不動産業者向けプライバシーポリシーの作り方を解説|コピペ可能な雛型あり

投稿日 : 2021年10月25日/更新日 : 2023年06月04日

プライバシーポリシー

多少パソコンやインターネットの知識を持っている人であれば、ホームページの作成はさほど難しいものではありません。

無料のホームページ作成ツールを使って自社のホームページを作成している不動産業の経営者も多いでしょう。

しかし不動産業者のホームページを見てみると、まれにプライバシーポリシーが掲載されていないホームページも存在します。

プライバシーポリシーは必須ではないものの、お客様の大切な個人情報をお預かりする不動産業者としては是非とも掲載しておきたいところです。

今回は不動産業者向けのプライバシーポリシーの雛形をご紹介しながら、プライバシーポリシーの作り方について詳しく解説します。

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プライバシーポリシーとは

プライバシーポリシーとは、企業等が個人情報をどのような目的で取得するのか、またどのように管理しているかを取りまとめた文書です。

個人情報とは具体的には氏名・生年月日・マイナンバー・運転免許証番号・メールアドレス・個人識別符号など、その情報により特定の個人を識別できるものを指します。

なおプライバシーポリシーで保護される個人情報保護法の保護対象は生存している人に限られます。

すでに亡くなった人の情報は個人情報保護の対象にはあたりません。

プライバシーポリシーの作成目的は個人情報保護法の順守

実は、法律ではプライバシーポリシーを書かなければいけないという規定はありません。

それでは何故プライバシーポリシーを掲載しておく必要があるのかというと、その目的は個人情報保護法で以下のように定められているからです。

(取得に際しての利用目的の通知等)
第十八条 個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。

引用:e-GOV法令検索|個人情報の保護に関する法律

不動産業者が個人情報をお預かりする際に「個人情報をお預かりします、その目的は…」とご説明し、本人から同意を得るようにすれば、必ずしもプライバシーポリシーは必要ではありません。

しかし個人情報の取得ごとに同意を得るのでは大変です。

そのため多くの不動産業者はホームページにプライバシーポリシーを掲載しておき、あらかじめ個人情報取得の目的などを明示しているのです。

プライバシーポリシーの設置場所

多くの企業は、プライバシーポリシーを各企業のホームページに掲載する形で公開しています。

ホームページを持っていない企業はプライバシーポリシーを印刷した紙を社内に保管し、個人情報を提供する本人の求めに応じてすぐに開示できる状態にしておかなければいけません。

なおプライバシーポリシーをホームページに掲載するときには、トップページから直接プライバシーポリシーのページに移動できるようにリンクを設置してください。

プライバシーポリシーのページにどこから行くかわからないようなホームページの作り方は避けましょう。

プライバシーポリシーの必須記載事項

プライバシーポリシーをどう書くかは各社の自由に委ねられています。

しかしきちんとしたプライバシーポリシーにするためには、個人情報保護法の必須事項も含め、書いておいた方が望ましい項目や記載方法が存在します。

以下からはプライバシーポリシーを作成する際に必ず書いておきたい項目と、書いておいた方が望ましい項目をすべて説明していきます。

基本方針

自社が個人情報の重要性について認識し、個人情報保護法その他の法令を遵守している旨など、個人情報を取り扱う上での会社の基本方針を記載します。

個人情報の定義と取得方法

取得する個人情報は何かを記載します。

基本的には個人情報保護法が定義する「その情報により特定の個人が識別できるもの」となります。

取得方法に関してはすべてを列挙することが難しいため「利用目的の達成に必要な範囲内で適正な方法により収集します」としている企業が多いです。

利用目的

自社が個人情報を何のために取得するのか、目的を記載します。

この項目は個人情報保護法において、個人情報を取得する際には必ず本人に伝えなければいけないと明示されている事項です。

個人情報の第三者提供

個人情報を取引先や関連企業など第三者に提供することがある場合には、あらかじめ第三者提供の可能性についても記載します。上記の利用目的と同じく、こちらも個人情報保護法における必須事項です。

個人情報の開示・訂正・削除

個人情報を取得した企業は、本人からの請求に応じていつでも当該の個人情報を本人に開示し、本人が望む場合は訂正または削除しなければいけません。

プライバシーポリシーにおいても個人情報の開示・訂正・削除ができる旨を記載し、その手続き方法についても記載します。

問い合わせ先

上記の「個人情報の開示・訂正・削除」の請求、あるいは個人情報に関する苦情や問い合わせを行う際の窓口を記載します。

不動産業向けプライバシーポリシーでは

これまでご説明したプライバシーポリシーの記載事項は、どのような業種の企業でも使える一般的な内容です。

不動産業者がプライバシーポリシーを作成する際には、できれば不動産業ならではの内容も付け加えておいた方が閲覧者にとって親切でしょう。

以下で不動産業者のプライバシーポリシーに記載しておきたい内容を2点ご説明します。

売買・賃貸・リフォーム等の明記

不動産業者の業務範囲は、売買・賃貸・リフォームなど多岐にわたります。

どのような利用目的で個人情報の取得が必要になるのか、売買・賃貸・リフォームなど、自社が行なっているすべてのサービスを明記しておきましょう。

レインズ等への第三者提供

不動産の売買においては、レインズの登録や他の不動産業者との情報共有、物件紹介サイトへの掲載、また銀行や損害保険会社との契約あっせんなど、個人情報を第三者に提供するシーンが必ず発生してきます。

また賃貸やリフォームなどにおいても同様です。大家さんや職人さんなど、個人情報を伝えておかなければ話がまったく進んでいかない案件は多いです。

個人情報の第三者提供についてはもともとプライバシーポリシーの必須記載項目ではありますが、不動産業のホームページではより一層重要な項目だと考え、考えられる第三者提供の可能性についてきちんと記載しましょう。

不動産向けプライバシーポリシーの雛型

ここまでの説明を踏まえ、以下に不動産業向けのプライバシーポリシーの雛形をご紹介します。

ご自由にコピー&ペーストしてお使いください。

プライバシーポリシー

(基本方針)
株式会社〇〇(以下「当社」)は、当社が取り扱うすべての個人情報がプライバシーを構成する重要な情報であることを深く認識し、個人情報を取り扱う際には個人情報保護法およびその他の規範を遵守し、ご提供頂いた情報の厳正な管理を行います。

(取得する個人情報およびその取得方法)
当社は本プライバシーポリシーに定める利用目的に従い、適正かつ公正な手段により、氏名、生年月日、電子メールアドレス、マイナンバーその他の記述等により特定の個人を識別することができる個人情報を取得いたします。

(利用目的)
取得した個人情報は以下の目的により利用します。
1不動産の売買、仲介、賃貸管理、内外装工事等に関するサービスの提供
2営業活動およびアンケートのお願い
3上記に関連するサービス

(個人情報の第三者提供)
当社は利用目的の達成に必要な範囲内において、取得した個人情報をレインズ等の第三者に提供する場合があります。これらの第三者は個人情報の取り扱いについて十分なセキュリティ対処がされていることを確認し、必要かつ適切な監督を行います。

(個人情報の開示・訂正・削除)
当社は、個人情報の開示・訂正・削除その他の個人情報の取り扱いに関するご意見やお問い合わせに対し、法令の規定に基づき適切に対応いたします。
ご提供頂いた個人情報の内容の開示・訂正・削除を希望される場合は、下記担当窓口までご請求ください。

(担当窓口)
当社が保有する個人情報に関するご相談は下記の窓口にて承ります。
株式会社〇〇 個人情報保護担当窓口
TEL:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
mail:〇〇@〇〇.jp

上記の雛形はあくまでも汎用的な不動産業向けプライバシーポリシーです。丸ごとコピー&ペーストで終わらせず、自社の状況にあわせて適時修正してから掲載するようにしましょう。

まとめ

今回は不動産業向けのプライバシーポリシーページの作り方について解説しました。

プライバシーポリシーの公開は法律を順守するためだけでなく、お客様や取引先、自分の会社に関りを持つすべての人に安心して頂き、個人情報にまつわるトラブルを避けるための方策です。

まだプライバシーポリシーを作っていない不動産業者は、この記事を参考にしながらできるだけ早めにプライバシーポリシーを作成するようにしましょう。

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。