不動産売買契約では、「引渡し」によって売主から買主へ所有権が移転します。本当の意味で契約が完結する重要な日と言えるでしょう。 多くの方は不動産取引に慣れていないため、お客様が安心して引渡し当日を迎えられるように、営業担当
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CASBEE
環境性能を同じモノサシで評価するツール
キーポイント
▶環境負荷が少ない建物への投資を活性化
▶より使いやすいツールへ拡張
▶レジリエンス住宅チェックリストも加わる
CASBEE(建築物環境総合性能評価システム)は、建築物の環境性能を客観的に評価し、格付けするためのツール。(一財)建築環境・省エネルギー機構が中心となり仕組みを構築し、継続的に開発とメンテナンスを行っている。建物の環境性能を同じモノサシで評価するツールとして普及を図ることで、環境負荷が少ない建物への投資を活性化させる狙いがある。建築物の「環境負荷」(L=Load)と「環境品質」(Q=Quality)という2つの要因を取り上げ、サステナビリティの観点から総合的に評価。「Sランク(素晴らしい)」から、「Aランク(大変良い)」「B+ランク(良い)」「B-ランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」という5段階のランキングが与えられる。
当初、大型建築物を対象にスタートしたCASBEEだが、住宅分野からのニーズを受け、2007年に戸建住宅版として「CASBEE戸建―新築」が登場。戸建住宅の分野でも、環境性能を客観的に評価することが可能になった。10年の改定ではLCCO2(ライフサイクルCO2)の概念が採り入れられた。建築物のライフサイクルCO2の排出量を同じ物差しで評価し、緑色の星印で表示するようになった。11年には「CASBEE戸建―既存」も開発された。評価時点での住宅ストックの環境性能を把握し、住まい方の工夫やリフォーム時の参考にしてもらう。一般消費者が自らチェックできるよう「CASBEE健康チェックリスト」という簡易ツールも用意。住まい手の健康面に特化して開発されたリストで、各項目に答えていくと自己診断ができる。14年に登場した「CASBEE‐住戸ユニット」では集合住宅について住戸単位で環境性能を評価することも可能になった。
CASBEEファミリーの展開
出典:(一社)日本サステナブル建築協会
住まいの健康リスク、災害リスクもチェック
16年には「CASBEE‐レジリエンス住宅チェックリスト」も発表された。普段は快適に過ごせ、災害時には居住者の生命や生活を守れるレジリエンスの高い住まいを実現するためには、住宅にどのような健康リスクや災害リスクがあるのか、どんな備えが必要か住まいの健康リスク、災害リスクをチェックして知る必要がある。そこで、平常時の「免疫力」、災害発生時の「土壇場力」、災害後の「サバイバル力」の3つの観点から「住宅のレジリエンス度」をチェック。それぞれには個人や家族だけでなく、地域住民と一緒に備える「連携力」も含まれる。
これからどうなる?
対象や目的に合わせて広がるCASBEEファミリー
日本発の建築物環境総合性能評価システムとして開発されたCASBEE。普及が進むなかで、社会の要請を受けより使いやすいものへと拡張を続けている。今では評価の対象や目的に合わせて様々なツールが用意されている。今後も社会ニーズにより、CASBEEファミリーはさらに広がりを見せそうだ。
Housing Tribune編集部(創樹社)提供
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