住宅ローン控除は住み替えでも使えるか|適用条件と併用不可の特例を解説

投稿日 : 2019年11月29日/更新日 : 2021年02月02日

「住宅ローン控除」は、お客様がマイホームの購入を決断するとき、心強い味方となる制度です。

この住宅ローン控除は、住み替えの場合にも利用できるのでしょうか。

今回は、住み替えの際に住宅ローン控除を利用する条件について解説します。

 

住み替えで「住宅ローン控除」は受けられるか

まずは「住宅ローン控除」の概要を確認

「住宅ローン控除」とは、住宅ローンを利用し住宅を購入された方が、10年間にわたり住宅ローンの年末残高の最大1%を所得税から差し引くことができる制度です。

 

各年の住宅ローン控除額 = 各年年末の住宅ローン残高 × 1%

ただし、控除限度額が決められており、住宅の種類により異なります。

 

◆ 「住宅ローン控除」の控除限度額

  • 一般住宅の場合…毎年40万円
  • 認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)の場合…毎年50万円

 

住み替えで住宅ローン控除は受けられる

自宅を住み替えて新たに住宅ローンを受ける場合でも、条件さえ満たしていれば再度住宅ローン控除を適用することは可能です。

次の章で、具体的な条件を確認しましょう。

 

住み替えで「住宅ローン控除」を受ける条件

住み替えの場合でも、住宅ローン控除の適用条件は同じです。

 

◆ 住宅ローン控除の適用条件

  • 自身の居住用住宅のためのローンである。
    (別荘や賃貸用、家族用は不可)
  • 床面積の半分以上が居住用部分である。
  • 床面積が50㎡以上である。
  • 返済期間が10年以上である。
  • 合計所得金額が3,000万円以下である。
  • 平成25年~令和3年までに居住を開始している。
  • 住宅の取得日・工事の完了日から6ヶ月以内に入居している。
  • 家族や知人、勤め先からの借金ではない。
  • 中古住宅・増改築の場合、築年数が20年以下である。
    (鉄筋コンクリート造の場合は25年以下)
  • 中古住宅・増改築の場合、耐火基準を満たしていることが証明できる。
    (耐震基準適合証明書または既存住宅性能評価書、
    既存住宅売買瑕疵保険の加入による)
  • 増改築の場合、費用が100万円を超えており、
    居住用部分のリフォーム費用が半分以上である。

 

住み替えで住宅ローン控除を受けられないケース

前の住宅を売却して利益が出た場合

住み替えに際して前の住宅を売却し利益が出た場合、譲渡所得の控除を受けられます。しかし、それらは住宅ローン控除との併用はできません。

 

◆ 住宅ローン控除と併用できない特例

  1. 「3000万円特別控除の特例」
    居住用住宅を売却して得た譲渡所得について、3,000万円まで所得税などが非課税になる。
  2. 「長期譲渡所得の特例」
    住宅の所有期間によって、売却時の譲渡所得にかかる所得税・住民税の税率が変わる(5年以下…39%、5年超…20%)。
  3. 「特定居住用財産の買い換え特例」
    売却額よりも高い金額の住宅に買い換えれば、売却益に所得税などが課税されない。

 

もし、上記の特例と住宅ローン控除を両方利用したい場合には、住宅ローン控除を受ける前後2年間には上記特例を適用しない必要があります。

 

前の住宅の売却時に損失が出た場合

住み替えに際して前の住宅を売却し、譲渡所得に損失が出た場合には、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を適用できます。

これは、他の所得との損益通算をしても損失が残る場合に、翌年以後3年間所得から繰越控除ができる制度です。

この制度は、住宅ローン控除との併用が可能です。しかし、損失が大きく課税所得がゼロになる場合には、実際には住宅ローン控除を利用する所得がなくなり、併用できません。

 

資産計画には正しい税制の知識が必要

住宅取得・売却にかかわる税制はとても複雑です。

住み替えなど不動産取引のサポートをする際には、各税制や特例の減税率や適用条件をきちんと把握し、お客様の資産計画に有益なアドバイスができるようにしたいものです。

 

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