ポストコロナの賃貸集金|初期費用の支払いに便利なアプリ決済「PayPay」とは

投稿日 : 2021年11月09日/更新日 : 2023年02月15日

電子決済

近年、飲食店などでQRコードを読み取って支払いを行う「アプリ決済」が普及し始めています。

最近では、不動産業界でも賃貸契約時・退去時の集金にアプリ決済が導入され始めました。

現在は株式会社エイブルがアプリ決済サービスPayPayを導入していますが、今後さらに拡大していく可能性もあります。

今回は、大手不動産会社も採用するアプリ決済サービスPayPayを導入するメリット・デメリット、導入方法について紹介していきたいと思います。

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PayPayを導入するメリット

まず初めに不動産事業者がPayPayを導入するメリットについて紹介していきます。

入居者の満足度が上がる

PayPayで決済することはユーザー側にたくさんのメリットがあります。

以下に挙げるような大きなメリットがあるため、入居者の満足度の向上につながります。

  • 利用手数料が無料
    従来、初期費用の集金は銀行振込で行われてきましたが、銀行振込は入居者側が手数料を払う必要がありました。
    PayPayでは支払い手数料が利用者側にかからないため、入居者が不必要なストレスを感じることが少なくなります。
  • PayPayボーナスとして還元される
    PayPayでは支払った金額の最大1.5%がPayPayボーナスという形で還元されます。PayPayボーナスはPayPayでの次回の支払いから使えるポイントとなるので、ユーザーはPayPayが使える環境では積極的にPayPay決済を使用しようとします。
  • 支出を管理しやすくなる
    PayPayで支払った利用履歴は全てデータとして管理されるので、ユーザーが支出の管理をする上でも役立つ機能があります。

他社との差別化になる

PayPayの不動産業界での普及率はいまだに高くはありません。

一方で、スーパー・飲食店などでのPayPay普及率の増加は顕著であり、それに伴って消費者のPayPayの使用率が急激に増加している状況があります。

前述のようにPayPayを使用することはユーザーにとって大きなメリットがあるため、賃貸契約のような大きな金額をPayPayで決済できるということが入居者にとって、大きな魅力になっていく可能性があります。

PayPayの普及率が高くはない今でこそ、PayPay決済を導入することは他社との大きな差別化になります

カード決済と比較して、手数料が安価

キャッシュレス決済の方法としてアプリ決済の以前に存在していたものがクレジットカードによるカード決済です。

キャッシュレス化推進の波に乗って、不動産業界でもカード決済の導入も始まりました。

従来の銀行振込とカード決済・アプリ決済の大きな違いは決済手数料を入居者と不動産事業者のどちら側が負担するかということです。

決済方法 決済手数料の負担
銀行振込 入居者側
カード決済 不動産事業者(初期導入費用あり、手数料4~7%)
アプリ決済 不動産事業者(初期導入費用ほぼなし、手数料3~4%)

PayPay決済を導入した場合も決済手数料は不動産事業者側の負担となりますが、初期導入費用がほとんどかからないこと、手数料が3~4%とカード決済と比較して安価であるというところにメリットがあります。

PayPay決済は翌日か2日後に入金がある

こちらもカード決済との比較になります。

カード決済では入金の翌月に入金がありますが、PayPay決済では最短翌日に入金があります。入金のタイムラグがなければ、持ち出しがなく、キャッシュフローの面での安定化に繋がります。

PayPay決済を導入するデメリット

次にPayPayを導入するデメリットについて紹介します。

決済手数料の負担

前述した通り、従来の銀行振込と違い、決済手数料を不動産事業者側が負担する必要があります。

賃貸契約のような大きな金額を扱う際には3~4%の手数料もバカにならないため、アプリ決済を導入する際には、決済手数料の吟味が重要な要素になってきます。

決済サービスのシステムの不安定さ

PayPayをはじめとしたアプリ決済はまだまだ未熟な業界のため、たびたびサービスやシステムが不安定となることがあります。

サービス面においては、決済金額の上限の変更が起こったり、ユーザーに対するポイント還元率の変化に応じて、集客力が不安定になる場合があります。

システム面においても、セキュリティ面に不安が残ります。

PayPayでも2018年12月の大規模キャンペーン時にクレジットカード情報が不正に取得され、身に覚えのない請求が届くなどの数十件の被害が生じたことがあります。

便利な決済方法ではありますが、その新規性から新たな手口を利用した犯罪の発生の可能性も否定できないため、不動産事業者側もQRコード決済に関しての正しい知識を身につけて、万が一のときの顧客対応に準備する必要がありそうです。

PayPayを導入する方法

最後にPayPayを導入する方法・PayPay決済の詳細について紹介していきたいと思います。

PayPayの導入費用

PayPayでは初期導入費用や、月額の固定料金は一切かかりません。※PayPayマイストア ライトプランを契約の場合は月額1,980円/店がかかります。契約しなくても導入は可能です。

導入の際には、WEBやアプリから申し込みを行い、審査が通れば届くQRコードを店舗に置くだけです。

カード決済のように読み取り端末などの設備投資費用が全くかからないことが魅力です。

もう1つ大きな魅力として、解約手数料が無料であることもポイントです。解約したいタイミングで解約しても費用がかからないことも大きなメリットだと思います。

決済手数料・入金手数料

決済手数料

PayPayの決済手数料は2021年10月より1.60%または1.98%になっています。

詳しくは以下のページをご参照ください。
【リンク】「PayPay」加盟店における2021年10月以降の決済システム利用料について

入金手数料

PayPay決済での売上は登録した銀行口座に振り込まれます。

Yahoo!の連結子会社であるジャパネット銀行ならば入金手数料は永年無料で振り込まれます

口座開設自体無料ですので、PayPay導入のタイミングで同時にジャパネット銀行の口座を開設することをおすすめします。

PayPayの導入方法

導入手順

PayPayの導入手順は次の3ステップで完了します。

  1. webサイト、PayPayアプリから申し込みフォームを入力する
  2. 審査書類をアップロードする
  3. 審査通過後に届くQRコードを店舗に設置する

webサイトからの登録はこちらのサイトからすることができます。

PayPayスマートスタート

また、自分で申し込むのが面倒だと感じる方はPayPayの営業担当が店舗に来て、導入手続きを現地で行ってくれるサービス「PayPayスマートスタート」を利用することがおすすめです。

手元に審査に必要な書類を用意しておくだけで、担当者が審査・手続きを行い、即日でPayPay決済の利用が可能になります。

売上の管理は「PayPay for buisiness」で

PayPayを導入した場合、売上の管理が煩雑になるのではないかと考えられる方もいらっしゃるかと思いますが、PayPayでの売上は「PayPay for buisiness」にて、アプリやweb上で簡単に確認できるようになります。

PayPay for buisenessでは次のことができます。

  • 決済データを検索、紹介、決済のキャンセル、決済データのダウンロード
  • 入金レポートの確認、入金データのダウンロード
  • QRコードの表示、ダウンロード、印刷
  • ブランド情報の管理、編集
  • 店舗情報の管理、編集

PayPay for buisinessは審査通過後に届くPayPayスタートキットで指示される初期設定のなかにPayPay for buisinessの登録があるので、自分からは何もしなくてもだいじょうぶです。

まとめ

この記事では賃貸契約時・退去時の集金方法として普及し始めているアプリ決済の1つ「PayPay決済」について紹介いたしました。

PayPay決済は消費者への普及率の観点から導入する大きな魅力あると考えられますが、今後の決済手数料の変化には十分に注意する必要があります。

アプリ決済によるキャッシュレス化は不動産業界でも普及していくことは間違いありません。各アプリ決済の動向に注意しながら、支払い方法の多様化を検討してはいかがでしょうか。

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kobayashi この記事の監修者:小倉 大将
「いえーる 住宅研究所」編集長
学生インターン期間を経て、新卒一期生としてiYell株式会社に入社。開発マネジメント部門・メディア事業部門を経験し、入社2年目にして「いえーる 住宅研究所」の編集長に異例の抜擢を果たす。現在、同メディアを不動産業界のDX推進の一翼を担う媒体とすることをミッションに、日々業務に励む。
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