分譲マンション市場

投稿日 : 2020年01月04日/更新日 : 2023年06月05日

新設住宅着工戸数 分譲住宅・マンション

出典:国土交通省

既存マンションが拡大し選択肢に広がり

キーポイント

▶新築は販売価格が高止まり

▶契約率は6割台が続く

▶リノベマンションが人気

分譲マンションの着工戸数は、2009年にリーマンショックの影響で前年の18万2555戸から7万6678戸へ、前年比58.0%減と6割近くの減少となった。極端な市場縮小によりデベロッパーの倒産も相次いだ。翌年から徐々に回復したものの、14年以降、110万戸台の推移が続いている。00年代初旬、20〜23万戸台で推移していたことを考えると約半分の市場である。

不動産経済研究所によると、18年度のマンション供給は前年比0.5%減とほぼ横ばい。初月契約率は平均62.0%と同6.8ポイントの減少。3年連続で70%を下回ったものの60%台は維持した。

資材価格や人件費の高騰を背景に販売価格が高止まっており、消費者の購入意欲が低下している。

ストック時代を見据え魅力ある商品開発が重要に

その一方で好調なのが既存マンション流通だ。

(公財)東日本不動産流通機構によると、18年度の首都圏の中古マンション成約件数は3万7601件(前年度比1.2%増)と2年ぶりに前年度を上回り過去最高となった。ストック時代を迎えるなか、また、ニーズの多様化を背景にリノベマンションが注目を集めている。

人口・世帯数の減少、成熟期に入った経済状況、不動産を所有したいという意識の減退などから、住宅市場は厳しくなってきている。住宅取得者の選択肢として戸建住宅か集合住宅か、新築か中古かと幅が広がっている。一次取得者層に限らず、高齢者が利便性を求めて都市部への集中が進む。供給過多・需要の減退という市場のなかで、新築・中古を問わず魅力あるマンションづくりが従来以上に強く求められている。

これからどうなる?
高経年化が問題に今後は法改正も含めた対応も

国土交通省によると、築40年超えの高経年化マンションは2017年末で72.9万戸あり、20年後には351.9万戸に急増する。スラム化の懸念もあり、維持管理の適正化や再生に向けた取り組み強化が大きな課題となっている。国交省では検討会を設置し同問題に本格的に着手、自治体の対策を促すなどの方向性を打ち出した。今後、法改正なども含めた対策を打ち出す考えだ。

Housing Tribune編集部(創樹社)提供

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。