i‐constructionで業務効率化!メリットデメリットを分かりやすく解説

投稿日 : 2023年03月06日/更新日 : 2023年06月03日

i‐constructionで業務効率化!メリットデメリットを分かりやすく解説
建設業界では業務負担の大きさと人材不足が大きな課題として取り上げられてきました。

その打開策として、業務効率化につながるi‐constructionが注目されています。

では一体、「i-construction」とは何なのでしょうか。

この記事ではi‐constructionのメリットやデメリット、活用事例について解説します。

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国土交通省も認定するi‐constructionとは?

i‐constructionとは国土交通省が推進している取り組みの一つです。

2016年度から取り組みが始められていますが、一体どのような内容なのでしょうか。

i‐constructionとは?

i‐constructionとは生産性が高く、魅力ある建設現場を作り上げることを目的としてドローンや三次元データなどのICTの積極利用を推進する取り組みです。

国土交通省では3つの柱を掲げ、15の新基準と積算基準を設けて取り組みを推進しています。

3つの柱とは土木、コンクリート工、施工時期に関する以下の項目を指します。

  • ICT技術の全面的な活用(土木)
  • 規格の標準化(コンクリート工)
  • 施工時期の標準化

これらの取り組みによって建設業界でよく言われている3Kのイメージを覆し、スマートな働き方ができる現場を作り上げることを目指しています。

ICTとは?

i‐constructionで重視されているICTとはInformation and Communication Technologyの略称で、情報通信技術を指します。

ITを活用して生み出されている技術を全般的に指すもので、建設業界ではCIMのような三次元モデルを活用する技術やドローンによる三次元測量などが該当するものです。

ただし、このような高度なITを使用せずとも身近にあるパソコンやデジカメなどを活用することもICTに含まれます。

i‐constructionのメリット

i‐constructionのメリット
i‐constructionを推進するメリットには何があるのでしょうか。

後述の活用事例に関わるメリットを確認しておきましょう。

業務効率化を実現

i‐constructionの推進は業務効率化に直結します。

建設業界では測量や設計、施工、検査や点検などの様々な業務がありますが、ICTの活用によってどの業務も効率化が可能です。

例えば、測量ではドローンによる撮影をすることで人が現場に近づくことなく効率的に三次元測量ができます。

設計では三次元CIMを利用することで視覚的にわかりやすい三次元モデルを構築可能です。

正確性が高く、素人にもわかりやすい設計を表示できる点が優れています。

施工でのi‐constructionの取り組みは国土交通省も力を注いでいる点です。

ICT建設機器の開発が活発に進められていて、重機などを直接操作しなくてもパソコンなどの端末から操作できる仕組みになっています。

自動オペレーションなどもできるため、ICTの活用によって大幅な業務負担の軽減とスムーズな施工を実現できるでしょう。

検査や点検でもドローンによる撮影が有効ですが、デジカメなどの汎用機器による撮影でも検査や点検を行える技術も生み出されてきています。

作業量の減少と精度の向上に加え、ルーチンで処理可能な書類作成の自動化も行えることから業務量の低減が実現しつつ、信頼性の高い業務を遂行できます。

人手不足の解消

i‐constructionの導入による業務効率化は人手不足の解消に二つの角度から貢献します。

まず、業務負担の軽減によって同じ数の人材でも処理できる業務量が増加します。

そして、ICTの活用により3Kのイメージが払拭され、建設業界で働きたいと考える人たちが増えると期待されるのがもう一つの理由です。

きつい、汚い、危険という状況はICT建設機器の活用によって軽減されます。

代わりに将来展望があって働きやすい環境が出来上がると期待されています。

i‐constructionのデメリット

i‐constructionを推進すると建設現場にはメリットがあるのは明らかです。

しかし、実際にi‐constructionに取り組もうとするとデメリットも生じます。

設備導入コストがかかること

最大の問題はi‐constructionの推進には設備導入が必要で、莫大なコストがかかるケースもあることです。

企業としては費用対効果が十分に得られる試算ができなければICT建設機器やドローンなどの導入に踏み切れないでしょう。

その取り扱いが可能な人材を雇用したり、社内の人材を育てたりするコストもかかります。

その資金回収の計画を立てられなければ経営陣としても国土交通省の方針に倣ってi‐constructionを推進できないのが実態です。

この課題を解決することがi‐constructionの浸透のために欠かせないと言えます。

i‐constructionの活用事例

i‐constructionの活用事例
i-constructionは、どのような場面で利用されているのでしょうか?

実際のi‐constructionの活用事例をいくつかご紹介いたします。

調査点検業務への写真測量の活用事例

昭和土木設計では調査点検業務の最適化にICTを活用した事例を公開しています。

調査点検はインフラの老朽化に伴って需要が高騰していますが、計測にかかるコストや効率を向上させることが必要となっていました。

昭和土木設計では汎用機器のデジカメを使って写真測量を技術を生み出し、撮影と解析手法のっ工夫を重ねることで精度も向上させるのに成功しています。

詳細修正設計業務での3次元解析の活用事例

株式会社オリエンタルコンサルタンツでは城山トンネルの拡張をするための詳細修正設計にi‐constructionを活用しました。

三次元測量を実施してCIMモデルを構築し、三次元解析をすることで設計及び施工の最適化を実施したのが特徴です。

VRによって設計されたモデルを視覚化したことで地元の人々への説明と合意も円滑に進み、速やかな着工を実現しています。

i-constructionに注目しよう

建設業界では人材不足と業務負担の大きさをi‐constructionによって解決できる可能性があります。

既に導入によって成功した事例も多数報告されているので、業務効率化と人材不足の解消を目指し、費用対効果の高いICT技術の積極的な導入を進めましょう。

この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。