」との問いに対する回答。

平成23年度調査:あなたは、仕事と家庭のどちらも大切にしたいですか。また、その関係についてどう考えていますか。」との問いに対する回答。

出典:内閣府「2018年度版 子供・若者白書」

十人十色の「あがり」が必要に

キーポイント

▶2040年、単独世帯数は4割に

▶高年齢層で著しい独居率の上昇

▶仕事と家庭に対する意識にも変化

 
近年、日本人のライフスタイルは多様化していると言われている。そして、今後、その傾向はさらに顕著になると予測される。国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに実施する「日本の世帯数の将来推計」(2018年推計)によると、15年から40年の間に、一般総世帯数に占める「単独」世帯は、34.5%から39.3%、「夫婦のみ」は20.2%から21.1%、「ひとり親と子」世帯は8.9%から9.7%へと上昇。一方でかつて40%以上を占めた「夫婦と子」は、26.9%から23.3%へと低下する。住宅市場の主役であった夫婦と子どもからなる世帯が減少し、それ以外の世帯が増加するというわけだ。こうした統計データを見ても、日本人のライフスタイルが多様化しつつあることが分かる。

十人十色の住宅すごろく

73年、建築学者の上田篤氏が「現代住宅すごろく」を発表。日本が高度経済成長を突き進むなかで、多くの日本人が木造アパートから公団単身アパート、公営住宅、長屋、社宅、公団・公社アパート、分譲マンション、そして「あがり」となる郊外の庭付き一戸建て住宅へと住まいをバージョンアップしていった。いつかは「夢のマイホームを」を合言葉に、同じ方向に向けてまい進していったのだ。上田氏は、07年には新たな住宅すごろくを発表している。「あがり」だと思っていた庭付き一戸建ての先に、「老人介護ホーム」、「親子マンション互助」、「農家・町家回帰」、「外国定住」、「都心の高層マンション」、「自宅生涯現役」という6つの新たな「あがり」を加筆している。つまり、高齢化の進展によって、平均寿命が延びた結果、多様な「あがり」が出現したというわけだ。

世帯構成やライフスタイルなどが多様化するなかで、十人十色の「あがり」が具体化していき、ある意味では住宅すごろくそのものが消滅してしまう可能性さえある。それだけに、世帯構造や年齢層に応じた多種多様な住まいの選択肢が求められている。

これからどうなる?
住宅業界が先頭に立ち、仕事と家庭が両立しやすい環境整備へ

ライフスタイルが多様化する中で個人の希望や事情により様々な働き方が受け入れられる環境が求められそうだ。「2018年度版 子供・若者白書」では、2017年度に内閣府が就労等に関する若者の意識を調査した「子供・若者の意識に関する調査」の結果をもとに、若者が働くことをどう捉え、職業選択でどのような事がらを重視しているのかなどについて過去の結果とも比較しながら分析している。仕事と家庭・プライベート(私生活)のどちらを優先するか聞いたところ、「仕事よりも家庭・プライベートを優先する」と回答した人は63.7%であり、6年前の調査時の52.9%よりも10ポイント程度増えた。仕事と家庭が両立しやすい環境整備に向け、これまで以上に住宅業界からの提案が求められていきそうだ。

 
Housing Tribune編集部(創樹社)提供